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新世紀の殉教者

花びらが舞い落ちる季節に

作者: keisei1

 自転車に乗って 坂道を登っていく 夕暮れ

 昨日に置き忘れた 宝物を探して

 報われぬ気持ちを抱えたままで


 公園の隅に 誰かが作った 砂の城は

 切なくも 崩れて 雨に流されていく 夕暮れに


 影が伸びた道の上で 泣いていた 子供 また歩を進めた

 僕らを包み込む やさしさも消える

 そんな日が いつか みなに 訪れると知りながらも

 

 花びらが舞い落ちる 季節の儚さ 潤い求めて

 失った郷愁と 想い出の 欠片拾い上げて

 ふと振り返る 彼女の面影

 写真立てに 仕舞われた 君の笑顔が今 離れて


 

 河川敷沿いで 歩いて向かうのは 心の居場所

 昨日に忘れ去られた 傷跡に触れては

 チクリと痛む心の影が 


 並木道では 落ち葉が濡れて 悲しげにして

 誰もが 通る場所だろう

 見知らぬ人にも 話しかけて 手を その手を 両手を握り合えたら


 花弁さえ枯れていく 季節の物憂い 横顔を見つめて

 壊れいく記憶と 愛しさの 破片拾い上げて

 ふと思い出す 彼女の笑顔

 南十字星 そこに輝く 君の微笑み もう 届かず



 水たまり その場所に落ちて 溶ける 花びらよ

 許される 限りまで 声かけた

 君の背中は もう振り返らず


 

 花びらが舞い落ちる 季節の切なさ もう帰れない

 手を伸ばす 独り道と 言の葉の 切れ端拾い上げ 

 もう一度想う 彼女の優しさ

 触れては 離れ 僕を置き去りにして 涙

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