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双天のステルラ  作者: なまけもの
世界への旅立ち
15/49

第15話

久しぶりに更新です。いや、中々更新出来ませんでした。

と言うよりも執筆する前にベッドの中で眠っている事の方が多かったのですよ。それにしても最近暑いですよね。やっぱり夏は一番嫌いな季節ですなぁ。

そういえばパソコンを新しく買いました。早くネットに繋がるようにしないといけないけど、働いているから時間が掛かる。

あ、親のパソコンを今は使ってますからね。


それでは第15話も宜しくお願いします!!

 木が疎らになっている疎林。古い時代から作られていただろう道を数名の子供達は談笑しながら歩いていた。しかし、時間帯は既に夜中の為、鳥の鳴き声や叢から聞こえる音に怖くなり小さな悲鳴を上げる者も少なからず居る。と言うよりも殆どの者達がそうである。

 夜の林というのは昼間にくらべて全然違うもので子供達の恐怖心を刺激している。

 先程まで勇者になった気分だと浮かれていたギンタも進めば進むほど周りが暗くなり口数も減っていった。


「皆、怖がりだなー。それに屋敷ももう見えてきたよ!」

「こ、怖いわけねえだろうが、ちょっとビックリしただけだ! それよりも何でお前達はアイルに抱きついてんだよ!」

「「だ、だって怖いから……」」


 全く怖がる様子を見せないアイルの言葉を聞いて本音では怖がっているギンタは反論するが、アイラとエルネに何故アイルに抱きついているのかツッコミをいれる。ギンタから何故と問われたアイラとエルネの二名は素直に怖いからと答えた。実際、アイラもエルネのどちらもこういったものに弱いので声を震わせながらギンタに返事を返した。

 二人に抱きつかれているアイル本人は邪魔などと思わず特に気にする様子も無く屋敷が見えた事に嬉しそうな声を出していた。

 お化け退治が最大の目的なのだがそれを真に目的にしているのはアイルだけで、アイラとエルネはアイルの付き添いみたいなものでギンタに至っては何時の間にかアイルと競っているようにも周りの子供達には見えた。


「ギンタくんは最初の目的を忘れたの?」

「忘れてないけどアイツにだけは負けられねえんだ」


 眼鏡をかけた少年から目的を忘れたのかを問われたギンタ。目的を忘れているわけではないが何故かアイルには負けたくないと答えた。それは単にギンタ自身よりも小柄なアイルの方が圧倒的に存在感を放っているからかもしれない。そもそも今日までギンタはこの町のガキ大将だったのだ、年齢はアイルよりも一から三歳年上で所謂、ガキ大将や番長だったのだが悉くアイルに覆されていた。


「ぜ、絶対に急に何処かに居なくならないでね……アイル」

「そんなに怖がらなくても大丈夫だよ。ちゃんと一緒にいるから安心してね」

「……うん」


 怖がって離れようとはしないアイラから急に居なくならないでと言われて、ちゃんと一緒に居ると答えて安心させる。もっともそれだけで普通は安心する事はないのだがアイラに対しては充分効果的で小さく頷き納得していた。



 疎林を抜けると古びた屋敷が見えてきた。雑草が至る所に生えており屋敷の外壁にはツタが伸び手入れがされていない事が一目で分かった。

 

「こ、ここがお化け退治の場所だ。どうだ流石のお前もビビっただろ!!」

「ふえ~、手入れなんて全然されてないね。むしろホントにお化けが居そうですっごいワクワクしてくるよっ!!」

「お前怖いものなんてあんの?」

(うわぁ、ホントに怖いんだけど! どうしてコイツと競おうとしてたんだっけ……俺)


 夜だと異様な雰囲気を醸し出す屋敷を指差してアイルに怖気ついたかと言うがアイルは余計にワクワクしており、アイル自身に怖い物があるのかとギンタは疑問をつい浮かべてしまった。他の少年少女はその屋敷の雰囲気に呑まれているのか顔が青くなっており、内心ギンタも他の子供達と同じ様に顔が青く怖がっている。

 時折、屋敷の方から唸り声らしきものも聞こえてアイラやエルネは今すぐにでもこの場所から離れたくなった。

 元々はエルネだけを行かせるつもりだったがアイルの無自覚な口車に乗せられ、否、自ら地雷を踏んだギンタは今更酷く後悔していた。


「それじゃお邪魔しまーす!」

「行きなり!? もう少し慎重に開けるよねそこは!?」


 なんの迷いやためらい、しり込みなどせずにアイルは扉を開けた。開ける時に扉がミシミシと軋む音がを鳴らし、それがより一層子供達に緊張感を与えた。

 一番初めに屋敷の中に足を踏み入れたのは唯一ワクワクしているアイルとアイルにくっついているアイラとエルネで、ギンタは警戒しながら屋敷へと入って行く。他の子供達もこのまま引き返す事も外で待つのも余計に怖いので屋敷の中に入る事になった。

 屋敷の玄関ホールは明りがなく暗いので目を凝らさなければ周囲の先まで見えなかった。その暗闇の中少女が見えないと愚痴を吐きギンタも納得していた。


「ねえ、暗くて見えないよー」

「だ、だよな。けど火を点ける物なんて何もないんだけど」


 暗いのは重々承知している事なのだが生憎誰も蝋燭など火を点ける道具を持っていないので、常に暗闇のままだと迂闊に行動も出来ないでいた。その為、無理に先へと歩まずアイル達は立ち止まり明りを灯す手段を考えていた。隅々までは見れないが会話をする程度の距離ならば明りを灯さずとも視界に映せるからだ。


「メルフィー君はなにか道具を持ってない? フリントって石があれば火を点けれるんだけど」

「そんなの持ってきてるわけないだろ。せいぜい包帯や薬草ぐらいだよ」


 眼鏡をかけたそばかす少年の名前を呼んでアイルは何か使える道具がないか主に火打石はないかと訊ねた。しかし、メルフィー自身屋敷がどんな場所なのかを想像していなかったので怪我をしても大丈夫な医療品や軽食ぐらいしか持ってきていなかった事をアイルに伝える。

 他の少年少女も鞄に入れてきた道具を見せるがどれも明かりを灯すような物はなかった。と言うよりも暗いので感触で確かめているだけである。そうやって色々と時間が過ぎていると突然、扉が閉じる音がしてアイル達は後ろを振り向いた。扉が閉じられた音を聞いて皆、嫌な予感しか抱かなかった。


「もしかして……私達閉じ込められちゃったの?!」

「そ、そんなぁっ!? それじゃここから出られないってこと!?」


 遊び半分で同行してきた少女二名は扉が勝手に閉じた事に嘆いていた。少女達が嘆いていると突然、暗かった屋敷のロビーが明るくなり、アイルもこればっかりは驚きを隠せずに慌てて周囲を見渡し始めた。


「わわっ!? 急に明るくなったけどなんでだろ!?」

「分からないけど急にだから眩しいよ……。エルネちゃんだいじょうぶ?」


 暗闇だった場所が忽然、明るくなったので目がそれに慣れずアイラは目を手で軽く擦りながらエルネの方へと体を向けると同じ様に目を擦っていた。


「ギンタくんっ、ちゃんと私達を安全にお家まで帰してよね!!」

「そうよっ! ギンタがこんな提案するからいけないんだからっ」


「はあっ、俺のせいなのかよ!? お前らだって自分の意思で着いてきたんだろ!?」


 少女二名から責任転嫁されたギンタは口調を荒げる。


「はぁ、こんな時に喧嘩なんて……」


「ど、どうすれば良いのかなアイラちゃん……?」

「分からないけど……喧嘩は良くないよ」


 ギャーギャーと騒ぐギンタと少女達を横にメルフィーは頭を抱え、アイラとエルネの二人は止めた方が良いのかとあたふたと眺めていた。


「ギンタ君も落ち着きなよ。扉が勝手に閉じただけで開かないって決まってないんだから」


 ギンタと少女二人の口喧嘩をアイルは止めながらアイルはロビーに出た扉に近付いて行く。

 勝手に閉扉したが開かないというわけではないのでアイルは試しに開けようとドアノブへと右手を伸ばす。しかし、鍵が掛かっているのか何度も押したり引いたりしているにも関わらず開く事はなかった。


「駄目だね完全に閉まってる。残念だけどボク達はこの原因を突き止めなきゃ帰れそうにないね」


 何度も無理矢理押したり引いたりしたが開かないので帰れないとアイルは悟った。

 この原因を突き止める必要があるとアイラ達に伝える。それを聞いた面々はショックを受けたのか跪いていた。それも仕方がないだろう理由が分からないとはいえ帰れなくなったのだ気落ちするのも可笑しくはない。


「それじゃ、そろそろ行こう。こんな所で立ち止まったって仕方ないんだし」


 帰れないなら帰る方法を見付ければ良いという思考のアイルは屋敷を探索しに行く事をギンタらに勧める。同じ場所に居ても無駄な時間を浪費するだけ、それならば部屋を全て見ていけば方法は必ず見付けられるそう思って提案した。


「アハハハッ、困ってる困ってる。帰れなくて困ってるね!」


 二階へと繋がる階段へとアイルが近付こうとした時、手すりにピスク・ドールが座っていた。どこにでも販売されている女の子の玩具。青い瞳に金色の髪というピスク・ドールでは普通の物でアイルはただ人形が喋っているという認識しかしていない。いや、人形が人語を喋っているという事実にアイルの頭がついていっていないのだ。


「に、人形が喋った!? な、何で何で!?」


「こ、怖い……帰りたい……」

「もう帰りたいよぉ……」


 漸く人形が喋ったと理解したアイルは目を輝かせながら理由を求めていた。しかし、他の者達は閉じ込められて帰れない、お化け屋敷かもしれないという二つの要素に加え人形が喋るという一般的ではない現象を前に顔を青褪めていた。

 特にアイラとエルネは今にも泣きだしそうでアイルを掴む力が必然的に強まる。それに気付いたアイルだが今はそれ以上に人形に強い興味を抱いており、人形の方へと足を運ぼうとしていたがアイラとエルネは怖いので必死に止めようとしていた。


「だ、駄目……行ったら許さない……」

「そんなぁ~! すごい面白そうなのが目の前にあるのに」


 涙を堪えて上目遣いをしながらアイルの行動を止めるアイラ。そんなアイラを見ながらアイルはガッカリした様な面影を見せて人形に近付くのを止めた。

 アイルがアイラの表情を見て若干戸惑っていると、再び人形が言葉を話始めた。人形の割には感情の色が籠もっておりまるで悪戯をして楽しんでいるような子供の悪戯心。


「ここは僕の屋敷だよ? 勝手に入って来るなんて礼儀のなってない子供だね、だからお仕置きしてあげる。僕の所まで来れれば帰らせてあげるよ~」


 それだけをアイル達に説明すると人形はバランスを崩して階段へと落ちた。恐らく魔法で操作していたのだろう。


「よーし、それならこの声の正体を確かめに行くぞー! ほらギンタくんも行くよ!!」

「ちょっ、お前はもう少し怖がれよぉおっ!!」


「ちょっと待って! 私達も行くから!」

「そうだよ、置いて行かないで」


 腰を抜かしているギンタの手を掴んで引き摺って歩いて行くアイル。最早、誰もアイルの好奇心を止める事は出来ないのでアイラとエルネはアイルから離れアイルの後に続いて歩き始めた。二人とも怖いので互いの手を握り離れ離れにならないようにしている。ギンタは怖がらないアイルに怖がれよと喚きながら引き摺られていく。

 メルフィーと少女二人もこの場所で待ち続けるよりも一緒に探索した方が怖さも減ると思い後に続く。

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