第6話
第6話
次の日のニュースで、光翼が持ち込んできた事件の解決が報じられた。証拠となったのは、美野の爪から発見された被害者の皮膚だった。
発射台を掴んでいる被害者に気付いた彼は、その意味に感づき、それを奪い取ろうとした。その時に最後の力を振り絞った被害者と揉み合いになり、腕を引っ掻いてしまったらしい。その時付着した皮膚が、爪から検出された。動かぬ証拠というやつだ。
「さて、光翼。ネタはいっぱい持ってきてくれたんだろうね」
「もちろんだ」
探偵事務所の応接スペースで、一志と光翼が話をしていた。一志は今から笑いを堪えきれないでいる。
「課長はどんなヅラにしたんだ?」
「それが聞いて驚け。一気に短髪にして、毛を茶色く染めたんだ」
その話を聞いて一志が腹を抱えて大笑いした。今まで七三分けを貫き、真面目一徹で通っていたあの課長が茶髪。しかも、おかめ納豆のようなあの顔で。
「ちなみに目黒は、今度は交通課の男子に手を出してな。それと言うのも、自分が車でスピード違反をして、それを取り消してほしいからって理由からだったんだが、無理だとわかった途端捨てやがった。魔性の女だよ、あれは」
「皆川君はまだ諦めきれないみたいだねぇ」
「そうなんだよ。未だに隙を狙って復縁を申し込もうと……だから何で知ってる!?」
そんな楽しそうな輪の中に、新がコーヒーを二人分持ってきた。
「楽しそうですね」
「まぁ、一応平和だって話だよ。脱税はまだやめておこう。こういう話をもう少し聞きたいからね」
「できるならお前を逮捕したくないしな」
探偵事務所には凡そ似つかわしくない笑い声が部屋中に響いた。
プライベートアイ・ミネモトをここまで読んでくださりありがとうございました。
初めて書いた推理物ですので、至らぬ点が多々あると思いますが、ご容赦ください。
ネタがたまればまた書くかもしれません。
今のところ、次にアップする予定の小説は「TRUMPⅢ」ですので、気が向かれたらそちらも読んでいただけると幸いです。
恐らく一週間の内には掲載すると思います。
ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございました。
精進していきたいと思います。