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さっそく来ましたか、貴族社会

さて、魔法についてと今後の僕のやることが見つかったから僕は赤ちゃん特権を行使し、泣きわめくことでマナーの授業から離脱する。


本当は僕は受ける必要が無いんだけれど、僕と兄が仲のいいことをなるべく周知したいし、正直大人の知識を持つ僕には絵本や蝶々で毎日はしゃぐのは拷問に等しい。


部屋についた僕は寝たふりをして人払いをする。


さっそく魔力を感じ取る練習から始めようと思ったが、繊細な赤ちゃんの体だからなのか、意識するだけですぐに分った。


漫画ではおへそのあたりの描写が多いが、以外にも普通に心臓だった。

まぁ、魔力も血液も体全体に流すんだからわざわざ同じような道を別に作るのは普通に考えればおかしいか。


さて、血液と同じって気が付いちゃうと前世の記憶で人体の構造は大体理解してる僕からしたら魔力を体中に流すのはかなり簡単なことだ。


特訓しようと張り切って戻ってきたのに何か拍子抜けだな、、、

ま、このまま魔力ぐるぐる回して垂れ流してれば魔力増えるなら儲けってことでいいや。


その後僕は初めての魔力枯渇を経験し、赤ちゃんの体では耐えきれずに気絶した。にもかかわらず一人でぐっすり寝る良い子として翌日メイドに褒められるのだった。


☆☆☆


さて今日は面倒臭いことに、この国の貴族の3トップの一つであるアラドーナ侯爵が娘と息子を連れてくるからお友達になりなさいとアリス母様からの命令が下った。


娘の方は僕とほぼ変わらずあと少しで2歳になる赤ちゃんらしい。

息子は3歳で今度初お披露目パーティーがあるために挨拶に来るようだ。


3歳でパーティーに参加しなきゃいけないのかとさっそく嫌になったが、どうやら社交界デビューは5歳かららしい。3歳で挨拶することで5歳からの婚約者争いなどにエントリーし、その間に見定めるようなもんなのだそうだ。


はぁ、めんどくさい。

息子のパーティーを開催することの報告にわざわざ僕と同級生の娘を連れてくるなんて、結婚させようって魂胆見え見えだよ、、、


まだ1歳半だぞ?1歳半からこんな気を使わなきゃいけないのかよ。


険悪な感じになると結構権力ある家っぽいしめんどい。

かといって仲良くなりすぎるとこの世界で初めて会った女の子と婚約させられる。


どっちになっても良いことないじゃん!!


コンコン

「ルーカス様、アリスティア様。アラドーナ侯爵家の皆様が中庭にご到着されました。」


来ちゃった~。まだ作戦決まってないのに、、、


☆☆☆


「アリスティア王妃、ルーカス王子、今回は時間を割いて頂き誠にありがとうございます。ルーカス王子は初めましてですね、私はカルア・アラドーナ。伯爵の地位を頂いております。」


そう言った後にそっと足元の息子の背中を押した。

「シルマです。3歳になります。あ、ましたです!(ペコリ)」


おう、3歳にしては頑張ったんじゃないか?

僕が知ってる3歳の挨拶は「あーちゃん!3しゃい!」だもんな。


それにしてもこんなに早く婚約狙ってます感出してくる割には権力に執着してるイメージの貴族と違って結構ちゃんとしてるじゃん。

ちょっと安心。


さて、僕にとって本題のこの子は?


プイ!


え、?目をそらされた?


「ほら、リーナ。挨拶しなさい。」


プイ!


あ、だめだこりゃ、嫌われたのか人見知りなのか。まぁ向こうが距離をとってくれるのは僕にとっては都合がいい。


おっと、ついに子供を庭にはなって自由に交流しろと。

って言っても1,2歳の子供同士って何して遊ぶんだ?


お?!シルマが花壇の方に走って行った。なんだ?そっちになんかあるのか?


あ、バッタ捕まえてる。お~子供っぽい。え、それこっち持ってきてどうすんの?

ほら、うちのアリス母様の顔見て!笑顔が引きつってるよ。はやくそいつを遠ざけた方がいいぞ。

国王にも説教できるお方のご機嫌を伺わないのは僕にはできない。


男として一度同じ道を通った僕だが、今は一緒にバッタではしゃぐことはできないんだ。すまない。


あ、なるほどね。緊張してる妹に見せてあげようとしたのか。いいやつだ。


あ、これ嫌がってる。あー無理やり持たせちゃダメだ、、、


「いやぁぁああああ!!(ポイっ!)」


  ぺト。


「「「あ、」」」


うん、顔にバッタ投げられたのは初めてだよ。きもいいいいいいい!!!!


「うわぁぁぁぁぁん」

あ、やべ!油断したら泣いちゃった。この体嫌なことある時は気を張ってないとすぐ泣いちゃうんだよなぁ。


母様助けて、顔吹いて、慰めて、、、っておい!後ずさりするな!バッタ嫌いでも息子のほっぺについた汁を放置して逃げるな!


もーいい。顔洗いに行こ。


丁度良く仲良くしようとか考えてた僕がバカだったよ。さらばだ、アラドーナ一家。


僕はもうバッタに触れなくなったよ。







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