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一色  作者: 相原ミヤ
火の国の夏に降る雪
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囚われの緋色(6)


 だから、野江はここで倒れることは出来ない。このまま、闇に囚われて、眠りの中に堕ちていれば、これ以上の戦いから逃れることが出来る。しかし、野江は陽緋だ。何があっても、紅のために戦い続ける。先代紅を守れなかった時のような悔しさは、もう味わいたくない。

 それに、野江の心を苦しめる光景が浮かんでは消えていく。


――鶴巳


野江を苦しめるのは、傷つく鶴巳の姿だ。歴代最強の陽緋とされる野江を守ると言い切る鶴巳。術士でないのに、野江を守ると、紅城までやってきて、からくり師となった。


――鶴巳


何度も野江を助けてくれた。野江の近くにいてくれた。野江が敗れる時も、鶴巳は近くにいた。野江は紅を守る。そして、鶴巳を傷つける者を許せない。鶴巳がいる限り、野江は強くなれるのだから。


――鶴巳


野江は鶴巳を思った。鶴巳を傷つける者が近くにいる限り、野江は闇の中で休むことは出来ない。


(野江、もう少し、頑張ってくれ)


野江の背を押す紅の声。野江は赤を探した。赤い色を探した。赤が野江の所属する色だから。


「野江」


響いた声は現実に野江に聞こえる声。


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