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一色  作者: 相原ミヤ
火の国の夏に降る雪
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白と影の国の戦い(9)

 松とベルナは目を開くと同時に飛び起きた。そして、動揺したかのように辺りを見渡した。そして、反射的にソルトに刃を向けた。


 迫る刃。


 それを見て、ソルトは自らの罪なのだと知った。ソルトは雪の国の白の色神だ。雪の国の罪はソルトにある。彼らは単純に依頼を果たそうとしただけなのだ。そして、そのような道具に彼らを作りかえたのはソルトなのだ。


 松とベルナは拘束されていなかった。それは、一色の乱れによって動くことが出来ない状態だったからだ。ソルトの気軽な行動がこの事態を招いた。

 なぜ、彼らを救おうと思ったのかと問われれば、ソルトは何と答えるのだろうか。自らの行動に明確な理由を持っていなかったのだ。理由をあえてつけるならば、「信念」といったところだろうか。白の色神としての信念。白の色神として、命を扱う力を持つ者として、命を軽んじることをしたくなかったのだ。


 白のため。


 ソルトはどこかで思っていた。白に対して愛着などなかったはずなのに、雪の国の残酷な実態を知り、それが白までもが穢されるような気がして、ソルトはいてもたってもいられなかったのだ。

 白の色神としての信念。ソルトは雪の国に対して責を負う。雪の国の民の命に対して責を負う。そして、白に対して責を負う。白を穢さないように、白が白であり続けるために。


 ソルトに逃れるほどの素早さはない。日常生活を送ることさえ難しいのだ。


 赤い光が輝く。それは、赤の術士が守ってくれたのだろう。しかし、赤は突発的な赤は蹴散らされる。そして、再び襲撃が始まる。

「止めろ!松、ベルナ!」

萩の声が響いた直後、ソルトの目の前に刃が再び迫っていた。



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