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一色  作者: 相原ミヤ
火の国の夏に降る雪
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赤と心を捨てた者(8)

 秋幸が「気持ち悪い」と言った理由が悠真には分かった。影の国の二人の術士の色が変じ、まるで強制的に力を生み出しているように見えるのだ。案の定、彼らの今の色は、とても機械的で、単色だ。一色独自の癖や、性格、温かさを感じることが出来ない。一色と身体が合わずに、軋轢音が響いているように見えた。


 二人の術士が同時に剣を抜き、義藤に襲いかかった。義藤は刀で二人の剣を同時に受け止めた。二人の力に押されて義藤は後ろにずり下がった。はじき返すために、義藤は紅の石を使って二人の術士と距離を取った。

 すかさずもたらされたのは、松の使う青の石の力だ。なだれ込むような水に義藤は紅の石で対抗した。

「義藤!」

悠真は思わず叫んだ。濁流のような水の流れによってもたらされた死角から、べるなが義藤に襲いかかったのだ。義藤は水に濡れながら、振りかえった。べるなが使ったのは、黄の石だ。庭から岩が現れ、義藤に襲いかかった。

 義藤の前からは水が襲い掛かり、後ろからは岩が襲い掛かる。義藤に逃げ場はない。悠真は身をこわばらせた。脳裏に蘇るのは赤い夜の戦いだ。傷ついて倒れる義藤の姿だ。


 赤色。


 辺りを赤色が覆った。強い赤色に目が眩み、悠真は思わず目を細めた。紅の石の赤い色が力を生み出し、赤い風を作った。赤い風は水も岩も全てを防ぎ、それぞれへとはじき返したのだ。


「強い」

悠真は思わず呟いた。義藤の強さは圧倒的で、力を増した影の国の二人の術士とも対等に張り合っている。一歩押されてはいるが、負けるほどではない。十分に足止めが出来る。


「********!」


再び、年老いた男が何かを叫んだ。すると、再び影の国の二人の術士は何かを口に入れた。



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