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異世界剣士の成長物語  作者: ナナシ
二章
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昇級と決意

依頼を無事に達成し、クロスたちは村長から討伐完了のサインを受け取った。これで正式に依頼達成となる。


その後、彼らはラグスティアへ戻るためにコルニ村を発った。


帰りも道中にある野営地で一泊。運よく魔物との遭遇もなく、天候も穏やかだったため、のんびりとした移動となった。


簡単な食事を取り、交代で見張りに立ちながら静かな夜を過ごす。翌朝も問題なく出発し、昼前にはラグスティアの町に帰還した。


ギルドに到着した四人は、すぐに依頼達成の報告を行った。カウンターのセリアが記録を確認し、明るい笑みを浮かべる。


「クロスさん、ジークさん、テオさん。おめでとうございます。今回の依頼達成により、お三方は8級への昇格が決まりました」


思いもよらぬ報告に、クロスは目を丸くし、ジークとテオは一瞬きょとんとした後、思わず「よっしゃあ!」と声を上げた。


「やったな、テオ、クロス!」


「ほんとに……!? 嬉しい!」


二人の歓喜の声に、セラも微笑んで頷いた。


「おめでとうございます。これからは、皆さん同じ8級ですね」


セリアもにこやかに続けた。


「これでセラさんも、ようやくギルドへの貢献度が溜まるようになりますから、今後の昇級に繋がりますね」


「……え?」


クロスがきょとんとしてセラを見た。


「セラ、今までは……」


セラは軽く首を振った。


「ご存じなかったんですね。ランクの異なるパーティでは、上位ランクの者にはギルド貢献度が加算されません。下位メンバーの育成や支援といった扱いになるんです」


「そ、そんな仕組みが……。じゃあ、セラは俺たちと組んでからずっと……」


「ええ。最初から承知の上でご一緒させてもらってますから、気になさらないでください。私は、あなたたちと共に強くなる道を選びました」


そう言ってにっこりと微笑むセラに、クロスは胸が熱くなるのを感じた。


「セラ、ありがとうございます……」


「ふふ。お礼を言われることではありませんよ」


その場の空気を和らげるように、ジークが両手を上げて言った。


「ともかく! 今日はお祝いだろ? せっかく昇級したんだから、宴でもしようぜ!」


「うん、たまにはそういうのもいいよね!」


とテオも同意して、クロスの宿で食事をする事に決めて一時解散となった。


クロスは一度宿に戻る前に、武器と防具の点検に向かうことにした。



まずは武器屋へ。いつも世話になっている職人の男が、クロスの剣を手に取り、苦笑交じりに言った。


「そろそろ買い替え時だな、クロス。先端も根本もずいぶんすり減ってる。鋳造品だから仕方ないが、だいぶ使い込んだもんだ」


「……やっぱり、ですか。できればもう少し使いたかったんですが、考えてみます。明日また相談に来ますね」


剣を返してもらい、防具屋へ。こちらは特に大きな損傷は見られず、留め具の点検だけで引き取ることができた。



その後、月影の宿へと戻ったクロスは、女将のカリナに話しかけた。


「カリナさん、今晩、仲間たちと一緒に夕食をいただきたいんですが……」


「もちろん歓迎するわよ。クロスの仲間なんだから、いつでも大歓迎。大きなテーブルを用意しておくわね」


部屋に戻ったクロスは、簡単に身体を拭いてから一息ついた。


コルニ村での任務は一見平和だったが、自分は黒装束の影を探すあまり、少し視野が狭くなっていたかもしれない。


(何も無いのが一番……でも、気づくべき兆しを見落とさないように。もう少し、広い目で見ていこう)


そんな反省と決意を胸に、階下の食堂へ向かう。


ほどなくして、セラ、テオ、ジークの順に到着した。


「お疲れさまでした」


「腹減ったー! 早く食べようぜ!」


「ふふっ、ジークはいつも元気ですね」


カリナが料理を並べると、食堂は一気に良い香りに包まれた。

以前はグラスファングの煮込みが名物だったが、今は手に入らなくなった。それでも、宿の食事は相変わらず美味しく、4人の笑顔がこぼれる。


「こうやって皆で食べるのも、やっぱりいいな」


「うん、なんか……仲間って感じがする」


「これからも、頑張っていきましょう」


「……ああ。明日は休養日だけど、明後日から8級冒険者としての活動、頑張ろうな」


「「「うん!」」」


静かで温かな夕食の時間。冒険者として、少しだけ前に進んだ4人の、新たな物語がまた動き出そうとしていた――。

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