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双天のステルラ  作者: なまけもの
世界への旅立ち
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第5話

流石に無理矢理すぎた。しかも、なんだよこのダラダラ感は。

もっと双子に旅立たせる根拠がグランに必要じゃないのかなと書いてて思いましたね。なんかグランが無理矢理旅立たせた感がMAXだ。でも、これが私の今の全力です……。

兎に角、双子の旅が始まった頃ですのでそろそろ登場人物の紹介を書こうとしますかね次回ぐらいに。

それでは今回も稚拙な文章ですが宜しくお願いします。

 双子が寝台の上で夢の中の話をしているとグランが二人に様子を見に来ていたのだが、アイラがアイルを押し倒しているような体勢になっているのでグランは何も見なかった事にしたいのか静かに戸を閉めた。戸を閉めるとグランは頭を抱えて部屋の前で色々と悩んでいた。


(母さんが亡くなって自暴自棄になってしまったのじゃろうか!? ふ、双子でそんな禁断の行為に走るなど…けしからん!)


 部屋の前でグランが頭を抱えて自暴自棄になっていた。マーザを失ったショックで双子が禁断の恋愛に走ってしまったのかと暴走しているのだがマーザが隣に居れば先ずはグランが先に落ち着けと言っているだろう。

 グランが頭の中で育て方を間違えたのかと色々と悩んでいると戸が開きアイルとアイラが部屋から出てきた。寝間着姿のままで勘違い中のグランを見て双子は小さくを首を傾げながらグランに声を掛ける。


「おはよーお爺ちゃん! そんな所で一体どうしたの?」

「お爺ちゃんおはよう。何か悩み事があるの…?」


 元気そうに挨拶をするアイルと心配そうにグランを見つめるアイラ。悩んでいる事は双子の関係なのだがグランはそれを言わずに慌てて返事を返す。


「お、おはよう二人とも。なにもないから気にしては駄目じゃぞ」

「うん、分かったー!」


 気にしては駄目だと言われたアイルは素直に受けとめた。もっとも何故悩んでいるのかさえ全く見当がついていないだろうがアイラは違う。少女というのは少年よりも少しばかり勘が鋭いものでアイラは先程の事が悪かったのだろうかと予想ぐらいは出来た。


「大丈夫だよお爺ちゃん。アイルと同じ夢を見てつい興奮しちゃって私が倒しちゃったの……」

「ぬっあ…! アイラが押し倒して……」

「あ、あれ~?!」


 心配を取り除くためグランに説明をするアイラだが逆に誤解させてしまい困惑してしまう。

 そんなアイラとグランを見ながらアイルは笑っていた。アイル的には誤解されたままでは特に支障はないので全く気にしていないのだ。そんな事だけで十分弱の時間を費やして漸く何時ものようにリビングに集まった。しかし、昨日まで一緒に笑って朝食を取っていたマーザが居ないので非常に寂しく感じ椅子に座ったままのアイル達。だが、気持ちとは裏腹に昨夜は夕食を食べていなかったので食欲には勝てず三人とも腹の音が鳴った。

 双子もグランも話したい事があるので腹を膨らませてからという事となりアイラが簡単にハムエッグと食パンと牛乳、グランにはコーヒーを用意して朝食を取り始めた。その途中でグランはアイラの言葉を思い出してそれについてコーヒーを飲みながら質問する。


「二人が見た同じ夢というのはどんな内容だったんじゃ?」

「凄い場所だったんだよ! 足下に星がまたたいて水色をした女の人がボク達の運命がどうとかや生まれた意味がなんたらを知る為に旅立ちなさいって言ってた」

「ふむ……なるほどの」


 内容をアイルとアイラに問うとアイルが興奮しながら夢の事を説明した。正直なところ説明が下手くそなので綺麗には纏める事は出来なかったがグランは運命や生まれという単語だけでアイルが説明する夢の内容を理解したが、同時にグランは双子が特別な存在なのだと改めて実感してしまった。双子が見た夢は旅立ちなさいと神から告げられている感しかなくグランは少し目を瞑る。言うべきか今まで迷っていたがとうとうふっきれた。


「二人とも外の世界へ旅立とうと思わないか。山奥の村で一生を過ごすよりも外の世界を旅した方が余程、二人の成長ににも繋がると私は思うんじゃ」

「「へっ……?!」」


 グランから外の世界へと旅立たないかと言われた双子はどちらも同じ反応を見せていた。突然なので仕方がなく双子は互いの顔を見合せながら再びグランへと視線を戻す。二人とも何故急にそんな事を言いだしたのかと解せない表情を見せながら説明を求める。


「ずっと考えていたんじゃ。このまま生活していても良いのだろうかと、母さんも前から考えていたんじゃ。二人は本当の両親に会いたいんじゃないのかと思って…の」

「外の世界は見てみたいなあ、どんな事が待ってるのか知りたいし…でも」


 もっともアイルは純粋に外の世界を見て回りたいという気持ちは強く少しばかり本音を口にしたが、少し微妙な顔色でアイラを見る。視線の先のアイラは難しい顔をして下を向いていた。決して旅立つ事に強い拒否があるわけではないがマーザが亡くなって日も浅いのに旅立ちの話をする事に不満が募っていた。


「どうしてお爺ちゃんは急にそんな事が言えるの…? お爺ちゃんは私達の事が嫌いなの?」

「きゅ、急にどうしたんじゃアイラ? 私は二人の事が好きじゃが」


 怒った口調で、しかし表情は悲しそうにしてグランに自分達が嫌いなのかと問いかけた。珍しく怒っている様子のアイラにグランは戸惑いつつも否定して好きだと答える。


「お爺ちゃんは寂しくないの? 私達が旅立ったら一人…なんだよ?」

「そ…う、じゃな」


 アイラが怒っている理由はグランが一人勝手に旅の話を考えていた事よりもグラン自身の事を全く考えていなかった事に怒っていた。マーザと違い老いたとは言え一人で自立した生活を送る事ぐらいは出来るのだが、マーザが病死してアイルとアイラが旅立てば小屋とも呼べる一軒家で一人寂しく生活する事になるのだ。だからこそアイラは大好きなグランにそんな生活をして欲しいとは全く考えていない。

 全く予想外の反論にグランは言葉を失って口を閉じてしまう。グランは今後の双子の将来を考えるばかりでグラン自身の双子が旅立った後の思いを考慮していなかった。アイラと同じ理由でアイルも旅をしてみたいという思いを明確には言えなかった。


「お告げみたいなものでも夢だから…ピンとこないし」

「それだけじゃないんじゃ。私が二人に旅を勧める理由は」


 結局は夢の中の出来事でアイラの心にはあまり響いてはいなかった。気になると言えば嘘になるがそこまで執着するようなものではない。

 だがグランは昨夜の事もあって双子が見た夢がただの夢とは思ずにいた。何せグランが垣間見た奇妙な一場面と双子が見た夢が重なっているのだ。これは本当に天が双子を導いているとしかグランには考えられず、昨夜の事を双子に話す。それを聞くと双子もこればっかりは驚きを隠せずに口を開けて呆然としていた。


「ボクが成長したような人……」

「それって私達のお父さんなの…かな?」


 グランが黄金の輝きに導かれて訪れた場所での話を聞くと双子の心が揺れる。両親というものを知らない双子は想像でしか父親と母親の姿を思い描いた事はなく、会ってみたいという思いはグランやマーザが想像していた以上に大きい。

 先程までとは違う双子の反応にグランは双子の気持ちを察した。そして、グランから会いたいのではないかと言葉にするとアイルとアイラは図星らしく動揺を見せた。


「やっぱり二人は両親に会ってみたいんじゃな?」

「そ、そんな事ないよ! ね、アイラ!」

「う、うん! アイルの言う通りだよお爺ちゃん」


(二人とも嘘が下手じゃなのぉ)


 アイルの視線はグランを直視しておらず全く別のとこへ向けながら否定しアイラにも同意を求めた。

 流石は双子と言ったところかうろたえる様子は全く同じでグランは心中でついつい苦笑いを浮かべながら嘘が下手だなとなまあたたかい表情で双子を見る。


「二人も私と同じじゃな。自分の気持ちを押し殺して私の事を考えておる…二人は子供なんじゃ我が儘の一つや二つ言っても構わんのじゃよ?」

「だけどお爺ちゃん一人になっちゃうんだよ?!」

「旅をしたら二人は帰って来ないのかの?」

「帰って来るよ! だってここがボク達の故郷だもん!!」

「じゃから寂しくはないんじゃ。二人が旅をして成長してくれる事が私にとって嬉しい事なのじゃよ」


 ずっとここで暮らし続けるよりも外の世界へと旅立ち大きく成長してくれる事の方が余程グランにとって幸福な事だと答える。それに永遠の別れになるわけではない事も旅を勧める理由の一つでもある。必ず帰って来る事を信じているからだ。


「外の世界を旅立てば二人の両親にも会えるかもしれんしの。こればっかりは流石に絶対とは言えんが」


 確実の保証はないが賭けるだけの確率はあるとグランは語る。双子が暮らす村など広大な世界から見れば本当に小さいもので双子は見付けられるかもしれないと本気で思った。


「世界中を旅すれば会えるのかな私達のお父さんやお母さんに……」

「同じ場所に留まっていると難しいじゃろうが各地に何かしら残しているじゃろうて」


 滞在するよりも各地を旅した方が余程効率が良いとグランから言われるとアイルとアイラは本気で考え込む。そして、数分ほど黙って考え込むと双子は自分達の思いを口にする。


「「お父さんとお母さんに会ってみたい」」


 それが双子の本音だった。会って話したいし抱きしめてほしいなど両親に対して色々な願望がある。そんな双子の本音を聞くとグランは優しい笑みを浮かべながら椅子から立ち双子の方へと歩み寄り頭を撫でた。


「漸く本音を言ったのお。それで良いんじゃ、私はこの村で二人の旅が上手くいく事を祈っておる」

「うん必ずボク達はこの村に帰って来るよ!」

「うむ、アイルならばそう決断すると思っておった」

「う、うん。私も行って来るね」


 漸く本音を発露した双子にグランは旅が上手くいく事を村の教会で祈ると伝える。

 アイルは旅が終われば必ず帰ってくるとグランに約束するとアイルの切り替えの早さを誇らしく思うグラン。アイラはアイルに置いていかれていたがアイルと一緒に行く事を決意した。



 双子が両親を探す旅を始める決意をして三日の月日が経った。既に村に入る唯一の通り道には双子が旅の支度を終えて村人たちに見送られていた。子供用の旅人の服を着用しており唯一アイルだけが抜く事が可能な剣を装備している。鞘は豪華にも宝石が埋められており非常に高そうで、アイラの持つ弓は成りの部分が黄金みたいな素材で造られているがアイラが持つと全く重みがなくアイルの剣同様に軽い。


「本当に旅立つのかよアイル、アイラ」

「まぁね! 次に会う時は凄く大きくなってるから見てなよ!」


 良く一緒に外で遊ぶ友達から寂しくなると言われるたアイルとアイラ。アイルは身体的にも精神的にも大きくなって必ず再会しようと笑って答える。アイラはアイルの隣で小さく頷く程度だった。


「二人とも道中は気を付けるんだよ。この周辺はあまり魔物が棲息していないだろうけど一応は棲息しているんだからね」

「これは村人からのお金です。旅にお金は欠かせませんので大事に使いなさい」


「え、こんなに!?」

「こ、こんなに貰えません…!」


「良いんですよ。村人全員が二人の旅が上手く行く事を願っているのですから」


 年齢はグランよりも若く最近頭髪が気になりだした年の村長からは魔物には注意するように言われ、その次に神父がアイルとアイラに村人たちから集めた金銭が入れられた皮袋を手渡した。袋に相当詰められているのかアイルとアイラは吃驚して返そうとするが逆に断られた。

 返そうにも断られてしまうのでアイルはしぶしぶ大きめの革袋にしまった。挨拶もそこそこにアイルとアイラは最後に育て親のグランに視線を向ける。


「お爺ちゃん、ちょっと外の世界を冒険してくるね!」

「行って来るねお爺ちゃん。ちゃんと元気で居てね?」

「分かっておるよ。二人とも存分に外の世界を楽しんできなさい」


 最後に双子を強く抱きしめるグラン。グランに抱き締められるとアイルとアイラもグランを抱き締めて外の世界を冒険してくると告げて小走りで村から離れていく。途中五十mぐらいの場所でアイルが大きく手を振っているのが見えてグランは何時ものアイルらしさに笑みを浮かべながら一滴の涙を流した。それを見て神父はグランに問う。本当に双子を旅立たせて良かったのかを。


「本当に宜しいのですかグランさん。本音と言えば寂しいんでしょう?」

「……そうですの。じゃが、私には双子が見た夢や私が垣間見た一場面…あれは星霊エトワール様の導きじゃないのかと思うんですじゃ」

「確かにあの双子はベールに包まれていますからね。私も祈りましょう星霊エトワール様に」


 辛く悲しい思いはある事を神父から看破されているがグランはこの世界の主たる存在である星霊エトワールが双子を導いていると確信したからこそ自分の思いを押し殺して双子を外の世界へと旅立たせた。それを聞いて神父は確かにと納得してグランと同じ様に星霊エトワールに旅の無事を祈り続けると答えた。

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