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一色  作者: 相原ミヤ
火の国の夏に降る雪
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官府と白い昼(5)


 官府の半分は崩れ落ち、綱で入口が封鎖されていた。官府を覆う塀もところどころ崩れ落ち、そこは板でふさがれている。崩れた門の前には二人の男がいた。


 術士だった。


 一色を見れば分かる。


 綱の前に立つ男たちは、術士だ。術士というのは、特異な一色を持っている。術士の才覚を有しているかいないか、不確定だがソルトは感じることが出来るのだ。だが、優れた才を有した術士ではない。

 色の石の力を使えても、その真の力を引き出すには至らない。彼らが赤に仕える術士であっても、紅の石の力を活かすことは出来ないだろう。運よく術士の才覚を有しただけ。戦うには脆弱な力だ。彼らでは、影の国の術士と対峙出来ない。


 紅に仕える赤の術士には優秀な者が多い。


 ソルトは漠然とそのように思っていた。例えば、冬彦だ。彼の一色は白を示す。紅の石を使うのは不得手に違いないが、術士としての才がそれをカバーしている。そして、森のなかでソルトが救った「柴」だ。彼の大きさのある一色は、彼の本質を示している。彼の才も本物だ。もし、柴が雪の国にいたのなら、彼の才は雪の国の術士のトップに相応しい才だ。

 そんな柴であっても、火の国の術士の頂点に立たない。名だけ知っている。


 野江

 都南

 佐久

 義藤


 彼らが柴を超えるのなら、火の国は優れた術士の多い国だ。


 国の強さは色の強さに左右される。強大な力を持った黒の石、紅の石、白の石を持つ宵の国、火の国、雪の国は国としての確固たる地位を持っている。そして同時に、その色の石を活かす術士の才と、国を動かす政治力が世界の中での国の地位を作る。


いつも一色を読んでいただき、ありがとうございます。一色もとうとう600話になりました。第4章、まもなくクライマックスに突入します。これからも、よろしくお願いします。

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