表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/77

第7話 半年ぶりのヒロと桜子

 心の準備が整わないまま桜子とバッチリ目があった。


「とっととととっ隣の席だなんて偶然ね」

「あ、あああああっ …1年間よろしく」


めちゃくちゃ不自然な2人だった。


── 1学年に1クラスだから同じ教室で過ごすことになるのは分かっていたけど隣の席だなんてラッキー!学園生の間はこの席順よね。… 小さな頃は仲良しだったのに、いつの間にか意地悪な態度ばっかりになって…。また優しいヒロに戻るなら許してあげるけどね!


── やばい…また可愛くなってるじゃないか。なんか、ちょっといい匂いするし。…ついついアレな態度をとってしまう癖を改めるチャンスだな。まあ自然に振舞えば問題ないだろう。もともとお互いの親が心配するほど気が合っていたからな!


 心の声を押さえつつ、チラチラとお互いを盗み見る桜子とヒロ。



「テックンも一緒なのね、嬉しいわ。よろしくね」


先手を打ったのは桜子だった。


 ビジネスマンの必須スキル“アイスブレイク”だ。商談の場において顧客との距離を縮めるのにとても重要なテクニックである。不器用な思春期のヒロに直接話しかけるのではなく精霊のテックンに話しかけるのもポイントが高い。


「ガッチャ!」

「嬉しいお返事をありがとうテックン、またコバたんとも仲良くしてくれると嬉しいわ」


「クポッ!」

「ガッチャ!」

 テックンは、ひねた思春期のヒロと違って素直な良い子の精霊だ。コバたんとも顔見知りだし上手くやっていけるだろう。


ヒロがちらりとコバたんを見る。

「相変わらず丸まるとして精霊らしくない奴だな」


 ついついアレな態度をとってしまう癖は自然に治るものではなかった…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ