#Ⅴ
まずは扉の前で待機していた数名の兵士が突撃を開始。同時に中距離支援部隊が煙幕手榴弾で敵部隊を胆振出す。前衛で戦闘を行う突撃隊は特殊なゴーグルを装着しているため、サーモグラフィーの要領で敵の位置を把握することができる。
煙幕によって外に出された敵兵を、後方支援部隊の高性能狙撃銃の鋭い凶弾が襲う。しかし、あくまで戦闘不能状態にするだけなので無駄に頭を狙わない。ましてや命中など頭にない。
シャルルたちが所属する隊の隊長エドワードは後方支援に対しこう説明した。
「後方支援ってのはあくまで支援だ。無闇な殺生は避けろ。」、と。言うまでもなく、彼らは今のところ誰一人として殺していない。一人に対して四発、肩、利き腕、両足を狙って行動を停止させている。弾に倒れ、動けなくなっている敵を、捕獲部隊が拘束している。
そんな流れが、約30分続いていた。彼らにはもっと長い時間を感じていたが。
全兵士に連絡が入る。
「反乱軍全勢力鎮圧が完了した。これより情報収集に移る。」
シャルルたちはライフルを片付け始めた。元より情報収集部隊でもあるこの隊の隊長は既に敵の元本拠地へ移動を開始している。
隊長たちが目的地に到着した頃、シャルルたちはライフルを片付け終わり、足早に隊長たちの後を追った。
彼らは地下にある資料室の調査を始めた。『武器購入履歴』や、『月別予算案』など、いたってそこらの会社と変わらないないようであった。しかし、その資料たちのずっと奥深くにあった一枚の紙を見つけた時、殆んどの者は目を見開き、隊長・エドワードは、叫んだ。