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あの夏を僕らはまだ終われずにいる  作者: 白神 怜司
第四章 俺達の問題
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#006 『俺達の問題』

「え、ちょ、悠木先輩……!? ど、どどどっ、どういう事ですか!?」

「おいおい、しっかり聞いておけよな。どう考えてもシリアスな雰囲気を前に、お前は寝惚けてたってのか? ないわー。見損なうわー」

「っ!? えっ、な、何かがおかしいですっ!」


 涙目で声を張り上げる瑠衣と、しらばっくれて鼻で笑う俺の攻防が始まった。

 瑠衣はともかく、巧や篠ノ井、それに雪那までもがぽかんとした顔でこちらを見つめる中、俺は俺でやれやれと肩をすくめてみせた。


「しょうがないな。まったく……」

「不本意ですっ! そんなリアクションされるなんて不本意の極みですっ!」

「まぁ聞け。それで、瑠衣。お前さ、今の話を聞いていて客観的にどう思った?」


 俺の質問に、「え? あ、えっと……」と声を漏らしながら瑠衣が思考を巡らせ始めた。

 この子、将来悪い人に騙されるんじゃないだろうか。

 こんなに簡単にからかっていたのがはぐらかされるとか、ちょっと心配になるぞ


「ゆずさんも雪那先輩も可哀想、です」

「ほう、その心は?」

「えっ、あ、ハイ。えっと、ゆずさんのお父さんと雪那先輩のお父さんが仲違いしちゃって、そのせいで離れ離れになっちゃったですし」

「――そう、その通りなのだよ、宝泉くん」

「……なんなんです、悠木先輩」


 あたかも名探偵のように、俺は瑠衣の言葉に鷹揚に頷いてから腕を組み、顎に手を当ててみせた。

 巧以外の視線がなんだか冷たい気がするが、気にしない事にする。


「瑠衣の言う通り、今回の件については不幸な擦れ違いが原因ってのは明確だ。うん、実際俺や瑠衣にとっては確かにそう見える」

「不幸な擦れ違いって。悠木、そんな言葉じゃ……」

「あぁ、もちろん納得できるものじゃない。だけど、そもそもおかしいだろ?」

「おかしいって、何がです?」


 いい感じにみんなの耳目がこちらに集中しているのを感じ取って、俺は確信する。

 ――俺、詐欺師になれるかもしれない。


「なぁ、篠ノ井。今のお前ってさ、雪那を恨んだりする必要あるのか?」

「な……っ!? 悠木先輩!」

「黙ってろ、瑠衣。篠ノ井、お前の親父さんは確かに過ちを犯して、その結果、自ら苦しんで命を断ったのかもしれない。でも、そこに雪那がどう関係しているって言うんだ? そんな雪那を、お前が恨む理由ってあるのか?」


 それだけは――いくら耳が痛かろうが、口にする必要があった。

 有耶無耶にしてはいけない。このまま、全てを雪那に対してぶつけたところで、この問題は解決なんてしない。


 だから――明確にする。

 その線引を篠ノ井に、雪那にしっかりと、改めて再認識させる為に、これは必要な問いかけだった。


 篠ノ井は何も答えようとはしなかった。

 僅かな沈黙の後、しかし篠ノ井はゆっくりと首を横に振った。


 その動きに、雪那の表情が僅かに綻ぶ。


「なら、もうそれだけで解決なんだよ」

「え……?」

「篠ノ井は雪那を恨んでない。雪那は篠ノ井と仲直りしたい。篠ノ井が恨んでないなら、雪那の願いは叶うって事だよ。これで俺達が直面する問題は万事解決じゃねぇか」


 あっさりと幕引きを宣言する。

 あまりにあっさりとし過ぎたせいか、巧や瑠衣、それに雪那までが唖然とした顔をこちらに向けていた。








 ◆ ◆ ◆







 悠木の言葉を聞いて、俺――風宮巧――は思わず唖然とさせられた。

 いや、相変わらずいきなりふざけたかと思っていたけど、まさかこうして一つ一つを整理して、噛み砕いてみると――確かに“俺達が直面している問題”っていう意味では、悠木が言う通りにそれだけなのだから。


 でも――それだけで、「あぁ、そっか」と納得できる問題じゃないはずだって事ぐらい、悠木が気付いていないはずがない。


「で、でも! そんな簡単な問題じゃ……!」


 そんな矢先、瑠衣がまるで俺やゆずの気持ちを代弁するかのように声をあげた。


 そう、実際にそんな簡単な問題じゃないっていう事は間違いない。

 人の死を、ただ自分達が直面していない問題だからって有耶無耶にしたままなんて、俺はまだしも、ゆずが納得できるはずはないのだから。


 それでも悠木は、きょとんとした顔をして瑠衣を見ると嘆息してみせた。


「ったく。そうだろ? 俺が皆を集めたのは読書部としてだし、読書部の問題はこれだけじゃねぇか」

「そ、そうですけど……! そうですけど、それじゃまるでゆずさんを放っておくみたいです!」

「いいや、そうじゃねぇよ」


 俺が思っていた事を代弁する瑠衣に、それでもなお悠木はあっさりと否定した。

 そんな悠木の反応に、終始俯き続けていたゆずも、ゆっくりと悠木に向かって視線を向けていく。


「ただ、確かに篠ノ井の親父さんの事はショックだろうけど、俺は(・・)会った事もないから知らない」

「んなぁッ!? は、薄情者ですっ! こういう時は、皆で手を取り合って、一緒に乗り越える為に話し合ったりとか……!」

「……ぷふっ」

「っ!?」

「何その青春、クサいんですけど。つか、それこそ篠ノ井の問題だし。俺達にどうにかできる問題じゃないんですけど?」

「ぬあぁぁッ! 何ですか、その敬語! 神経逆撫でされてる気分なのですっ!」


 相変わらずの悠木の悠木らしい振る舞い。

 いつも通りの振る舞いだと言える。


 ――でも、何かが違った。


 悠木は瑠衣の頭をポンと軽く撫でて、瑠衣へと言い聞かせる。


「だってよ、瑠衣。篠ノ井がどう感じてるのか、篠ノ井の親父さんがどういう人だったのか、お前知ってるか?」

「え、それは、知らないですけど……」

「だったら、俺達には(・・・・)どうにかできる問題じゃねぇだろ。それをどうにかできるのは、俺達じゃない。篠ノ井自身だ」


 事も無げに、ただただ悠木は淡々と続けていく。


「俺が今回の話し合いを設けた理由は、“俺達が直面している問題”を解決させる為だ。雪那と篠ノ井の間に生まれた不和は、巡り巡って俺達――つまり読書部全体の問題になっていると言える。だから、俺はそれを解決させる為に、今日の話し合いの場を設ける事にした。それは分かるだろ?」

「それは、そうですけど……」

「だから、俺達が議題として話し合う内容は、ここまでなんだよ」


 一度そこで言葉を区切って、悠木は篠ノ井へと振り返った。


「なぁ、篠ノ井。言葉は悪いかもしれねぇけど、お前の親父さんの事なんかさ、俺や瑠衣は知らないんだ。でも、それはそうだろ? 悪し様に罵る事も、庇ってやる事もできねぇ。なんせ知らないんだからな。それができるのは、きっとお前と一緒にいる――そこにいる天然で鈍感な馬鹿だけだ」

「えっ!? いや、俺は確かにゆずの親父さんも覚えてるし、知ってるけど……! なんかその言葉に棘しか感じないんだけど……っ!」

「馬鹿で十分だろ、馬鹿。お前が一昨日やらかした黒歴史っぷりをばらすぞ?」

「すんませんした!」


 さすがに、みんなには知られたくない。

 俺がただ、悠木の言う通りにただただ喚き散らして、結局悠木にぶん殴られた、なんて。


 あの日おばさんと話して、悠木がどうして俺に対してあんな態度を取ったのか、殴ってでも言葉を止めたのかを、俺はようやく理解した。

 そう、悠木は俺らがおかしな方向にこれ以上転がってしまわないように、敢えて嫌われ役を買って出ていたんだ。


 目が覚める思いだった。

 俺はただゆずを守ろうと躍起になるだけで、それ以外には何も考えられなくて、何もかもを取り返しのつかないところに加速させようとしていただけだったのだから。


 そんな悠木が、今話していた内容を頭の中で反芻する。


 ――これは“俺達が直面している問題”。

 ――ゆずの親父さんを知らない、悠木と瑠衣。

 ――等しく被害者だとおばさんが言っていた、櫻さんとゆず。


 そう考えて――ふと腑に落ちた。


 ――……あぁ、なんだ。そういう事か……。


 悠木は初めから、ゆずの親父さんの問題について解決するなんて、ただの一言も言っていないのだ。

 それはある意味、当然の言葉だった。

 当事者でもないし、間接的に関わった事もないのだから人となりさえ知らない悠木や瑠衣では力になれない。


 ――何とか皆で話し合って、うまく解決したい。


 おばさんと話した後、俺はそんな気持ちを抱いて悠木に話を持ちかけたけれど、悠木の返事は『話し合いの場は作るが、それは俺にはできない相談だ』の一言で一蹴されてしまった。

 愕然としてしまったけれども、実際のところ「力になるつもりがない」なんて悠木は一言も言っていない。

 ただ、自分達が直面していないし、どうしようもない問題だからっていう理由で、悠木はそこに踏み込もうとはしなかったのだろう。


 そう、結局悠木は、俺にこう言いたかったのだろう。

 ――「当事者じゃない俺達には何もできないけど、篠ノ井の親父さんを知っているお前なら、篠ノ井の話を聞いてやれるんじゃないのか」と。


 だから、きっと悠木はこの問題を敢えて切り離して話し合いをしているんだ。

 あの時、悠木は確かに「今のお前にできるのは、篠ノ井の傍にいてやる事だろうが」と言っていたのは、ただ傍にいるんじゃなくて、俺だけが――ゆずと時間を共有してきた俺だけが、今のゆずを支えてやれるんだと、そう言っていたのだ。


 悠木が、わざわざこうやって話しているのは、きっと俺がそれに気が付くのを待っているからだ。

 しっかりと、俺がしっかりと言葉にしてする為の状況をお膳立てしてくれているのだ。


 ――悠木の言い方は腑に落ちないものがあるけれど、確かにこれは俺にしかできないのかもしれないから。


 まったく……。本当に敵わないな、悠木には……。

 ここまでお膳立てしてくれた親友に、俺は感謝をしながら声を漏らした。


「くっ、あっはははは……」








 ◆ ◆ ◆







 瑠衣と俺のやり取りを見ていた巧が、何かに思いついたかのような顔をしたかと思えば、唐突に笑いだした。

 篠ノ井もそれには驚いたのか、巧を見つめた。


「くくくっ、あぁ、そっか……。悠木の言う通りだな」

「た、巧先輩……?」

「なんか、今ようやく分かった気がする」


 巧が続ける。


「なぁ、ゆず。親父さんの事はすぐには整理がつかない。それに、確かに悠木が言う通り、俺達がゆずの問題を解決するなんてのはできないかもしれない。だけどさ、焦って答えを出す必要なんてねぇんだよ」

「たく、み……?」

「大丈夫だ。俺も考える。それに、ここには悠木も瑠衣も、それに櫻さんだっている。いざとなったら、いくらでも話を聞いてくれる仲間がいるんだから。一人で考え込まなくていいんだよ」


 巧が明るい笑みを浮かべて、篠ノ井へと声をかけた。

 篠ノ井も驚きに目を開いて、そして瞳を溜まった涙で揺らしていく。


「ゆず、一緒に考えていこう。俺達と一緒に。急がなくていい。ゆっくりでいいんだ。俺達は見捨てたりも、急にいなくなったりもしないから」


 巧の言葉に、ついに篠ノ井の我慢が限界を迎えた。

 口と鼻を包み込むようにしながら、大きく見開いた瞳から涙を零し、大きく何度も頷いている。


「――そういう事。だろ、悠木?」


 巧が俺に向かって聞いてくる。









 俺は、そんな巧の視線に気付いて――ふっと小さく笑ってみせた。











「え、何が? おい見ろよ瑠衣。アイツの清々しい顔を。臭うぞ」

「っ!?」

「悠木先輩っ! ホントに空気読むといいですっ! って言うか死ねばいいですっ!」


 唖然とした巧の代わりに、瑠衣からのツッコミが飛んできた。

 そんな、ようやく気付いたらしい主人公様に、俺は呆れ交じりに頷いて応えてやれば、なんだか嬉しそうに頷き返してきやがる。


 ――やれやれだ。

 結局のところ、俺達は無駄に勘繰って、傷付け合って、ぶつかって。

 そうやって無駄な遠回りをして、どれだけ頑張ったとして、結局のところ、こうやって一歩を踏み出す事しかできないのだから。


「あーぁ、クサいし暑いし。俺飲み物買って来るわ」

「私も行くわ」

「お、おい、悠木! クサいって言うなよな! って言うか、あれ!? 違うのか!?」

「あ、だったら私も行くです。あの二人のアツアツな雰囲気はちょっと逃げたいです」

「瑠衣までっ!?」


 ヒントを散りばめながら、やっぱりこういう美味しい所は俺じゃなくて、主人公体質の巧にやらせなきゃしまらない。

 親友ポジションの俺は、せいぜいそのお膳立てをするぐらいで丁度いい。

 だから、意趣返しじゃないけど、ちょっとぐらいいじってからかってやる。


 ――我ながら、損な役回りだ。


「あとは頼んだぞ、鈍感野郎。んじゃ、ちょっと行って来るわ」

「あ、あぁ……」


 相変わらず唖然とした様子の巧の声を聞きながら、俺達は部室を後にした。







「……はぁ。ホント、悠木先輩はマイペース過ぎなのです。さっきまでの真剣な雰囲気も台無しなのですよ……」

「まぁいいだろ? 丸く収まったみたいだし」

「それはそうですけどー」


 口を尖らせて瑠衣が文句を言ってきた。

 まったく、何が不満だってんだ。


「あ、ちょっとお花摘んできますです」

「え、今更可憐な少女アピールとか、そういうのいらないしやってないです。……あぁ、心配するな。大草原を裸足で駆けちゃう趣味ってのも、わ、悪くないと思うぞ……うん」

「っ!? ト、トイレですーっ! そういう意味じゃないですっ!」

「おいおい、そんな事を大声で言うのはどうかと……痛たたたたたっ! おい放せっ! 脇腹抓るなっ」

「一度死ねばいいですよ、悠木先輩は……っ!」


 そう言い残して、瑠衣が小走りにトイレに入っていく。

 そんなに我慢してたのか、瑠衣よ。


「悠木くん、ありがとう」

「ん?」

「なんだかんだ言いながら、本当に風宮くんを奮い立たせる為に、ああして自分達じゃ何もできないって強調したんでしょう?」


 雪那が隣に並び立って、声をかけてくる。


「……ま、俺は当たり前の事を言って、どっかの鈍感系主人公に丸投げしただけだ。感謝される筋合いはねぇよ」

「あら、素直じゃないのね。でも、嬉しかったのは本当だから、やっぱりありがとうと言わせて」


 雪那が隣で笑顔を浮かべて、俺を見上げる。

 久しぶりに笑顔らしい笑顔を見たような気がして、思わずちょっと胸が高鳴ってしまう。

 やっぱり俺チョロイン。


「さて、私もお手洗い行って来るわね」

「おう」


 雪那がトイレに入って行くと、ちょうど瑠衣がこっちに向かって戻って来た。

 手に持っていたハンカチをポケットにしまい込んで、瑠衣が俺を見上げる。


「……背が伸びる秘訣が訊きたいのか? 俺は別に懐かしいヨーグルトなんて毎日食べたりしてないぞ」

「そうやってすぐにからかうのは、やっぱり悪癖だと思うです」


 むすっとして俺に告げた瑠衣が、俺の横に並んで雪那を待つ。


「んで、良かったのか? あの二人だけ置いてきて」

「今回は、私がいたら邪魔になるだけですから」

「そか」

「……悠木先輩、損な役してるです。だから私も、今日はその役に付き合ってあげるです。感謝して欲しいぐらいです」


 ……なんだよこいつ、照れるじゃねぇか。


「よし、なら褒美に飴ちゃんをやろう」

「いらないです……」


 なんだかんだ言いながら、瑠衣は色々と気付いていたんだろうか。

 だとしたら、俺はずいぶんとピエロに見えている事だろうな。


「悠木先輩は、あれで良かったですか? 良い所、全部巧先輩に取られちゃって」

「さて、なんの事かね。俺は俺の――読書部の居心地が悪かったから、問題を明確にしてみせただけだぞ。結果的に、巧がやる気出しただけだ」

「……やっぱりいいです」


 瑠衣は何故か嬉しそうに小さくそう呟いた。


「そういえば。あのホワイトボードは?」

「雰囲気作り。会議っぽいだろ?」

「っ!? それだけ……!? それだけの為だったのです!?」

「え、うん。……あぁ、そうだ。せっかく持って来たんだから使おうか」

「夏休みの遊び計画を――」

「夏の勉強会スケジュール決めるとかどうだろうか、瑠衣……おい、こっち向けよ」


 チラッと瑠衣を見ると、それに合わせてサッと目を逸らされた。

 苦しいだろう、それ。カタカタ震えてるし。


「……な、夏休みは遊ぶ為にあるのだと、そう思うですよ……!」

「あぁ、そうだな。それで二学期には晴れてお前は巧達と同じく……おい瑠衣。何ジリジリと下がってやがる」

「お、鬼がいるのです! 雪那先輩! 雪那せんぱーーーい!」




 夏休みまで、あと三日だ。


さようならシリアス! ただいまコメディ!



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