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モノクローム・サガ~彩色の御子~  作者: 鮎川 渓
二章 獣神を崇める郷
28/51

異郷の夜に


 酒が進み互いに口数が増えていくと、同じ弓使いであるふたりは瞬く間に意気投合した。


「あの距離からよっく射たモンだよなぁ、あんな遠射見たことねぇ」


 そうローが感嘆すれば、


「俺はローの腕にこそ感心したぞ。どうしたらあんなに早く連射できるんだ」

(はず)にちょっと工夫してあンだよ」

「矢の細工だけでどうにかなる早さじゃないだろう」


セトもローの技量を讃える。

 まるで端から旧知の仲であったかのように、差しつ差されつ夜が更けていく。

 互いの得物を手に取り見比べる。一口に弓と言っても、ふたりが扱う弓は形状も素材も全く異なっていた。


「しっかし長ぇ弓だ。原野で狩りするっつったら馬上で使うんだろ? 邪魔だろどう考えても」


 ローは自身の背丈ほどもあるセトの弓を軽く振った。長さの割に驚くほど軽い。弦を弾いてみると思いの外柔らかな手応えだが、引ききるとなると相当な力が要りそうだ。


「原は広いし、遮蔽物もほとんどない。こちらが獲物の姿を視認できた時には、向こうからも視認可能ということだ。気付かれぬ内に少しでも遠くから射れた方がいい」

「確かに弓丈(ゆんだけ)があったほうが飛ぶだろうけどよぉ。にしたって馬の上じゃ取り回し悪ぃだろ?」

「だから少しでも邪魔にならないよう、弓の真ん中じゃなく下方で射るようになっていて……」

「そこまでして飛距離を取るか、原野の男は良い意味で頭おかしいな!」


 セトは強い火酒を含み苦笑する。


「いや、俺達がいた島だけだ。そんな長弓を好んで使うのは」

「へぇ、何て島だ?」


 尋ねられ、セトは小さく首を振った。ローには故郷の島でシャルカがどう扱われていたか告げてある。その上で島の名を口にするのは躊躇われた。


「もう捨てた島のことだ」

「あぁ、」


 察しの良いローはそれ以上追求しなかった。

 安い濁り油の中で、灯芯がジッと音をたてる。炎が揺れ、壁に伸びた三人の影が不規則に揺らぐ。隣の酒場からは酔いどれ客の笑い声が絶えず漏れていた。

 簾越しの風が冷えてきた。セトは一旦席を立ち、木戸を下ろすため窓に向かう。


「あに様、ぼくが」


 シャルカも慌てて立ち上がろうとしたが、セトは片手でそれを制した。


「もう眠くなってきたんだろう、先に寝るか?」

「大丈夫です」


 答えながらも、シャルカはとろんと垂れた目を何度も瞬いている。知識欲の旺盛なシャルカは、ふたりの話に興味深そうに聞き入っていたが、少し前から相槌の間隔が開いてきていた。

 ローはシャルカの取皿にまだ沢山残っている料理を見、その背を景気良く叩く。


「もう食わねぇのか? 遠慮なんか要らないぜ。ホラ、もっと食え」


 馳走になっておきながら残してしまった自らの無作法を、シャルカは丁寧に頭を下げて詫びた。


「とっても美味しかったです。でも、ぼくには少し量が多くて……」

「だから言ったろう、シャルカは小食だって」


 恐縮する弟の頭を、兄の手が優しく撫でる。

 そう、シャルカの無作法というより、酒の回ったローがセトの制止も聞かず大量に取り分けたのだった。


「そんなんじゃ兄貴みてぇにでっかくなれねぇぞー? ……っつーか、義兄弟とはいえシャルカも原野の男なんだよな? その内オマエみてぇになんの?」


 ローがぞっとしたようにセトを見やると、セトは真顔で頷く。


「その可能性はある」


 一気に青ざめた古森の男は、大急ぎでシャルカの肩を揺さぶった。


「やいシャルカ、おれよりでっかくなるんじゃねぇぞっ」

「そ、そう言われましても……」

「こんっな可愛げのねぇ兄貴みてぇにはなるなっ」

「でもぼくの夢は、あに様みたいに立派な戦士になることです」

「戦士ぃ?」


 目を白黒させるローの頭を、セトの手が小突いた。


「子供に絡むな。……シャルカ、立てるか? 先に休んでろ、この酔っ払いを少し外へ連れ出してくるから」

「でも、」

「何だとぅ! おれはちぃっとも酔ってねぇぞー」

「じゃあ煩いの」

「煩くなぁいっ」


 喚いて、ローはセトの腕を駄々っ子のようにぺちぺち叩く。

 これが酔っ払いでなくて何だと言うのか。

 気付けば、ローの小樽は早くも空になりつつある。酔いを醒まさせるためにも、一度風に当たらせた方が良さそうだ。

 シャルカは目許をこすりこすり、隅の寝台に移動する。


「それじゃあ、お先に寝かせてもらいますね。ローさん、あに様、おやすみなさい」

「おやすみシャルカ」

「おうっ、ゆっくり寝るんだぞー、寝ねぇと大きくなれねぇからなー。あ、でもおれよりは大きくならなくていい、ほどほどにー……」


 余計なことをのたまう恩人兼酔っ払いを引き摺って、セトは部屋を後にした。




 ふたりの足音が聞こえなくなると、シャルカは一気に全身の力が抜けたようになり、寝台へ身を投げ出した。

 無理もない、夕べは一睡もしていないのだ。シャルカには水源の民の男と取り引きしたことが遠い昔のことのように感じられたが、実際は丸一日しか経っていなかった。


(なんて長い一日だったろう。昨日の今頃は、今日こうしてあに様と森の中にいるだなんて思ってもみなかった。ううん、夕方までは島を出ることさえ考えたこともなかったのに……)


 慣れたものとは違う固い布団の感触に、ここが異郷の地なのだという実感がまざまざと沸き上がった。先程まではいくらか恋しく思っていた静けさが、寄る辺なき旅路の寂しさを連れて来る。

 心細さに己の肩を抱きすくめると、窓の外から密やかな声が聞こえてきた。兄とローだ。こうした隊商宿では、客である商人が他所の郷の商人に盗みを働くこともあるという。きっと、ひとり残したシャルカを案じて、すぐそばに居てくれているのだろう。

 その声にホッとして、重さを増した目蓋を閉じれば、浮かび来るのは父母の顔。山岳の民に連れ去られ際、最後に目にした両親の姿が思い出された。


(父様、母様……まさかあのまま……ううん、きっとご無事に違いない。そうだよ、誰よりも強い父様と、それを支えてきた母様だもの。――あぁ、でも)


 シャルカは戦慄く手で蒼穹神の印を切り、胸の前で強く指を絡めて握る。


(なんのご恩も返せないまま、お別れも言わずに出てきてしまった。それどころか、おふたりから血の繋がった本当の息子であるあに様を奪ってしまったんだ。母様、あに様の子の顔を見るのを楽しみにしてたのに……父様だって。父様、母様、ごめんなさい。本当にごめんなさい……――!)


 目蓋の裏の両親へ、心の中で泣き叫んだ。

 いくら詫びても詫び足りぬのに、それでも意識は身体の欲するまま潰えようとする。

 けれど眠りの淵へ落ちる間際、ふたりが微笑んでくれたような気がした。母の唇が動く。


『馬鹿な子ね――』


 その言葉の意味を問う暇もなく、シャルカは深い眠りについた。




「戦士ってことはよぅ」


 宿の壁に背を預け、男どもは並んで座り込んでいた。

 冷えた夜風に当たり、酔いが醒めてきたらしいローは、雲の晴れた夜空を見上げて言う。


「原野にゃ戦があるんだったか」

「ある」


 短く答え、セトも倣って宙を仰いだ。彼が原野で見ていたのと同じ星が瞬いている。けれど頬撫でる風に含まれているのは、泥ではなく草木の匂い。


「だからこその長弓ってワケか」

「そうだ」

「そっか……そうだよな、原野の男っつったら戦士としても有名だもんな、忘れてたぜ。オマエも戦に出て、敵を射たことがあるのか? その……同じ肌や髪の色したヤツを」

「ある」


 躊躇いがちな問いに淡々と答えると、ローは目だけを動かしセトを見た。


「古森の民の郷に戦はねぇ。古森の民だけじゃねぇ、森に棲む民は争わねぇ」

「そうか」

「だからよ、おれぁ正直シャルカの口から『戦士』なんて言葉が飛び出てたまげちまったぜ。『狩人』じゃなくて『戦士』かよって」


 セトはしばし首を捻って考える。


「原野の民にとって、戦は半ば神事のようなものだ。蒼穹神は戦神だからな」


 ふぅん、とローは軽く応じた。それからセトと同じように首を捻り、言葉を選びながら言う。


「神が違えば教義も色々あらぁな。でもよ、オマエが原野から連れて出たことで、シャルカは大人になっても戦場に立たなくてよくなったワケだろ? なんつーかよ。こう言って良いモンか分からんけどよ。それだけでもおれぁ、オマエを褒めたいと思う」


 セトは目を見開き、ローの横顔をまじまじと見つめた。ローは慌てて両手を振る。


「あーやっぱこういう言い方マズかったか。原野の民の生き方を否定するつもりはねぇんだ、ただ……」

「いや、そうじゃない」


 少々喧しいし、くだらないことでやたらと絡んでくるロー。だがこうして世話を焼いてくれるばかりか、異なる教義を軽んじることもせず、シャルカのこともよく気にかけてくれる。


「お前いい奴だなと思って」

「今気付いたのかよっ」


 セトの横腹にローの肘鉄が勢いよくめり込んだ。ローはそれでも顔色ひとつ変えぬセトに口を尖らすと、拗ねたように足許の草を千切り始めてしまった。今更痛がって見せるのも慰めるのも面倒になったセトは、話題を変えるべく先程の疑問を再び投げかける。


「案外色々と考えているお前が、どうしてひとりで荷を引いていた?」


 案外の言葉に、ローは即座に身を乗り出しかけて、止めた。

 代わりに痺れの残る足を揉みつつ、深く息を吐く。


「おれの兄弟の話したろ?」

「あぁ、六人兄弟だったな」

「その末の妹がよ、賊に攫われたんだよ。ひと月前に」


 セトは思わず目を瞠った。


 ローが語るにはこういうことだった。

 ひと月と少し前。

 末妹の親友が猛毒の蛇に噛まれ、三日三晩生死の境を彷徨う事態に陥った。

 四日目の朝、ここ雲糸郷に解毒の術に長けた薬師(くすし)がいると知った彼女は、幼馴染数人と年若い露払いと共に、山を下り赤土の『街道』へ出た。生憎、ローは仕事で別の郷へ赴いており留守だったという。

 親友のため、一刻も早く雲糸郷へと馬を飛ばしていたが、数日がかりの強行軍に全員の疲労が濃くなった頃。『街道』の脇に馬を寄せ休憩していると、彼女は森の中の木に果実が生っているのを見つけ、ひとり茂みの中へ分け入った。付き合わせてしまった皆に振舞おうとしたのだろう。

 けれど、


「一瞬の出来事だったらしい」


突如響いた悲鳴に同行者達が顔を上げると、彼女が異様な()()した三人の賊どもに連れ去られようとしているところだった。

 露払いの若者が慌てて奪い返そうとしたが、賊の吹き矢に倒れてしまう。今日のローと同じように。残った友人達は必死に後を追ったものの、すぐに撒かれてしまったという。

 それからは一睡もせずひたすら馬を駆けさせ、ぼろぼろになって帰郷した彼らから話を聞いたローは、周りが止めるのも聞かずたったひとりで郷を飛び出してきたのだと。


「自分を囮にして、その賊を誘き出す気だったのか」


 なんて無茶なとは、まさに今日単身敵に突っ込んできたセトに言えた義理ではない。だがそれにしても無謀だ。

 けれど、妹のためにそうせざるを得なかったローの気持ちは痛いほど分かる。

 ローは下草を握りしめた。千切れた草から青臭ささが風に散る。


「賊が三人だったと聞いて油断しちまった。畜生……あの日、おれが郷に居たら」

「ロー、」


 さっきまであんなに陽気に振舞っていたローが、そんな事情を抱えていようとは。時折自分達兄弟を見る眼差しが翳りを帯びていたのもそのためかと、セトは唇を噛んだ。


(ローの妹が攫われたのはひと月も前。なら、今更その賊を見つけたとて……)


 嫌な想像ばかりがセトの胸を過ぎったが、口に出せようはずがない。

 けれどローの鳶色の瞳は、絶望に曇ってなどいなかった。正面の闇をひたと見据え、


「妹を攫ったのは、今日おれを襲ってきたヤツらで間違いねぇ。ヤツらの行動を見てはっきりと確信した。ノンナは……アイツはまだどっかで生きてる」

「何?」


ローは自らの足を叩いて見せる。


「ヤツらの目的は荷じゃなかった。おれまで攫おうとしたんだよセト、()()()()()()()

「……つまりあの賊は、人の身の売買を生業にしてるってことか?」

「だろうな。じゃなきゃ、こんな一時的に身体の自由を奪うだけのみみっちぃ毒使わず、致死量の猛毒を使うはずだ。でもな、ここはムール平野の南部だ。奴隷商にコネ持つ賊はそういねぇ」


 前半は頷きながら聞いていたものの、後半の話にセトは首を捻る。それを見たローは髪を掻き毟った。


「っだー、そうだった! オマエとんでもねぇ世間知らずだった!」

「すまない」

「至極真面目そうな顔してホンットやめろよ、腹立つ! ……いいか? ムール平野の最南部には、オマエらがいた原野が広がってる。原野の民は人身売買を禁じてるだろ? で、平野の中部にはおれら古森の民がいて、同じく禁じてる。その間には隊商の行き交う『街道』が通っちゃいるが、賊が多いってんで大方の隊が郷の腕利きか傭兵を連れてんだ。人を狩るには向いてねぇのよ」


 セトは島へ来ていた商人達の様子を思い返す。傭兵など連れていただろうか。

 その疑問を見透かしたローはますます髪を掻き毟る。


「原野にゃオマエみてぇなガタイが良いのが剣下げてうろうろしてんだろーが! 誰がンなおっかねぇトコで悪さすんだよっ。つまり原野は治安が良いの、お分かり? だから傭兵を連れてくのは概ね鞍替え所までなんだよ」

「あぁ」

「『あぁ』じゃねぇよ……ったく、話戻すぞ。

 それにな、奴隷ってのは値が張るもんだ。それを大枚叩いてでも買おうっつー悪趣味な連中はそういねぇ。ムール平野じゃな、女奴隷は北東に、男奴隷は北へ売られていくって相場が決まってんだ。この南部で人を攫っても、そこまで運ぶのは手間がかかる」


 北はともかく、北東にある郷を思い出し、セトは奥歯を噛んだ。


「水源の民の郷か」


 ローは北東の空を見やり吐き捨てる。


「そうだ。水源の白豚どもは、水代の払えなくなった郷に若い女を差し出させる。ンで水源の郷にある娼館で働かすのさ。買われた女達が行き着くのもそこだ。水源の郷にゃ、水を買いつけにくる他所からの客も多く出入りするからな。反吐が出らぁ」


 セトの脳裏に、今朝方屠った卑しい商人の顔が浮かんだ。すでに泥に沈めてやったが、思い出すだに何度でも太鼓腹に剣を突き立ててやりたくなる。


(ローの妹が、そんな目に遭っているなどとは思いたくもないが)


 それでもローはひと欠けの希望に縋り、呻く。


「どうにか生きていてくれさえすりゃそれでいい……どこに居たって何をしたって、絶対ぇ助け出してやる……!」


 剣呑な響きを孕むローの独白に、セトは堪らずその腕を掴んだ。


「だがひとりではあまりに危険だ。それに、お前には郷で待つ妻や子がいるんだろう?」


 その言葉に、ローは情けない顔でセトを仰ぐ。


「ああぁヤベェ! 無理に振り切って出てきちまったけど、嫁怒ってっかなぁ? 子供連れて実家に帰ったりしてねぇかなぁっ?」

「それは知らん」

「ああぁ、帰り辛ぇよぅ」

「いや、そこは帰れよ。帰って土下座でもしろ」


 頭を抱えてしまったローの肩を、セトは同情と共感を込めて叩いた。

 守るべきものが、否、守りたいと思えるものが多いというのは、男が持つ本能的な庇護欲が満たされ充実もするが、己が二本の腕に余ることもある。ローに比べ、真に守りたいと思った弟以外、何もかもを捨ててしまった自分の何と身軽なことか。

 それでも、ローに対し恩を超えた親しさを感じ始めていたセトは言う。


「もし邪魔でなければ手伝わせてくれないか?」


 ローはその申し出に一瞬目を見開いたが、すぐに首を横に振った。


「その腕だ、頼りてぇのはやまやまだがよ、セト。オマエにゃシャルカがいるだろ。あの子にゃオマエしかいねぇんだ、万が一オマエに何かあった日にゃ、おれぁあの子にどうして詫びりゃあいい」

「『おれの義弟になっちまえ』って言ってなかったか」

「言ったさ、そン時にゃ死ぬまで面倒見てやるさ。だがよ、あの子が納得するかっつったらまた別の話だろ」


 言い含め、ローは長靴(ブーツ)に登ってきた蟻を払った。


「せめて、何か手伝えることはないのか? こんな話聞かされて黙っているなんて……」

「ならよ、」


 立ち上がり、刺青だらけの腕を掲げうんと伸びをする。


「おれは明日ここを発って一旦郷に戻る。敵があれだけ頭数がいる賊なら、流石に応援頼まなきゃならねぇからな。もし旅の途中で何か情報掴んだら、クラライシュ郷まで文を送ってくれねぇか」

「文?」

「そう、疾風(はやて)の民に頼んで……って、だあぁもうッ! オマエってヤツぁホンットに世間知らずだな!」


 怪訝気な顔のセトに、ローは深々と息を吐くと欠伸した。


「……セトよぅ。オレぁもうオマエにあれこれ説明すんの疲れた。明日シャルカに文の出し方教えとくわ」

「そうしてくれ、俺ももう頭が一杯だ」


 セトも立ち上がり、つられて欠伸を零す。ローは見上げなければならないその横顔を軽く睨んだ。


「ンだよ、デカいのはその図体だけか? 頭ン中にゃデカい脳みそ詰まってねぇの?」

「その可能性はある」

「…………」

「…………」


 しばし睨み合うと、男どもは親しさを示すにしてはやや力を込めて背を叩きあい、宿の入り口へ引き返した。



はず……矢の端にある弓の弦をかける部分

弓丈ゆんだけ……弓の長さ

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