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一色  作者: 相原ミヤ
火の国の夏に降る雪
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白が欲する色(4)

――ソルト、色神は人ではありません。私たち色が選んだ時点で、人から私たち色の器である色神へと変じるのです。ですから、色神は子を持つことが許されません。かつての時代、それは遥か昔の話です。愚かな色が色の覇権を掴むため、己の色を強めるため、色神に子を持たせました。そもそも、一色は遺伝によるものもあります。色神が子を持つ。それは優れた術士になるに違いない。そう考えた色は、色神に子を持たせました。結果、生まれた子は命を繋ぐことが出来ませんでした。命をつなげた者は優れた術士となりました。しかし、その中で極稀に、優れた術の力を持ちつつ恐ろしい一色を持った者が現れました。それは、一見すると分かりません。ただの優れた術士に見えます。しかし、その色は色神の心を乱します。厄色を持つ者は、一色を見て、私たち色を見ます。そして、色神の心を奪い支配する。そして、私たち色の命さえ奪うのです。ソルト、ご存知でしたか?色神の存在しない色があることを。それは、厄色に殺された色です。火の国の紅は、何を考えているのか厄色を持つ術士を生かしている。今の紅は若い女性だ。厄色の母になるとは考えられない。ならば、先代か、その前の紅の子供でしょう。その厄色が力を使った。心に任せて力を使った。そういうことでしょう。ですから、ソルトの心も乱されたということでしょう。近くにいた黒の色神は、暴走していることでしょう。

白はソルトに語りかけた。その優しさをソルトは突っぱね、目を背けた。白がソルトに厄色のことを話さなかったのは、ソルトが厄色と遠い関係であるからだ。ソルトは体が弱い。ソルトは子を持つことが難しいのだ。だから、厄色とは関係ない。関係ないから、白はソルトに黙っていた。


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