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天龍

 ばあちゃんと龍は、アカリナを背に庇い、5体の魔物と黒い霧を吐き出し続けるドラゴンの像に対峙していた。

 

 ばあちゃんは、ボンボンボンと煙玉を投げ、その間に隠れ身でアカリナを隠す。

 すかさず龍が竜巻を起こし霧を払い、魔物を吹き飛ばす。その隙にばあちゃんがカカカッと星形の鉄を投げる。像に鉄が刺さった所からまた黒い霧が噴き出し、ばあちゃんとアカリナを襲う。


「天龍!」


ばあちゃんの声に応える様に、龍は身を盾にして霧を受け止める。

 そして像に巻き付き締め上げると…… 霧ごと頭から飲み込んでしまった。


「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ、天龍、まさか飲み込んじまうなんて、全くびっくりだよ」

 ばあちゃんが笑う。


龍がペッと何か吐き出した。黒くツヤツヤ光る黒曜石の様な丸い玉。ーとりあえず、龍が前足に持ってみた。

 うん、絵的に落ちつきます。

でも、ちょっと石が小さい。

 そこに、岩陰から黒いトカゲが出てきて龍をじっと見つめる。龍がフッと笑い、石を与えると、ーートカゲはそれを飲み込み、黒光りするドラゴンへと姿を変えた。

 

「天龍、いい手下ができたようじゃの」

 

 ばあちゃんが笑う。アカリナは、ようやくホッとして、ばあちゃんに抱きつく。

「ばあちゃん、…天龍、ありがとう。」


龍は、バチーン!とウインクをし、ばあちゃんは、仕方ないねぇと言うように、ヨシヨシと頭を撫でる。アカリナは堪えきれず声をあげてわんわん泣いてしまうのでした。



 ーーーそしてその頃、クリストファー王子も、別のドラゴンの像と闘っていた。

 

 魔力が並外れて強い王子はジリジリと焼く黒い魔力に倒れる事はなかったが、それでも動きの俊敏さは削られていく。


 黒い霧の塊が四方から迫り、霧から10体以上の魔物が生み出されて王子を取り囲む。

 

 王子は魔力を放出し、竜巻で薙ぎ払った後に手の平から銀の矢を八方に放つ。霧も魔物も一旦は吹き飛ばされたが、銀の矢は消えかかった霧に吸い込まれて行き、直後には王子に向かって切先を向けて迫ってきた。


 前方の矢は凌いだものの、八方から来る矢に腕や背を削られる。更に、通り過ぎた矢も方向を変えて戻って来る。


 徐々に傷が増え、王子は焦る。

ーー城を取り返し、ミオの元に戻らないと。


 狼の、遠吠えが聞こえた。


 

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