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prelude
世界は完全にひとつとなった。各国は協力し、政府はその国を星そのものとして「天星国」と名付けた。
今から何百年もあとの世界。それは完璧な世界ではない。
様々な地域では反乱があとを絶たず、被害は年々増えるばかりであった。
そんな状況を打破しようと、政府は特殊な軍隊を配置した。彼らの強さをなんと表そう。まさに精鋭。風林火山とはこれのことなのではないかと思うほどの制圧力だった。
その精鋭の中に彼がいた。
この物語の主人公であり、これからの出会いや別れ、辛い闘いを知らずに今を生き、今目の前にある任務を黙々と遂行する、少し無口な彼はこの軍にいた。
彼はまさにこれから、彼の運命の分岐点であり、彼をその運命へ誘おうとする任務に出ようとしている。
彼は精鋭。
彼の名前は、シャルル・月渉・レイジンジャー。
彼の指は既に引き金にかかっている。
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