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学園(ミオ)1

「それでそれで!どうなったの?」


 今私はユーノの尋問をうけている。夢のような昨日の話をしたら、興味深々で食いついてきたのだ。事の次第全てを取材するかのような気迫を感じる。

 

 「それからは寝ちゃったみたいで記憶がないの。送り届けてくれたみたい。」


「うんうん。」


 ユーノ何か書きとめてる。そしてニシシっと笑う。

 ユーノは、小柄だが運動神経も良く、行動派で元気いっぱいだ。だからこそよく彼女を知らない人は意外に思うかもしれないが、実はかなりの文学少女だ。歴史物から純文学、もっと軽い短編や詩集、恋愛物まで何でも読破する。

 そうして、「面白かったよー!ミオも読んでみて!」 と、オススメしてくれるのだ。


「ミオは、まだ、自信がないの?」

「自信?」

「自分だけが愛される自信だよー。」

「何それ?そんなのある人いないよー。」

 

 大人ぶってふざけた質問をするユーノとげらげら笑う。しばらく笑った後で、ふと、ユーノが真顔になって言った。


「でもさ、ミオは、前に…、だいぶ傷ついたじゃん。でも、王子は大丈夫だよ。きっと。」 


 ああ、私の初めての恋は、クラスでも目立つ男子だった。いつもいつも声を掛けてくるから気になって、好きだと言われて信じたら、その男子は他にもいっぱい好きな人がいたんだった。誰に対しても本気なんだって。もうびっくりです。


 男子は皆、きっとそんなんなんだ。と、泣きながら心に刻んでしまった。


 きっと、王子もいつかケルリア国に帰り、私の事も大勢の中の一人になってしまうんだろう。だから、これ以上期待しない。でも、今だけ、少しだけ夢を見てもいいかな。優しい夢を。


「ユーノ。ありがとう。大丈夫。今度は傷つかないよ。」

「うーん。解ってないかな。きっと、王子は、ミオが思うよりもっと…」


 ユーノがまだ話している途中で、他の友達が教室に飛び込んできた。

「また転入生だって。隣のクラスらしいよ。ちょっと見えたけど、すっごい清楚系美人だった!隣のクラス、男子骨抜き状態みたい。」


 この頃の転校生は、スペックが高すぎる。

ムサシさんは、神出鬼没、奇想天外、身軽で面倒見のいい兄貴タイプで不思議な人だし、ジーヤさんは、無駄のない洗練された動きでさりげなく王子の傍にいて、立ち居振る舞いが綺麗だ。

 しかも誰にも親切で優しくて、外見も一見地味に見えて、よく見ると超美形なのだ。実は最近ファンクラブが発足した。そして、会長はなんとユーノなのだ。ジーヤさんを見かけると、うっとりして、

「シブイ…。素敵。」

とか言っていて可愛い。全力で応援する。

 アカリナさんは可愛い系の美少女で、元気なお茶目さんだ。気取らない明るさと、可愛い見かけに寄らす、面白い事には何でも首を突っ込む行動派で、その親しみやすさに男女共に人気がある。

 私が初めてアカリナさんに会った時は、

「ミオ!会いたかった!」

とハグしてきて、えっ、知り合いだったっけ?!とビックリしたが嫌な気はしなかった。キラキラと大きい目に、真っ直ぐな好意が浮かんでいた。それから抱きしめて、

「おお、1000超え」

とか顔を赤らめて言っていた。

 その後「慣れ慣れしい。」と王子に引き剥がされて、文句を言っていた。気安い二人の様子にちょっとモヤッとした気がするが多分気のせいだと思う。


 もう転入生お腹いっぱい。このクラスばかり多いせいか、今度の転入生はとうとう隣のクラスに振り分けられたらしい。

 

 清楚系美人だという転入生はサユリさんという可憐な名前で、隣のクラスは待ち望んだ転入生到来にウエルカムムードらしく、はしゃぎすぎて踊ったり歌ったりする男子達が、授業にならないと先生達に別室に連れて行かれたりしているそうだ。


 隣のクラスに見に行ってきた子達がきゃあきゃあと感想を言っている。

 ふと見るとムサシさんが珍しくぐったりして、

「マジかよ…」

と呟いている。


「げ、やべえ、来た!」


 言ったとたんムサシさんがドロンと消えた。ええっ何処に?とキョロキョロするがもうどこにもいない。


 かわりに可憐な清楚系美少女がうちのクラスに入ってきた。


 


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