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一色  作者: 相原ミヤ
火の国の夏に降る雪
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赤の行動(1)

 広い紅城。その中で、悠真の心を許せる人は限られている。


野江は、悠真が最初にであった赤の仲間。厳しい人だが、美しく優しい人。


義藤は、身を挺して悠真を守ってくれた人。強いが優しい、几帳面な人。


柴は、大きく包み込んでくれる大人。大きな動作は悠真を安心させる。


都南は、獣のような人。その飢えたような眼は都南の強さを示す。


佐久は、穏やかで柔らかくて、優しい人。悠真と同じ視点に立ってくれる人。







秋幸は、悠真が一番心を許せる人。奥深い彼に悠真はあこがれていた。






秋幸の表情が固い。

悠真はその理由を推察することができていた。


――俺は、一体何なんだ。



秋幸の言葉が悠真の脳裏に蘇る。己の存在意義を、己の立つ大地を、己の命の意味を、秋幸は探していた。彼が異質なことは、同じく異質な悠真でも分かっていた。悠真は無色の一色を持つ。その色が、悠真の考えを変えていく。無色がほかの色を受け入れるように、悠真の心は他者を受け入れ、他者の気持ちを知り、他者を思う。悠真は自分自身で思う。自分の色は無色だ。

 ならば、秋幸は何なのだ。


 柴は色を見る目を持つ。だが、それは、珍しいだけで否定されることではない。

 赤丸は、色を見て、赤い色を収束させる力を持つ。それは、彼が厄色を持つからだ。

 悠真が色を見て、色を受け入れて、色を収束させることができるのは、悠真が無色だからだ。



 ならば、秋幸は何なのだ。



 秋幸は、一色を見る。秋幸は、赤い色を収束させる。なぜ、それができるのか。秋幸は厄色でもなければ、赤の色神でもない。もちろん、無色でもない。さまざまな色を使うことができるが、もっとも相性が良いのかは赤。それは、佐久と似ている。しかし、佐久とは違う。



 紅が秋幸を特別視していた。それは、無色の悠真と同等か、それ以上だ。一色を見ることができる者が代わる代わる秋幸を見て、そして彼の一色を評価する。紅は何かを思って秋幸を傍らに置いている。紅は何かを思って、秋幸を守ろうとしている。その理由が悠真には分からない。


 もちろん、今後、紅が秋幸をどのように扱うのかわからないのだ。


 

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