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政治経済エッセイ

【奇妙な政策の裏にいつもいる】竹中平蔵氏の「規制緩和」【郵政民営化 非正規雇用 カジノ マイナンバーカード】

作者: 中将

筆者:

 本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。


 今回は「竹中平蔵氏の推進した規制緩和」が日本をどう破壊したのか? について語っていこうと思います。



質問者:

 今回取り上げるという事はまた何か発言されたんですか?



筆者:

 元経済財政担当相で経済学者の竹中平蔵氏が、5月4日放送の読売テレビ「そこまで言って委員会NP」


 にて、


 米国の1~3月期の実質GDP(国内総生産)は年率換算で前期比0・3%減と、3年ぶりにマイナス成長を記録したことに触れてから、


「アメリカがやろうとしている関税とか、典型的な保護主義というのが、やりすぎるとマズいぞということが、トランプ氏も分からざるを得ない状況になっている」


「日本は自由貿易を掲げる立場にあり、アメリカ車も米も自由貿易か、保護貿易かの観点に立ち、考える必要があると思う」


「米というのは日本に残された最後の保護貿易なんですよ。

 日本の農地の面積は20年で約1割減、農業従事者約5割減している。これは何を意味しているか? 1個(家)あたりの面積は約2倍になっている。チャンスがあるが、ここに株式会社が入ってこれないので、スマート経営ができていない。ここでいろんな改革をすれば、日本の米はもっともっと生産でき、減反をなくせば、米を輸出できる。輸出できるようにしておくのが食料安全保障です」


 などと規制緩和を強く主張した場面があったそうです。



質問者:

 実際にこういった主張に対してどのように返答していけばいいのでしょうか?



筆者:

 まずトランプ氏の関税政策について前提条件として必要な情報が抜けているのですが、

保護貿易は強硬な対中政策をするためであり、その“理由”が重要なのです。


 中国発AIの代表格である「DeepSeek」はアメリカの技術を盗んだのではないか? と言う疑惑があります。


 中国で事業をするアメリカ企業がアメリカに戻ってきてくれればその分プラスになると考えているのでしょう。


また今回のアメリカのGDPが12四半期ぶりにマイナスになったのは駆け込み需要で輸入が増えている(輸入はGDPマイナス要因)からです。


 関税の影響が出るのはこれからであって今評価すべきものでは無いと僕は思います。



質問者:

 ただ、権威のある方がここまで言い切られると中々反論できないですよね……。


 後半の「輸出できるようにすることが食料安全保障」と言う事についてはどうなんでしょうか?



筆者:

 現状の輸出をして儲けることができる農産物と言うのはかなりの高価格帯ばかりです。


 今利益が出ている日本産和牛や高級フルーツなどを大量生産できるようにしてもいざという有事の時に出回っても誰も手が出ないでしょう。


 米に利益が出るように株式会社化をして大規模にして参入してもそんなに農地が続いているところが多いとは思えません(もう既に米を作っていない場合も多く、農地に戻すのに手間がかかる)。


 農地が続いていない状態だとトラクターなどが移動するのもガソリン代などもかかりますからまた非効率です。


 現状の国内の米の需要が足りないのであれば米粉製品などの開発に全力を投じ、

 米を大量生産しても良い状態にするべきでした。


 そして、欧州が行っているような農家の所得補償を行うべきなのです。

 この点一つをもってしても「日本の農業が保護されている」とは全く言えないでしょう。


 竹中氏の主張しているところで唯一賛同できるのは「減反政策が問題だ」と言うところだけですね。



質問者:

 なるほど、現実に即していない理論と言う事ですか……。


 しかし、これほどまでズレた理論を唱えられて一体竹中さんは何をしたいんでしょうか?



筆者:

 24年3月から竹中氏はSBI証券の独立社外取締役に就任しています。


 そしてSBI証券は24年8月からは米の先物取引を開始しています。


 米の爆上がりが始まりそれが収まっていない一因として「米が投機対象になった」と言う事もあると思います。


 現状の農家所得補償や固定価格買取や低価格放出が無いままに米が「稼げる」ようになるという事はその分「日本国民が貧困化」することを意味します。


 

質問者:

 米の値上がりは色々な要因が重なり合っていると思いますけど、

 この状況下で投機対象にしないで欲しいですよね……。



筆者:

 更に、竹中氏と仲が良い小泉進次郎氏は「農林中金解体」を狙っています。

 恐らくはこの預金を「アメリカ様」に献上若しくは竹中氏の関係企業が株を持つことで自在に使うことを目論んでいるのでしょう。


 「郵政民営化」と「ゆうちょ民営化」と同じような構図があると思います。



◇竹中氏のこれまでの「悪行」



質問者:

 竹中さんと言うと何かと「国を破壊してきた」と言う印象がある方なのですが、

 実際のところどうなのでしょうか?



筆者:

 まず現実と竹中氏の主張を照らし合わせてみましょう。


 日本の賃金が伸びない理由として「非正規雇用者の増加」が挙げられます。


 正社員で無い人の割合は男性は1997年は26%だったのが、2024年では36.9%(女性の場合は平成初期は働く方が少なく、いても非正規雇用者が元から多いためにここでは除外)になっています。


 さらにこの派遣法改正の2000年前後は非正規雇用が増加し、「団塊ジュニア世代」を「氷河期世代」にしてしまい、「第三次ベビーブーム」と言うのが起きませんでした。


 日本の少子化は当時から懸念されていましたが更に加速したのです。


 この局面ではむしろ正規雇用を増やすような支援をしていく必要がありました。



質問者:

 日本の人口問題にも大きく影響を与えてしまったという事ですか……。


 

筆者:

 派遣法改正の所管大臣(厚労大臣)ではなかったという事が竹中氏の言い訳ですが、

 労働規制緩和は、大臣就任前から竹中氏の一貫した主張です。


 また、内閣に大臣として存在していただけで「普通の人が得ることが出来ない情報」を持っていたことは間違いないと思います。


 そのことから人材派遣会社のパソナ会長に就任することもでき、権益を受けてきたのです。



質問者:

 事実上自ら提案して自らその産業の会長に就任するって酷いですね……。



筆者:

 雇用規制緩和の最大の問題は働いている労働者を「コスト」や「経済の調整弁」として見始めてしまったことだと思います。


 確かに終身雇用制度にも課題がありました。


「窓際族」「年功序列」など非合理的な産物も生んでしまったと思います。


 ただ、終身雇用制度は「一人の人間」として社員を成長させようという会社の意思も感じられました。


 会社と社員との結合が薄まった結果、社員側も会社へのコネクトが下がり、アッサリ転職してしまったりして技術の流出やあらゆることが自己責任になってしまったりと色々な弊害を生んでいると思います。



質問者:

 日本の良いところを破壊しつくしてしまったという事ですか……。



筆者:

 更に近年の竹中氏の動きとしてはデジタル庁のマイナンバーカード製作事業の下請けにパソナが関わってきたり、


IR(カジノを含む統合型リゾート)にもオリックス会長として食指を伸ばしてきました。


 大阪のIR運営事業者は、アメリカのMGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同グループでしたが、これも竹中氏が大臣では無かったものの政府の政策に関わる有識者に選ばれ続けていることが要因の一つだと思います。


(大阪で影響力が強いのは維新の会の議員の候補者選定委員になったこともあり、

 日本維新の会にも食い込んでいるからだと思われます)



質問者:

 マイナンバーカードも色々問題があったのに補助金を投入してでも強引に作らせましたよね……。


 IRも反対意見が多いのにどうして強行するのか(しかも反対のための住民投票の定数が集まったのに住民投票を実施せず)と思いきややはり「竹中さんの利権」が関わっているんですね……。



筆者:

 本人は「利益相反では無い」と主張を続けていますし、実際に裁判になってもそれが認めることが出来ていないのが現状ですね。



質問者:

 しかしどうして竹中さんはこんなにも力を持っているのでしょうか?


 今も政府の審議員を務められているそうでし、いくら何でも20年にわたって力を持ち過ぎですよ……。



筆者:

 やはり、あまりにもアメリカに利益がある政策を続けていますから「アメリカ様との繋がり」が非常に強いことでしょうね。

 ハーバード大学に留学したりしてそこの段階で「取り込まれた」のだと思います。


 竹中氏は世界経済フォーラムの理事を長年、日本人で唯一務めており、国際的なコンセンサスの決定にも強く関与しています。


 このような人間を政治や会社の中枢に置くことはそれぞれの機関で「メリット」があるのでしょうね。


 

質問者:

 しかしそれが日本全体についていうと「デメリット」になってしまっていることもあると……。



筆者:

 非常に残念ながらそう言う事だと思います。

 少しずつ気づいておられる方が増えているとは思いますけどね。



◇キチンと反論できる「リテラシー」を国民全体で持つべき



筆者:

 ちなみに竹中氏は「農林中金解体」だけでなく「スマートシティ計画」や「ライドシェア規制緩和」も強く主張しているので、このあたりも非常に警戒していく必要があるように思います。


 これらのことも「雇用緩和」同様にそれぞれ問題があり、一見すると「解決策」と思える主張を竹中氏はそれぞれされています。


 しかしながら、「国民をドン底」に追いやり「竹中氏の関与する企業の利権」をもたらすことばかりだと思います。



質問者:

 こうした竹中さんの主張に対してどのように対処していけばいいのでしょうか……。



筆者:

 竹中氏は非常に頭のキレる方だなと思う点は、


「問題点」を提起し(ここだけは当たっている)、自分にとって都合のいい「解決策」それでありながら、

 追及されれば「逃げ道」も用意しているので容易に捉えることができないのです。


 残念なことに「明確に違法だ」という事はしていませんからね。


 上記の形で権威のある方が堂々と主張されれば「納得」してしまう方も多いのではないかと思います。



質問者:

 なるほど……。



筆者:

 これに対抗する手段は国民一人一人が「竹中氏の主張構造」を理解し、

リテラシーを高めてしっかり反論できるようにして、誤魔化されないことだと思います。


 そうでなければ今後も竹中氏に「食い物」にされてしまい、日本は更に破壊されてしまうでしょう。


 これは難しいことなのかもしれませんが、

 僕はなるべく分かりやすいようにこれからも政治経済について思うところを書いていこうと思いますのでよろしければこれからもご覧ください。

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