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3 死亡の策と交渉

 実家の自室で、しばらく体を休めた。

 ベッドの上で、枕を支えにして上体を起こす。医者から手当てを受けるうちに、いくらか眩暈は治まった。


 殴られた頬にはシップ、ぶつけた頭にはガーゼがあてられて、痣だらけになった腕には包帯が巻かれている。


 ベッドの側に腰かけた老齢の医者が、哀れみを込めた声で言う。


「尊いお妃様が、こんなお姿になってしまわれるとは……世も末とはこのことですな。やれやれ……死亡診断書には『頭の打ち所が悪くて亡くなられた』と、書いておきましょう」

「ありがとうございます。心より感謝申し上げます」


 昔から我が家と懇意(こんい)にしている医者は、ベルホルト家の窮地を聞いて、協力の覚悟を決めてくれたのだった。


 部屋に集まっている父、母、兄、そして信頼できる使用人たちに、エリーゼは今後の流れを語る。手当ての最中に詳細は話したが、再度の確認だ。


「――王妃エリーゼは、今、死にました。さらに明日には、ベルホルト一族が処刑されます。王が正妃を殴り殺し、さらにはその家族を皆殺しにした。そんなことが知れたら、ギリギリの均衡を保っている城内は、いよいよバランスを崩すでしょう。陛下は荒れた城を、魔法の力で制圧しようとするでしょうね。でも、魔力の負荷は自身の体にくる。むざむざ寿命を縮めることは、彼も避けたいはず」


 エリーゼは死亡診断書を確認した後、父の方へと目を向けた。


「そこで、陛下に交渉します。『妃殺しを庇う代わりに、一族処刑を撤回してくれ』、と」

「上手くいくと良いが……もし、陛下が交渉に乗ってこなかった時は、腹をくくるとしよう」


 父は皆をぐるりと見回した。神妙な面持ちで頷き合い、それぞれが覚悟を決める。


『エリーゼが死亡した』と、王を騙し、動揺している隙に交渉に引きずり込む。名案にして、迷案。まさに一世一代の、とんでもない作戦だ。が、既にとんでもない君主を抱えている国なのだから、押し通してもいいだろう。

 

 皆の覚悟を、エリーゼは凛とした面持ちで受け止めた。


(さて、もう一人、この作戦の鍵となる人がいるのだけれど)


 今、集まっている面々と、さらにもう一人、シナリオに加わってほしい重要人物がいる。

 到着を待ちわびていると、ほどなくして、部屋の扉がノックされた。


「エリーゼ様、リュミエラ様がおいでになりました」

「えぇ、こちらへ」


 入室の許可を出すや否や、側妃リュミエラが駆け込んできた。


「エリーゼ様! お加減は!? あぁ、お顔がこんなに腫れて……! 歯も欠けてしまったとお聞きしました……必要とあらば、わたくしの歯を差し上げます……!」


 ベッドのエリーゼに縋りつき、彼女は大粒の涙をこぼした。


 リュミエラは七つ年下の、十八歳。大切な妹でもあり、妃という同じ立場にある、たった一人の友だ。臆病な子だから、先ほどの暴力沙汰は、さぞ怖かったことだろう。


「ごめんなさいね。わたくしが下手を打ったばかりに、血を見せてしまいました」

「いえっ、いえっ……わたくしこそ、謝らないといけません。子ができないのは、陛下に問題があることは明白です。わたくしにも授かる気配がないのだから……――と、あの時、わたくしからも陛下に進言すればよかった。エリーゼ様のお力になれなかった……。陛下のお怒りを被るのが怖かったのです……。申し訳ございません……」


 エリーゼの手を両手で握りしめて、リュミエラは泣きながら項垂れた。労いを込めて、震える彼女の頭を撫でてやる。


「あなたが控えていたのは賢明だったと思います。二人で王の怒りを買って廃妃にでもなったら、共倒れもいいところだわ。憎まれ役はわたくしだけでよい」

「そんな、賢明だなんて……わたくしはただの愚か者でございます……」

「そんなことはない。あの時は、蹴られているわたくしを庇ってくれてありがとう。怒りに我を忘れた暴漢の前に飛び出すなんて、そうできることじゃないわ。あなたは強く優しい、もう一人の国の母です。さぁ、顔を上げて」


 リュミエラは一瞬顔を上げたが、また頭を垂れてしまった。


「いいえ……エリーゼ様こそが、唯一の国母です。わたくしの忠誠はソーベルビア陛下ではなく、あなた様だけに」


 彼女は手の甲に忠誠の口づけを落として、スンと鼻水をすすった。そんなリュミエラを見て、エリーゼは苦笑する。


(主従の誓いなんて、いらないのに……。わたくしはあなたのことを、似た者同士の、並び立つ友だと思っているのだけれど)


 想いは正しく伝わっていないようだ。言いたいことはあるけれど……まぁ、今は置いておく。


「リュミエラ、こちらを向いて。あなたに協力してほしいことがあるの」

「……陛下のご乱心の始末でございますか? なんなりと、お申し付けください」


 声音を切り替えると、リュミエラも表情を整えた。

 

 深く息をしてから、今後の筋書きを話す。エリーゼは今回の件においての、最大の任務を、この、無二の友に託したのだった。

 彼女は大いに驚き、困惑していたが、それでも真剣に受け止めて頷いてくれた。



 そうして時間をかけて、託された内容を吞み込んだ後。リュミエラの表情は動揺から心配へと変わっていった。


「ベルホルト家の処刑を回避したとして、その後、エリーゼ様はどうなさるおつもりですか?」

「わたくしの遺体は密やかに埋葬された――ということにして、王都を脱する。離れた街で平民に扮して過ごし、()をうかがいます」

「時、ですか?」


 目をパチクリさせるリュミエラに、エリーゼは力強く宣言する。


「城へと舞い戻る時、です。わたくしは絶対に王城へと帰ってくる。()()()()()()()()()()()()が、わたくしの帰城の時となりましょう」


 彼女に対してだけでなく、家の面々と、そして自分自身に対しての、揺るぎない誓いだ。


「地位高き者は己を滅し、義務に生きよ。民を抱える国母の義務を果たしてみせます。たとえ、王を(だま)くらかして、破滅へと誘う悪妃になろうとも」


 凛々しくも艶やかな笑みをたたえるエリーゼの手に、リュミエラはもう一度、従属の口づけを落とした。

 






 夕食を終え、少しばかり執務を片付けてから、ソーベルビアは城の自室にリュミエラを呼んだ。

 いつもであれば、まだエリーゼに仕事を振られている時間だが、今日はゆっくりできそうだ。


 あの女は実家に赴いているとか。厳しく灸を据えてやったので、今頃はしおらしく、家族と別れでも交わしているのだろう。


 リュミエラをソファーに座らせて、自身も隣にドカリと腰掛けた。肩を抱き寄せて、滑らかな肌を指先で楽しむ。

 やはり、若いリュミエラの肌の方が好ましい。二十も半ばに差し掛かったエリーゼなんかより、ずっとそそられる。


「ははっ、しばらくは心安く過ごせそうだな。生意気なエリーゼも、家族を殺せば少しは従順になるだろう。リュミエラも、もう、あいつに遠慮しなくていいぞ。正妃の位はお前のものだ」

「いえ……恐れ多いです。わたくしが正妃になど、とても……」

「私の厚意を拒むというのか」

「いえ、そういうわけでは……」

「まぁ、よい。お前のそういう控えめなところを、私は好ましく思っている。実際問題、エリーゼとは子ができぬから、お前が頼りだ。若いお前なら、きっと授かることだろう。胸も豊かで尻も大きい。お前の方が女として優れている。何も心配ない」


 そう、心配ないはずだ。これまでは立場上、正妃であるエリーゼと夜を過ごすことの方が多かったが、これからはリュミエラに時間を割くことができる。


 そのうちに世継ぎが生まれ、我が王権は未来永劫、安泰だ。今日、エリーゼから馬鹿げた侮辱を被ってしまったが……あの女は、王から寵愛を受ける若い側妃を(ねた)んでいるだけだろう。


(……しかし……まぁ、魔法を控えるというのは、考えてやらんでもない。子をもうけるまでは、極力使わないようにしよう)


 別にエリーゼの進言を聞き入れたわけではない。元々、魔法の負荷による短命は避けたいと、考えてはいたのだ。


(リュミエラとの間に世継ぎができたら、エリーゼの奴、どういう顔をするだろう。あぁ、楽しみだ)


 笑い声をこぼすと、リュミエラが困惑した面持ちで、こちらを見ていた。こういう顔をされると庇護欲を煽られて、たまらない気持ちになる。一方のエリーゼは、殴りつけても涙すら見せない可愛げのなさだったが。


 リュミエラの顎を掴み、口づけを贈ってやろうとしたが――……その直前に、部屋の扉が叩かれた。舌打ちをして席を立ち、扉へと向かう。


「邪魔しやがって……。何用だ、入れ」

「はっ、失礼いたします。陛下、緊急のご連絡がありまして……その……」

「何をもったいぶっている。早く言え」


 苛立ちを露わにすると、言伝に来た側近が声を潜めて告げた。


「エリーゼ妃殿下(ひでんか)が、亡くなられたと……ベルホルト家から連絡がきました」

「な……、何……?」


 今、こいつは何と言ったか……? 死んだ? あのエリーゼが?


 青天の霹靂(へきれき)とはこのことか。想像だにしていなかった報告を聞いて、こぼれそうなほど目を見開いてしまった。


「急ぎ、陛下とお会いしたい、とのことで、ベルホルト宰相からの面会願いを受けております。城に呼びますか? それとも――」

「私が向かう。宰相は屋敷にいるのだな? エリーゼもそこに?」

「は、はい。お供いたします」


 リュミエラに声を掛けるのも忘れて、大股で廊下を歩き出した。




 馬車に乗り、城近くのベルホルト家に急ぐ。父王が死んだ時よりも、心臓が忙しなく鳴っている。胸に込み上げてきたのは、悲しみではなく、焦りだ。


(死んだ、などと……この目で見るまでは信じないぞ。どうせ癇癪(かんしゃく)を起して、戯言を寄越しただけに違いない――)


 ベルホルト家の玄関ロビーに踏み入ると、使用人たちが敬礼の姿勢で出迎えた。が、一目で異常が見て取れるほど、皆、固い表情をしている。


 エリーゼの父と兄――ベルホルト宰相と、その秘書も出迎えに加わり、低く重い声を寄越した。


「ソーベルビア陛下、夜分にご足労いただき……」

「挨拶はよい! 死んだというのは本当なのか!?」

「こちらを……」


 宰相から手渡されたのは、死亡診断書だった。そこにはしっかりと、『エリーゼ』と名が書かれていた。死因は、頭部外傷――……。


「そんな……。エリーゼはどこにいる!? この目で確認させろ……!」


 宰相は何も言わずに、屋敷の廊下を歩き出した。じれったさに奥歯を嚙みながら後に続く。

 案内された部屋の中、正面奥のベッドに、エリーゼは横たえられていた。


「エリーゼ……? ほ、本当に……?」


 ベッドの上には、あふれんばかりの花が添えられていて、死臭を紛らわすためか、香が焚かれている。


 顔は殴った直後よりもずんぶんと腫れていた。殴りつけた頬と、サイドチェストにぶつけたこめかみの内出血が広がり、顔面の六割が赤黒く変色している。おぞましい見た目だ。


 彼女の母親が泣きながら縋りつき、ベッドを揺らしていた。


「……眠っている、だけではないのか? 昼過ぎにリュミエラが見舞った時には、生きていたのだろう? それが半日たらずで死に至るか……!? 私に一泡吹かせてやろうと、愚かにも喧嘩を売って寄越しているに違いない! どけ! 確認する!」


 近くで確認するべく、ベッドサイドに歩み寄り、邪魔な母親を突き飛ばしてどかした。エリーゼを覆っている花を払い除けようとしたら、彼女の兄に腕を掴まれた。


「陛下! お控えください! そのような乱暴なことは……!」

「誰に命令している! 下がれ!!」

「ぐっ……」


 兄の目の前に右手を掲げて魔法を放つ。指輪の魔石は深紅の光を放出し、無礼者は呻き声を上げて崩れ落ちた。

 そのまま『死ね』と、命じてしまおうかと思ったが……まずはエリーゼの確認が先だ。


 体を囲うようにして飾られていた花を除けると、彼女の白い手が現れた。掛け布団の上に置かれた手の甲に、そっと指先を触れてみる。


「…………冷たい……」


 想像していたよりも、ずっと冷たい。まるで氷に触れているみたいだった。元より体温の高い女ではなかったが、この冷たさは異常だ。生き物の温度ではない……。


「……そんな……。本当に、死んでいる……」



 ソーベルビアの呆然とした呟き声に聞き耳を立てて、死体を演じるエリーゼは、胸の内でホッと息をついた。


 物音と気配から、彼がベッドサイドから離れていくのを感じ取る。母が側に戻ってきて、嘆くふりをしてベッドに突っ伏し、揺らしてくれた。それを合図に、エリーゼは止めていた呼吸を再開する。


(手を冷やしておいてよかったわ)


 氷のように冷たい肌は、直前まで水に浸して冷やしていたからだ。


 この男は汚れを嫌う。醜く腫れて血をにじませている顔面には、絶対に触れないだろうと予想していた。触れて確かめるのならば、美しさを保っている、手の甲あたりだろうと。手首には包帯が巻かれているので、脈拍も計れはしない。


(さぁ、これで交渉の場は整った。お父様、後は頼みます)


 エリーゼは細く息を吸いながら、会話に耳を傾けた。



「私は……殺すほどの暴行は加えていない。ちょっと折檻しただけで、加減したはずなんだ……! サイドチェストに頭をぶつけたのは、予想外だったが……まさか、それで……? いや、でも、ピンピンしていたじゃないか。私に対する侮辱を口にするほどには、元気だったのに……」

「加減などと……。気の強いエリーゼとて、城育ちのか弱き女性の身です。男の力を前にしたら、なすすべもないでしょうに……」


 宰相は指先で涙を拭い、鼻をすする。これ見よがしな動作が鼻につくが、腹を立てている場合ではない。


(エリーゼが死んだ……殺してしまった。確かに、殺してやりたいほどに苛立ってはいたが……まさか、本当に死ぬなんて……)


 とんだ失態だ。明日から城はどうなる? 仕事は? 自分の生活は――?

 きっと、何もかもが乱れるに違いない。 


 そんな考えを肯定するように、宰相が低い声で語り始めた。


「父としての気持ちはさておき……一国の宰相としての見通しを、陛下にお伝えしておきます。妃殺しが公になったら、城は大いに荒れることでしょう。いよいよ我が国にも、反王権派閥が生じるやも……」

「そんなもの……! 私には支配の魔法がある! 逆賊など恐るるに足らん、皆殺しだ!」

「そうやって、バルド王族たちは魔法の負荷を受け、短命に没してきたのです。あなたの場合、お世継ぎがいない。一度、二度、逆賊を粛清(しゅくせい)できたとしても、後がありません」

「じゃあどうしろというのだ!!」


 ぐわりと押し寄せてくる不安、焦り、困惑、陰鬱な気持ちに、頭痛がしてきた。が、次の宰相の提案で、思いがけず持ち直すことになった。


「そこで一つ、進言させていただきます。エリーゼを生きていることにしてはいかがでしょう」

「……は?」

「適当に理由を付けて、実家で療養中ということにするのです。ひとまずの時間稼ぎにはなりましょう。偽装に際して、ベルホルト家の一族処刑を取り消していただくことになりますが」

「貴様……私と取引しようというのか」

「いえ、俯瞰(ふかん)してみた時に、それが最良だと思っただけです。エリーゼも、きっと城が荒れることは望んでいないでしょうから……」


 死んだ娘を取引の材料に使うとは、食えない男だ。主導権を握られているようで、気にくわない気持ちもあるが……提案自体は、悪くない。


(エリーゼが死んだのは大きな痛手だ。その上、宰相の数まで減らすのは、さすがに得策ではないか。それに、今後を考える時間を得るためにも、生存の偽装は必須――……)


 この国では複数人が宰相の位に就き、君主の(まつりごと)を補佐している。だから、ベルホルト宰相、一人処刑するくらいなら、どうということないだろうと、一族処刑を命じたのだ。


 しかし、エリーゼが死んだとなると、話は違ってくる。さすがに手駒を二つ同時に手放すというのは、自分の首を絞めかねない。


 私情は抑えて、提案に乗ることにした。


「いいだろう……。エリーゼは療養に入ったことにしろ。城人(しろびと)どもの邪推を避けるため、『懐妊による体調不良』とし、祝い事へと誘導して公表せよ」

「……かしこまりました」

「埋葬は今宵のうちに、内密に。場所のあては?」

「王都外れの墓地に、ベルホルト家の使用人用の区画を持っております。そちらへ」

「首尾よくやれ。面倒を起こしたら、次こそ処刑だからな」

「心得ております。……では、陛下、城までお供いたします。今後の話は馬車の中で、もう少し詳しく」

「あぁ……」


 宰相は年の功か、娘が死んだというのに落ち着いている。焦って、心を乱している自分が子供っぽく思えて、むしゃくしゃする。


(……クソッ……なんでこんなことに)


 怒りに任せて手を上げるのではなかった……と、後悔しているすぐそばから、拳を震わせるほどの腹立たしさが込み上げてくる。


(勝手に死にやがって……!)


 帰る方へと歩を出しかけていたが――……どうにも、むしゃくしゃする気持ちがおさまらない。


 足を止めて、宰相に声を掛けた。


「最後に少し、エリーゼと二人にしてくれ」

「陛下、尊き身分のお方は、あまり死者と時を過ごされない方がよろしいかと……。(けが)れが移ります」

「命令だ、下がれ。皆出ていけ」

「陛下……お待ちを……! ……うぐぐ……」


 室内にいる邪魔者どもを魔法で散らし、部屋の外へと追い出す。どういうわけか、やたらと抵抗していて、体がギクシャクとした動きになっていた。きっとこいつらは全員、明日には、全身の筋を痛めているに違いない。


 扉を閉めて、改めてエリーゼのベッドへと歩み寄る。そのまま足元のあたりに乗り上げて、まじまじと遺体を見下ろした。


「エリーゼよ、貴様に最後の()()の機会をやろう」


 むしゃくしゃした気持ちを発散するには、()()が一番手っ取り早いのだ。乗り上げたベッドがぎしりと軋み、ズボンのベルトを寛げる音と重なった。


 エリーゼは緊張に身を震わせたが、興奮に息を荒げたソーベルビアは気が付かずにいた。


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