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一色  作者: 相原ミヤ
火の国の夏に降る雪
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白の家族(14)

 このまま、吉枝の家に匿ってもらうべきか。

 それとも、冬彦の言うように、敵に近づくために官府に乗り込むべきか。


 どちらが正解なのかソルトには分からない。どちらを選んだにしろ、戦いと赤い血は避けられないような予感がした。

(俺が守るよ)

冬彦がソルトに掛けてくれた言葉、その温もりが心の中で響く。冬彦はソルトを守ってくれる。傷つくのはソルトでない。ソルトを守る冬彦やアグノだ。きっと、吉枝も巻き込まれる。


 どうするべきなのか。


 きっと、ソルトは答えを見つけていた。このまま、ここで大人しくしていても、影の国はソルトを見つけ出す。宿に隠れていても見つけだれていたのだから。見つけ出されたらどうなるのか。今度は、間違いなく殺される。殺されるのはソルトだけでない。冬彦も、吉枝も殺されるのだ。


 どうすれば生き残ることが出来るのか。


 そんなこと、分かり切っていた。生き残るには、ソルトは動かなくてはならない。先手を打って、見つけ出されるよりも先に、見つけなくてはならない。見つけて、こちらから攻撃を仕掛けなくては勝つことは出来ない。戦うことが出来ないソルトは、冬彦に頼ることしか出来ないだろうが、ソルトは生き残るために戦わなくてはならない。冬彦の赤い血を見ないために、白い石で命を繋ぐ必要が無いように、ソルトは戦うのだ。



「庵原太作を探しに、官府へ行きましょう」



ソルトが言うと、冬彦は白い色を零すように笑った。


「でも、日が暮れてきたから動くのは明日にしなさいな」


吉枝が慈しみの深い目を細めて笑った。




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