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一色  作者: 相原ミヤ
火の国の夏に降る雪
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赤が戦う理由(13)


当然のように、白の色神と冬彦も一緒だった。あとは、源三と知らない老女が一緒だったが、悠真は彼らが誰なのか問わなかった。間違いなく、冬彦と白の色神を救った人だろう。彼らは形を保っている部屋の一室に集まり、座っていた。


 これが白の色神なのか。と悠真は目を奪われた。白という色の印象に相応しい。白に近い色をした髪。色白の肌。作り物の人形のようで、座っているだけで辺りを白い空気がい満たしていく。穢れの無い色。透き通って、美しい色。これが白の色神だ。


「白の色神……」


言葉を奪われたのは、悠真も秋幸も同じだった。その美しい色。一色を見ることが出来る悠真と秋幸だからこそ、白の色神が放つ煌々とした透き通った色を見ることが明確に理解できた。


「来ると思っていたさ。悠真、秋幸。紅を言い負かしたのか?それはそれで立派なことだ」

柴がげらげらと笑った。


そして、柴は赤星を手招いた。

「犬っころ、こっちへ来いよ」


二人で部屋の外へ出たかと思うと、戻ってきたのは柴だけだった。

「犬はどうした?」

尋ねたのは冬彦だ。

「紅城へ白の石を届けてもらったのさ。野江と赤丸に戦ってもらわなくちゃ、俺たちの負けは濃厚だからな。情けない話、野江の力はなくてはならない力だからな」

冬彦は苦笑した。

「犬に頼むか?普通」

恐れを知らない言葉は、冬彦らしい。

「特別な犬だ」

それ以上、冬彦も柴も何も言わなかった。


 張りつめた空気があった。いつ襲撃にくるともしれない敵。間違いなく官府に来るのか。それさえも怪しい。確かなことは、不意打ちにより野江が敗れたということだ。野江は火の国最強の術士。野江が敗れると言うことは、火の国の術士が太刀打ちできないということだ。


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