表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一色  作者: 相原ミヤ
火の国の夏に降る雪
463/785

白の逃亡者(16)

「ほらほら、体をふきなさい。冬彦、風呂に火をつけて自分で入りなさい。冬彦の姫様は、私が預かるよ」

吉枝が生き生きと声を上げて戻ってきた。吉枝は毛のないタオルを持ってくると、それを冬彦に掛けた。

「火種は火鉢にいれてあるから、好きにお使い。薪は風呂場の横だよ。あとで、乾いた着物を持って行ってあげるからね」

言われて、冬彦は一度ソルトを見た。

「冬彦の姫様は、私が預かるからね」

吉枝はそっとソルトの頭に手を乗せた。

「あんたのような、野蛮な子供より、私の方が安心だよ」

言うと、吉枝は冬彦の背中を容赦なく叩いた。

「吉枝ばあちゃん。あとは任せるよ」

冬彦は濡れた着物を脱ぎ棄てると、下着姿になって建物の中に入っていった。


「まったく、あの子は……」

吉枝は冬彦を見送ると、そっとソルトに毛のないタオルをかけた。

「大丈夫、安心なさい。きつかったね、あの子は必死だから、周りが見えなくても許してあげてね。火鉢に火を入れておいてあげたから、温もりなさい。この婆を信じてちょうだいね」

ソルトの世界は歪んでいた。まるで回転しているようであった。ソルトの限界はとっくに超えていたのだ。


出会ったときに比べて、吉枝ばあちゃんが若い口調になっているような気がします(^_^;)冬彦と再会して、気持ちが若返ったということで……。次の野江の話へと続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ