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一色  作者: 相原ミヤ
火の国の夏に降る雪
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赤と心を捨てた者(4)

 二人は二人一緒に戦っているのだ。二人の動きがお互いを補助し合っている。基本的に、一対一で戦うことを見慣れている悠真にとって、少し異質な戦いのように思えたのだ。使っている道具も異なる。義藤の刀と紅の石に比重を置いた戦い方。そして、影の国の術士は基本的には剣術が多かった。剣の使い方も少し異なる。短めの刀を逆手に構え、一瞬で間合いに飛び込んでくる。


「戦いにくい」


秋幸の声が悠真の近くで響いた。


「間合いを詰められすぎている。見て、義藤は後ろに下がって距離を取っている。詰められすぎていると、火の国の剣術では受け止められない。明らかに異質だよ」


秋幸の言うとおりだった。一瞬で胸元近くまで間合いを詰められた義藤は、後ろに跳び下がり、刀で斬撃を受け止めている。それでも、義藤の力は確かで、慣れない戦い方の中でも一歩も引けを取っていない。


「イザベラも苦戦している。影の国の術士は、異形の者と戦いなれている。先日の黒の色神の暴走で弱ったイザベラでは防ぎきれない。――ほら、色が追いつめれられている」


秋幸が言った直後だった。べるなという術士に斬られたイザベラは、体を修復する前に囲いの中に閉じ込められた。


 大きく笑ったのは松だった。

「以前、宵の国で依頼を果たした経験が役に立った」

影の国の術士を侮ることは出来ない。悠真は思った。影の国の術士は強い。それは、彼らが幾多の戦地で戦い抜き、その度に強さを磨いているからだろう。それはまさに、命を奪わうことも、奪われることも恐れない戦うための兵器だ。


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