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一色  作者: 相原ミヤ
火の国の夏に降る雪
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雨の中の白(1)

この話より、第4章に入ります。これからもよろしくお願いします♪

 ソルトは火の国に足を運んでから、じっと身を潜めていた。この国は蒸し暑い。それだけで、ソルトの体調は万全でない。じっとりと絡みつくような空気も、べた付く体も、全てが不快だった。

「ソルト、いつまでこうしているつもりですか?」

アグノがソルトの前に膝を着いた。ソルトが潜むのは、深い森の中。ソルトとアグノは異人だ。鎖国をしている火の国の内部では目だって仕方ない。一目を忍んで、こうやって隠れるしかない。ソルトは大木に腰掛けていた。衣服は火の国のものを手に入れた。しかし、着方が分からない。見よう見まねでアグノが着せてくれた。

 いつまでこうしているのか、とアグノは尋ねた。しかしソルトはいつまでこうしているのは分からなかった。火の国に、黒の色神クロウと流の国の術士が来ていることは確かだ。

「時を待っているの」

ソルトは答えた。ソルトは、クロウが動くのを待つつもりだった。

「時を?」

アグノがゆっくりとした声で尋ねた。

「そう、時を待っているの。クロウが行動を起こせば、それで良いの」

ソルトは答えた。


 フードを被ったアグノが市街へ食料の買出しへ行く。アグノに抱きかかえられて、ソルトも町へ向かった。ソルトはあまり目が見えない。白に近い白銀の髪を隠し、目を伏せてアグノに抱きかかえられて町へ行く。

 町の中は活気で溢れていた。埃っぽさはない。湿度が高いからかもしれない。活気で溢れる町の中は、町民の声が響いていた。雪の国は大国だ。白の石を輸出したり、医学院で研究された治療技術を駆使することで、経済豊かな国だ。万国共通で使用できる金銀を使えば、買い物に困ることはない。アグノが必要物資を金で支払う。この国の物価が分からないソルトたちから、大金を巻き上げることは可能だろうに、人が良いのか正直なのか、火の国の民はきちんと釣りをくれた。その釣りを使えば、火の国の物資の価格が想像できる。


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