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異世界剣士の成長物語  作者: ナナシ
二章
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それぞれの課題、それぞれの訓練②

---セラの訓練---


セラは静かに訓練場の中央に立ち、元神官戦士のリヴェル教官と向き合っていた。


「私は……戦闘中にもっと自由に動けるようになりたいのです。障壁魔法と盾を組み合わせた立ち回りを覚えたいと思います」


「それは理想だな。確かに、障壁魔法と盾を両方扱えるお前は、“戦場の要”になれる。

敵の攻撃を見極めて盾で自分を、障壁で味方を守り、戦況に応じて動きを誘導する。

最終的には、仲間の安全圏をつくる《守護の中心》になることができるはずだ。

お前が立っている場所が、仲間にとっての“要”になる――それを忘れるな。」


セラは真剣な面持ちで聞き返す。


「……《守護の中心》、ですか。

なんだか、もったいないくらいのお言葉です。ですが……とても嬉しいです。

盾と障壁で、仲間の支えになれるのなら、私、全力でその役目を果たしてみせます。

そのためにも、もっと技術を磨いて、どんな状況でも仲間を守れるようにならなければ……ですね」


リヴェル教官は小さく頷きながら。


「うむ。その意気でいい。だが、守るだけが役目ではないぞ。

ときに前へ出て、仲間の士気を高めるのも“守護者”の仕事だ。

お前の背中に、仲間は命を預ける。それだけの覚悟を持って進め。」


「はい。私、必ずその覚悟を力に変えてみせます――リヴェル教官」


丁寧な言葉で答えるセラに、リヴェルは頷き、実戦形式の立ち回り訓練に入っていく。



---クロスの訓練---


一方、クロスはカイロス教官と向き合っていた。


「教えてもらえるという中級の氷魔法、ぜひ習いたいです」


クロスはお辞儀をしながらカイロスに向き直った。


「うむ。ただ……私が使っても大した威力も防御力もないんだがな。だが、お前なら違うかもしれない。楽しみだよ」


「教官がそうおっしゃいますが、自分は今日が初めてなんで、あまり期待しないでください。」


カイロスは笑いながら姿勢を正した。


「いや、お前は違うかもしれんと思ってるから言ってる。

詠唱も反応も、下手な冒険者よりよほど筋がいい。

魔法ってのは理屈より“感覚”が大事なんだ。お前の感覚は鋭いと思う。

俺と同じ魔法でも、お前なら“別物”に化ける可能性がある」


そう言って、カイロスは2つの魔法の詠唱を始めた。


「凍てつく氷よ、我が敵を穿て――《アイススパイク》!」


標的の足元から氷の槍が発動する。槍は命中はするが、表面を削っただけで貫通はしなかった。

カイロスは笑いながらクロスに話しかけた。


「まぁ、普通のアイススパイクはこんなもんだ」


「次は《アイスシールド》だな。

……まあ、こいつは俺が使っても“板氷”くらいしか出ねえし、正直、風が吹いたら割れるレベルだ。

けど、氷ってのは、どう作るかでまったく別物になる。

お前の魔力の扱い方なら、何か面白い形になるかもしれん」


「氷壁よ、我が身を守る盾と成れ――《アイスシールド》!」


カイロスの足元から淡く青い魔力の粒が舞い上がり、彼の前方に凍った空気が集まりはじめる。パキッ、パキパキッ……という凍結音ののち、薄い氷の板が浮かび上がる


「こんな感じで、見た目は悪くねぇな……だが、実際の耐久は――」


カイロスが足元にあった訓練用の短い棒を取り、氷の盾に軽く振るうと氷の板は鈍い音を立てて粉々に砕けた


カイロスは先程と同じように戯けたように話しかけてくる。


「まあ、こんなもんだな。見た通り、大した防御力は無い」


クロスそれを見ながら、心の中では興奮していた。


(アイススパイクはしっかり相手の足元に発動出来れば、避けられるリスクを減らせる。アイスシールドも使えるようになれば、セラの支援もできるかもしれない。

どちらも現代知識での知見があればフロストショットの様に、使える様になるはずだ)


カイロスは腕を組みながら、クロスに話しかける。


「詠唱と魔力の流れ、両方を意識しろ。威力は、お前の集中力と想いに比例するはずだ」



4人の訓練内容は、一朝一夕では身につかない。だが、それぞれの目的に向かって進む仲間たちを見て、クロスもまた、自分の中で小さな決意を固めていた。


(やれるところまで、やってみよう。この力で、誰かを守れるようになれば)


訓練の夕日が差し込む頃、4人の姿は汗にまみれ、だが確実に成長への一歩を踏み出していた。

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