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僕の仲間(クリストファー)3

 とりあえず、変身を一旦解いていたメンバーには学園モードに戻ってもらう。

 ばあちゃんはサユリさんに、犬の姿のムサシは人間の姿に、爺やは生徒モードのジーヤの姿に。


 2日後に週末の休日があるので、その日にケルリア国のメンバーで様子を見に行く事を決めた。僕、ジーヤ、アカリナだ。

 ジーヤとアカリナにはそれまでに周辺諸国にも変わった動きがないか情報収集してもらう事になった。




 

 そして、今、打ち合わせが解散になった後、僕の腕の中にはミオがいる。

 皆は気をきかせてか、さっさと帰ってしまった。


 二人になったとたんに抱きしめた僕にあわあわしながら、ミオは真っ赤な顔で尋ねてくる。

 

「王子…どうしたの?」

「…」

「?」

真っ赤な顔で少し心配そうに見上げてくる。反則だ。可愛すぎる。ぎゅっと抱きしめて、意を決して聞く。


「僕に…会う前に、誰かを好きだったの?」

「!!」


ごめん、知ってるのに聞いた。驚いて、何かを言いかけたミオを遮る。


「今もそいつが忘れられない?」


ミオの答えをちゃんと聞くのが怖い。だけど、責める様な口調になってるのも抑えられない。会う前の事なんて、どうしようもないのに。周りの温度が下がってくる。ミオが涙目で何か言いかける。

 聞きたくなくて、口を塞ごうと、無意識に顔を近づける…


 バコォーッッ!!


と音がして、後ろから誰かにはたかれた。

「バカ王子!ミオちゃんが泣いてるでしょ!」


 アカリナがベリッとミオを僕から奪いとり、ヨシヨシとなだめる。


「やり直し!」

 

 アカリナ…何だか他のメンバーもニヤニヤ戻ってきてるんだけど。いや、ジルだけは暴れてムサシにぐるぐる巻きにされて動けなくなってる。めっちゃ睨んでくる。ごめん。


「ミオちゃん。このバカ王子、いつもはもうちょっと冷静なんだけどミオちゃんの事になるとタガが外れるみたいでごめんね。私からの説明も足りてなかったみたいで、今伝えてもいいかな?そもそも、ケルリア国の王子は皆、13歳の誕生日になると魔女の呪いを受けて旅をするのが始まりで―――――」


 アカリナは、僕がどうやってミオに会ったかを説明し、愛情センサーがミオにに高い数値で反応した結果、婚約者に認定された事を話した。

 

「ただ、あまりにも高いのと、観察の結果誰にでも何にでも割と高い数値がでるので、調べたんだけど、…」


 調べてたの?知らなかった。でも誰にでも高い数値っていうのも知らなかった…。


「あ、王子落ち込まないで。大丈夫。婚約者認定はそのままだから。で、ミオちゃんは、どうも愛情が帯電する体質らしくて、勝手に溜まっていって、感情によって放電するという…そういう状態らしいの。いやあ、色んな人がいて楽しいわねえ。日常生活に何も支障ないから、問題もないし。ジルは魔法が効かない体質みたいだし、ヤマトイ国、相変わらず面白いわあ。」

 サユリさん(ばあちゃん)と目を合わせてニコニコしているアカリナに、ミオがおずおずと声をかける。


「だったら尚更…私でいいのでしょうか。」


「うふふ。そこよ。大事なのは。センサーなんてね、結局は政治的な駆け引き関係なく悪意なく関係を築けているか調べるだけの物よ。後は二人で話すことね。

 …一番大事な事を、伝えているかしら。

意外とね、わかってると思ってる事は伝えてなかったりするのよ。」


 そう言って、アカリナは、まだ見ていたそうな皆を連れて行ってしまった。


「…ミオ、困らせてごめん。」 

「ううん、私こそ、王子の隣なんてもっと相応しい人がいるはずなのに、分かっていたのに、これからも、この先も、きっと似合う人が、いるはずなのに、ごめんなさい。」 

 ミオの目から涙が溢れる。

「違うよ。ミオ。違うんだ。」


ちゃんと、伝えて無かった大事な事。


「ミオ。…好きだよ。」


ミオが目を見開き、ますます涙が溢れる。


「ずっとミオを探してたんだ。やっと会えた。センサーが反応するより先に、僕は運命の人だって分かってたよ。ミオに会ってからもますます好きになったんだ。でも、ミオの気持ちは?ミオは…?」

 

 まだアイツが好きなのか?僕の事を想ってくれてるって、自惚れてもいい?


「王子が、好き…。」


か、可愛い!やったー!僕を好きだって!ミオを抱きしめて、ぐるぐる回す。

ミオは涙が止まらないまま、クスクス笑って、僕の首にしがみついてきた。


 いやっほう!


浮かれている僕の耳元でミオが言った。


「王子に会う前に勝手に失恋してごめんなさい。」

 

いやいやいや、仕方ないしそこを責めた僕が悪いし。


「いや僕が、訳の分からないやきもちを焼いて…ごめん。」


「私も、想像しただけの、王子に似合う人に、やきもち焼いてました。」

ミオが苦笑しながら言う。


「僕に似合うのは、ミオだけだよ。もうずっと、離してあげられないけど、いい?」


ミオは、頷いた。




 ―少し離れた建物の陰。


「若いっていいですねえ。クリストファー王子、良かったですねえ。」

「青いのお。良き良き。ふぉっふぉっふぉっ。」

「ミオちゃん!良かったわ!」

「ニシシ…」

「うごっうごっ!」

「ジルはもうちょっと静かにしとけ。」


皆さん見学中でした。


 


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