表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

宝くじの当選に気づいたが異世界に飛ばされたので期限までに帰らないと10億円が水の泡になる件

作者: 鱈場蟹
掲載日:2026/04/05

あの日、11ヶ月そのままになっていたジャンボ宝くじの当選確認をしてから俺の人生が変わった。


「あ、当たった!嘘だろ、10億円だ!」


その瞬間俺の体は光に包まれた


ーーーー「いてて、なんだこの森は?」

すぐに、俺は元いた世界とは別の世界に飛ばされたことに気づいた。なぜなら、目の前にドラゴンが現れたからだ。


ドラゴンは俺に言った。


「お前には私の代わりに勇者を説得して欲しくてこの世界に呼んだ、色々聞きたいことはあるだろうが、どうか私の話を聞いてくれ」


俺は色々困惑しつつも、ドラゴンの態度がそれとなく敵対的に見えなかったので、話を聞くことにした。


「私は古代からこの世界を守るドラゴンだ、しかし勇者は私が世界を滅ぼすと思っている。実際は私にはそんな力はないし、世界を滅ぼそうなんて少しも思っていない。しかしこのまま誤解を解かなければ私は勇者に倒される。」


「この世界の人間のほとんどは、勇者の影響で、長く続いている国の赤字は私が富を持っていながらも貧しい人に配らないせいだと思い込んでいる、確かに私は多くの金塊を持っているが、ここまで憎まれてしまってからでは街に行っても配る前に倒されるだろう。だから別世界にいた人間から無作為にお前を選んで勇者を説得してもらうために連れてきた」


ドラゴンが言い終わったところで、俺は重大なことに気づいた。


「た、宝くじは?俺の10億円はどこだ⁈」


「ああ、あの紙切れのことか?あれは何かわからなかったからお前のいた世界に置いたままだよ」


「そんな、換金期限はあと一ヶ月だからそれまでに換金できなかったら10億円が水の泡だ!」


俺が焦っていると、ドラゴンが言った。


「そんなに焦ることはない、お前が一ヶ月で勇者を説得すればいい話だろう」


「そんなこと、できるわけ、、でもやるしかない!」


こうして俺の勇者、そして世界を説得する計画が始まった。


ーーーー


しかしそう簡単に進むはずもない。


まず重大な問題がある。


それは俺は今いる森から出られないということだ。


なぜなら今はドラゴンが守ってくれているが、ドラゴンから離れると、この世界の物質と反応して別の世界から来た俺の体はぐちゃぐちゃになるらしい。


もちろんドラゴンはこの世界の住民に憎まれているので、ドラゴンと街に行くのも不可能だ。


「どうしようか?このままだと勇者の信頼を得られず、話し合いも何もできずに一ヶ月がすぎてしまう、そしたら宝くじも水の泡になってしまう。」


ここで俺は閃いた。


「信頼を得る方法……金を配るだけじゃダメだ。公平さが必要だ……全員が納得する仕組み……そうか、宝くじだ!」


しかし思いついたのはよいがやはり問題があった。


先ほど言ったように俺は街に出られない。


そうして悩みながら最初の一週間が過ぎ残り21日になったとき、転機はやってきた。


なんと森の中に家族が三人迷い込んできたのだ。


最初は父と母は我が子を”悪い”ドラゴンから守ろうと必死だった。


しかし嫌悪されながらも攻撃などせずに、淡々と家族に食事を渡そうとするドラゴンに対して、徐々に心を開いた。


一週間たったころには気軽に話せる仲になり、俺たちの事情を知った。


母親が言う。


「私たちはずっと勘違いをしていました。お詫びに勇者さまを説得する手伝いをしたいのですが、私たちなんかが勇者さまを説得出来るわけがなくて、、」


そこで俺はすかさず、


「この世界ってギャンブルに関する法律とかありますか?」


「え?ギャンブル?」


そこで俺はやってほしいことを詳しく説明した。


「それなら法律に触れないと思うのでできると思います!」


おれはドラゴンにも


「森にある金塊を全てこの家族の家に転移させて欲しい、俺たちの運命がかかっている!」


と頼むと


「わかった、よくわからないがお前の言う通りにしよう」


と案外簡単に受け入れてもらえた。


そして家族に


「頼んだ、君たちにドラゴンの命運と俺の10億円がかかっている!」


と言って、家族は街に帰った。


ーーーー


さらに一週間後、俺の見立て通りのことが起きた。


なんと森に勇者がわざわざ訪ねてきたのだ。


それも武器を持たずに。


勇者はドラゴンに頭を下げて言った。


「本当にありがとうございます!あなたのことを誤解していました!」


ドラゴンが俺の方を向いて


「いや、考えてくれたのはこいつだ。お前、一体何をしたらこんなことになるんだ?」


と困惑した声で尋ねた。


俺は勇者とドラゴンに説明した。


「単に宝くじを1人10枚で無料で親子に配ってもらっただけですよ、当選者には森にあった金塊を配ることにして、さらに貧しい人には宝くじとは別に金塊を渡して援助をしたんですよ」


勇者が言う。


「つまり、その宝くじで世界がよくなったと言うことか?それならもっと配ろう!」


俺は冷静に言った。


「それは金塊があるまでですよ、それがなくなった時のために勇者様にはしっかりとこの世界の人のことを豊かにしてもらいたいです」


勇者は言った。


「わかった、私は今までこのドラゴンは悪だと思って、それを倒すことばかりに力を使っていた。これからはこの世界を良くすることに専念できそうだ、本当にありがとう」


ドラゴンが言った。


「ありがとう、お前のおかげで私は勇者と和解できた、ところで、気づいてなさそうだから教えてやると、今お前が来てから何日目だ?」


「31日目、、あ!期限の日じゃないか!すぐに元の世界に戻らないと!」


「わかったすぐに戻そう」


と言われて勇者とドラゴンの見送りを受けて元の家に戻り、とっさに時計を見ると、23:59:59と見えた。


「終わった、マジで終わった、10億円が水の泡だ」


1時間ほど呆然としていると、ふと机に大量の金塊が置いてあるのが目に入った。


「う、嘘だろ、なんでこんなに」


そこにはドラゴンから


「言ってた期限にギリギリ間に合わないと思うから、あらかじめ森にある金塊を換金金額と同じ分おいておくぞ。今はお前が来てから1日目だが結局間に合ったか?? ドラゴンより」


と書いてあった。


俺はドラゴンが全て未来を知った上で俺に頼んでいたのかと思ったが、そんなことよりも、テレビを開いて金の価格が最高値を更新したというニュースをみて、朝になってすぐに買取に走った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ