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さぶらう人 ~stray children~  作者: 朱雀文明十郎
1 まだ虹は架からない
8/11

#Ⅶ

 「どういうことだぁぁぁ!!!」

 まさに怒号、隊長は叫んだ。世界の秘密にして世界の悪事であるこの機密文書を、彼らは見つけてしまった。

 「隊長、落ち着いて。」シャルルは諭した。

 「この文書を上の方に見せれば、どうにかしてくれるでしょうよ。」アレックスは提案した。

 「いや、待て。」シャルルはあることを疑問に思っていた。

 この文書が反乱軍の手にあるということは、既に何度か軍の手に渡っていると言うことだ。しかし、だとしたらなぜ自分たちや全世界に報道されなかったのか。

 シャルルはその事を警戒していた。

 が、その不安も僅か数分後に消え飛ぶことになる。

 廊下から聞こえる数人の足音。

 「どうした! 声が聞こえたが。」

そこにいたのは、将校とその部下二人。

 隊長は、文書と共に問うた。

 「将校さん、これ・・・」

 「・・・・・・・」

 シャルルは、今そこに存在する気配を感じた。

 銀色の一閃。

 隊長、と叫ぼうとしたが、隊長も既に気づいていたらしく、僅かな動きで避けた。

 その銀色の後ろに見えたのは、将校の、厄介そうに、そして悪意に満ちた目であった。

 「余計なもの見つけやがって。」

 「あんた、やっぱり・・・。」シャルルが反論しようとしたが、その横から凄まじい勢いで何か飛んできた。それが拳であるのは将校に当たってからである。

 ボコッ。

 肉と肉がぶつかり叩く。

 もはや隊長に上司部下の関係などなく、己の正義を貫くための拳を振るうのであった。

 「・・・この国は腐ってたようだ、正当防衛もなにもねえじゃねえか。」

 「隊長。」シャルルはうなずく。

 「俺たちゃよ。」

 「ああ。」アレックスは察する。

 「反乱軍だ!!」

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