#Ⅸ
傭兵団第27小隊が天星国に反乱を起こした事件から一ヶ月たった頃、ユーラシア大陸北西部にあるごく小さな田舎町に潜伏していた。町にもあまり出向かず、町の外れの倉庫にいた。
町にはあまり情報が入らないのか、シャルルたちが顔を見せても特に反応はなかった。
シャルルたちは着々と準備を進めていた。しかし、そんな危険にして安全な生活も終わりを告げる。
「おぉい、人がぁ、女の子が倒れてるぞぉ。」
町の男の一人が叫んでいた。
気になってシャルルたちが来てみると、町の東部のメインストリートで、一人の女性が倒れていた。周りには町の住民が騒ぎを聞きつけ集まっていた。
その女性は、綺麗な金髪に整った顔立ちをしていて、華奢な体型をしているように見えるが、硬めの素材でできたコートに防弾ジャケット、挙げ句、背中にはサブマシンガン(以下SMG)を背負っていた。
女性は町の病院に連れていかれ治療を施されている。
そんな騒ぎが起こった二日後、事件は起きた。
「ここに、金髪の女性が来なかったか?」
町に現れた、武装している男たち。背中にはやはりSMGと、軍御用達のカービンライフルを背負っていた。しかし、見た目はどう見ても軍隊の人間ではなかった。
彼らは町の人間に案内され病院に到着した。
その頃同時に、カービンライフルを持った十人ほどの集団。こちらは間違えなく軍の人間が町に到着した。
病院では、
「無事だったか。」
「えぇ、結構傷が深かったみたいだけど、大丈夫みたい。」
町の入り口では、
「この町に反乱軍が来たという情報が入ったのだが、誰かいないかね?」
病院、
「おいッ、あいつらが来たぞ!」
「もうかよ!お前動けるか?」
東部メインストリート、
「恐らくやつらは病院にいるだろう、病院を探せ! 見つけ次第、撃ち殺せ!」
病院、
「私は大丈夫だから、いきましょう。急いで。」
倉庫裏、
「おい。」
「なんですか、隊長。」
「あいつら、やるぞ。」
「・・・・・・わかりました。」
病院前、
「突入用意!!」
病院内、
「まずいな、もうここでやるしかねぇぞ!!」
病院前、
「3! 2! い…。」
の後ろ、
「久しぶりぃ。」
「隊長、ノリが軽い。」
病院前、
「あぁ・・・?」
の後ろ、
拳が飛ぶ。
病院前、
「・・・! エドワぁぁあドぉぉおぉ!!」
病院前。
拳が飛ぶ。