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一色  作者: 相原ミヤ
火の国の夏に降る雪
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赤い影への憧れ(9)

 そこで悠真に一つの疑問が浮かんだ。


――朝霧


野江の浮雲と一緒に出立した馬。柴らが特別な感情を抱いていうる朝霧という馬は、一体何なのか。そして、誰が野江と一緒に行ったのか、悠真は単純な興味を抱いたが、それを口に出す勇気はなかった。

 絹姫は真に美しい馬であった。それは、義藤と同じだ。白い体は光を放っているように思える。舞風との対象さがなによりだ。厩番と柴と秋幸は慣れた手つきで、馬に鞍を乗せて頭絡をつけた。食みを噛ませる。同時に、舞風と朝霧の足に膝当てのようなものをつけた。二頭の馬は暴れることなく蹄鉄を打った足を上げた。

 手綱を離すと、柴は鐙に足をかけて、一息で鞍にまたがった。大きな体の柴であるが、見た目以上に身軽なようであった。そして、秋幸は絹姫の鐙に足をかけて背に乗った。悠真は、絹姫の上から差し出された秋幸の手を掴んだ。そして、秋幸が悠真を引き上げると同時に、若い厩番が悠真の足を持って体を上げた。重みが二倍になった絹姫は不快そうに首を振ったが、それ以上暴れることはしなかった。


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