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一色  作者: 相原ミヤ
火の国と来訪者
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赤が救う命(3)

単に仲間を思うだけで、そこまでの選択が出来るのだろうか。


――厄色の子。


その言葉が悠真の心に引っかかっていた。

「俺は、存在しちゃいけない」

赤丸はそこまで言うと、息を吐いて黙した。


 答えの見つからない袋小路で、口を開いたのは黒の色神だった。

「この面子を集めたのは、厄色に関わっているからということか」

悠真は理解できなかった。どうやら、それは義藤も同じらしい。冷静だから黙っていたはずの義藤が低い声を放った。焦っているのでも、困惑しているのでもない。現状を理解しようと必死なようであった。だから冷静なのだ。

「厄色とは何なんだ?」

それは、悠真も抱いていた同様の疑問。厄色だから生きてはいけない。色神に厄をもたらす。それが分からないのだ。

 戸惑う紅を押しのけるように、そっと黒の色神は言った。

「義藤、そして赤丸。二人は、色神の息子だな」

黒の色神は端的に告げた。

「俺や紅は色神だ。色神とは石を生み出す存在。それが普通の人間だと思うか?俺は思わない。色神となった途端、人間であることを捨てたんだ。その色神が子供を持つ。それがどういうことか分かるか?生まれた子供は人間じゃない。俺は、かつて黒に言われた。色神となった以上、子供を望むなと。色神の子供は無事に生まれない。無事に生まれても、うまく育たない。幼いうちに病で命を落とす。そして、数百人に一人、偶然に育つことができる。育った子供は皆、優れた術士となり、うち百人に一人厄色の力を持つ。色神と同等の力。色の力を収束させ、色神と同様の強大な力を持ち、色の姿を見ることが出来る。違うのは、色の石を生み出せないだけ。――紺色と黄緑に色神はいない。なぜか分かるか?それは、厄色に喰われたからだ。色神の子供は強大な力を持つ。育つ可能性は低いが、育てば一流の術士だ。だから紺は色神の子供を多く作った。結果、厄色の子が力を持ち、色神と偽り、国は荒れ滅びたのさ。色の滅びたと、黒は言っていた。黄緑はもっと酷い。黄緑は、厄色の子を色神に選んだ。すると、黄緑はその色神の上に立つことが出来なくなった。器が色を超えたのさ。結果、黄緑も滅びた。その上、厄色には、色神の心を乱す力をもつ。二つの色の犠牲の上に、色神は子供を持つことを止めたのさ。子供を持っても、厄色の子は殺す。それが慣例だ。赤丸が厄色を持つことは事実だ。色神に匹敵する強大な力を持ち、色の姿を見て、色の力を収束させる。そして、俺の心を必要以上に乱し、暴走へと導いた。俺の身体に触れたことで、色が必要以上に反発し、いざべらが暴走した。それは、厄色に間違いないだろ。知っていたはずだ。赤丸と義藤の親である色神も、厄色については知っていたはずだ。赤丸が厄色であることも知っていたはずだ。なのに生かした。赤丸は危険な存在だ。同時に、義藤。お前も安全な存在ではないんだぞ」

黒の色神の言葉に容赦は無い。すると、赤山がゆっくりと口を開いた。

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