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一色  作者: 相原ミヤ
火の国の夏に降る雪
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赤い追跡者(11)


 現場の事態の収拾をしていたのは、五人の下緋だった。下緋以上の術士は紅城に集まっているのかもしれない。五人の下緋は何も言わず、都の民を現場から遠ざけた。彼らの行動は、悠真たちを隠し、柴は平然と現場へと足を踏み入れていた。柴に歩み寄ってきたのは、中年の女下緋だ。彼女が他の四人を取り仕切っているらしい。年の功かもしれない。

「宿の主人の話では、三人組みが宿泊していた部屋が破壊されたもようです」

柴は怪訝に問い返した。

「三人組?それは、どんな人物だ?」

悠真は柴の後ろについて話を聞いていた。秋幸は一人でどこかへ行ってしまった。だから悠真は柴の後ろについていくしかない。柴と一緒にいるから、下緋たちは悠真を力ある術士だと思っているようだが、実際は違う。悠真よりも下緋の彼らの方が紅の力になることが出来る。その状況がいたたまれなくて、悠真は柴の後ろに立っているのだ。

「主人の話では、大柄な男と少年と少女の三人組だそうです。宿帳に記入したのは、少年で、主人は受付以来、大柄な男と少女を見かけず、外での用事は少年が行っていたようです。二人は、一歩も外へ出ていません」



――冬彦


悠真は冬彦を思った。この場で冬彦は戦った。この場に冬彦はいた。一緒にいた相手は、白の色神とその付き人だろう。だが、なぜ冬彦は逃げなかったのか。冬彦は、心から紅から離れていったのか。紅から離れることが冬彦の望みだったのか、悠真の不安だけが掻き立てられた。


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