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一色  作者: 相原ミヤ
火の国の夏に降る雪
393/785

白が欲する色(8)

「一体、何が起こったのでしょうか」

アグノの言葉で、ソルトは包まれているマントから顔を出した。ソルトの不確かな目にも、破壊された建物は見て取れた。ここで、黒の色神と厄色が戦ったのだ。

「関係者が近くにいるはずよ。アグノ、探してちょうだい」

ソルトはアグノに依頼した。

「承知いたしました」

アグノは低く答えた。


 どこの関係者が身を潜めているのか、ソルトにも検討がつかない。途方に暮れているソルトに、答えを見つけ出したのはソルトだった。

「見ろよ、馬の足跡だ」

冬彦が言った。雨は依然として降り続いている。降り続いている雨の下で、冬彦は馬の足跡を見つけたのだ。

「ここに馬が来る。もしかしたら、紅城の誰かかもしれない」

冬彦は言った。冬彦は何を考えているのか。赤の術士と会うことで、白の色神の元から逃れる期待を抱いているのかもしれない。それでも、ソルトは関係者と接触しなくてはならない。

「アグノ、行ってちょうだい」

ソルトはアグノに言った。


 馬の足跡は、蹄の方向で進んだ道が分かる。同時に、人の足跡があれば更に容易なこと。そこには、朽ちかけた小屋があった。

「小屋の中はどうなっているの?」

ソルトはアグノに尋ねた。

「男が一人、後は女が二人おります。男は動けないようです。両足の無い女は気を失っているようです。一人、若い女だけが動けるようです」

アグノに言われ、ソルトも自らの目で小屋の中を覗き込んだ。光景はあまり見えない。しかし、色は見えた。男は大きさを持つ赤の一色を持っているが、黒が混じっている。黒に食われているのだ。足のない女と、もう一人の女も術士のようだが、戦いに適していないことは分かる。何かが起こったのだ。


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