表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/42

いつか王子さまが(ミオ)1

!!!!

 

私はパニックになっていた。何故なら王子…を名乗る人が私の前に跪いて手にキスしたからだ。

 

 しかも、愛しい人とか、魔女の呪いから救ってくれたとか言っていた。


 初めて会った人なのに?どどどうして?

 へ、変質者なのか?こんなにかっこいいのに!残念すぎる。自分が猫とか王子とか。

 

 でも確かにさっきの猫の瞳の色と同じではある。そしてサラサラの灰色の髪。もう一度撫でたくなる色だ。

 

 …で、でもでも、ここはヤマトイ国、挨拶にキスする習慣なんてないのだ。そんなものは、子供の頃読んだ異国の物語の中の出来事のはず。


 バンッッ!


 急に音がして我に返る。ジルが、自分のカバンを、地面に叩きつけていた。カバン壊れるよ!ジル…。


「くそっ!ミオから離れろ!変態野郎!」 


 血の気の多いジルは、そのまま掴みかかりそうで、思わずジルの腕を引っ張り止める。


 昨日だって、クラスの友達と殴り合いになって、先生に別室でこってり絞られていたのだ。まぁその友達とはまたケロっとしてバカ話してるんだけど。男子はワカラナイ。

 

 でも外で問題起こしたら、停学や退学だってあるかもしれない。それが私が巻き込んでしまった事だったら、後悔してもしきれない。


「ジル!帰るよ!」

 ジルは、私の手を振り解かなったが、腕から手を離したら暴れそうな勢いだ。片手で掴んだ腕は離さないまま、もう片手でカバンを拾い、後ろに引っ張る。


 私の力なんてジルに比べたら大した事ないはずなのに、それでも引っ張られてくれる。ジルは、優しい…というか、まあ、女子一般に弱い。私が女子扱いかどうかは別だけれども。


「良い、ナイトを持っていますね。」


 ニコニコと、笑顔で見送ってくれる緑の目。こっちは必死なのに何故そんなに余裕なの…。しかも、ナイトって!この国ではそんなの無いです。


「ミオさん、と呼ばれていましたね。それでは、また、近々お会いしましょう。きちんとしたご挨拶はその時に。」


 それどころじゃないです。今はこの猛獣を家に届けないと。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ