過酷溢れる世界にナントヤラ
「うわぁ…」
ちょっとデカイではない。ものすごくデカイ。
そして家というには荘厳すぎる
こういうのは教会と呼ぶのだろう
「ヴォルーズ!」
「あァ、ファレーゼ、無事だったかァ?」
「えぇ…私達と避難している皆さんは無事でしたが、狩人と傭兵は治療中の方々も多く、現在集中治療室は8割を使用中です。」
「おォ、やべェじゃねーか。ちっとアタシも神様にオイノリしてから治療に当たろォ」
「で」
ファレーゼと呼ばれていた、元の世界ではナースと呼ばれそうな人がこちらを見た
「こいつかァ?今日の英雄だ」
「なるほど、御使い様を召喚した召喚士。ありがとう、貴方のお陰で絶望的状況から脱却できました。一命を取り止めた方々も沢山おります」
「え、えと…」
何て言ったらいいんだ?
「そんなに畏まっていわれちゃァ、ナナキも返事しづらいじゃねェか。英雄だがな、まだ路に迷う子羊だしなァ。軽く説教してから治療に行くわ。ちょっとそこ座れナナキ」
「は、はい」
少しびくびくしながら長椅子に座った。横には美女のケリーさんが座っていて落ち着かない。バルターさんの妻なのにな。
「バカ夫からなんか言われた様だがなァ、話半分でいいぞ。いくら不向きでもそれしか出来ねェならそいつの向いてる分野だ。まァ、異世界から来たばっかりで見ず知らずの人間を救って英雄になっちまったのは幸か不幸かはわからんがなァ!」
え?俺が異世界から来たのを知って…
「おっと、説教とかが全部終わったら質問聞いてやるからなァ!続きだがなァ、この世界の神様は意地悪だ。だがなァ、意地悪だからって人間を愛していない訳ではねェ。あーと、そっちの世界だと、不幸があると「キムラ」にオイキムラァ!ってオイノリするんだろォ?」
え、ナニソレ
「だからな、神様に意地悪されたら「オイ神ィ!」って言ってやれ。まぁ、悪いことがあったら神のせい、良いことがあったら相手(人間)のお陰だァ。ヴォルーズ…そっちだと司教の言葉だぜェ。大切にしろよォ?」
それでいいのか!?
「大丈夫だァ。今までカミサマに怒られてねェどころかアタシはアイツのお気に入りだからなァ!」
さりげなく心読まないでください。
「顔がそいつ…セレーンと一緒の表情してたからなァ!」
顎で指したのはファレーゼと呼んでいた人だ。地位がファレーゼで名前がセレーンさんか?
「一部分納得はしているんですけど大部分は納得していませんからね。」
セレーンさんが小声で呟いた
「まァ話はこれくらいでそろそろパパっと治療すっかァ!ナナキ、せっかくだから手伝え!」
「は?ぇ、えーと、カードゲームスタート?」
とりあえず対戦相手はケリーさんにしてくか。召喚したカードでツッコミしても死ななそうだからな
キムラァ!早くPUクレぇ!