⑥ 利権者だけがうまい汁を吸う大阪万博
筆者:
今回は最近予算額が当初の約2倍の2350億円になったことで話題になっている大阪万博についてみていこうと思います。
更に23年11月27日には会場建設費とは別に、その時点で約837億円追加でかかることが分かっています。
予算についてはどう見ても人件費や資材の高騰のレベルを超えているので“ピンハネ計画”の一環なのではないかな? と思えてしまいますね。
質問者:
大阪万博って度々ヘンな方向で話題になっていますよね。気持ちわ――いえ、独特な赤いマスコットキャラクターなど全然良いイメージがありませんね。
筆者:
ちなみに、僕は初見であの「ミャクミャク様」を見た時「ゾッと」しましたよ(笑)。
それはさておき、予算やキャラクター以外においても問題が噴出しています。
まずは、海外が展示する予定の「パビリオン」の建設がかなり遅れているといことです。
質問者:
万博って言うとなんだか特別なオブジェや建物があるイメージなんですけど……。
筆者:
実際に万博の「メインディッシュ」と言っても良いでしょうね。
参加を予定していた各国の万博担当者は、一度組んだ予算やパビリオンの出展形態を見直さなければならなくなるなど苦境に追い込まれており、豪華なパビリオンから“テナント”まで格下げされてしまう国が多く出てくるようです。
しかも、23年11月30日で開幕まで500日となりましたが、依然として海外パビリオンは1件も着工されていないようです。
2005年の愛知万博は2年前から第1号が着工開始、1970年大阪万博では、第1号として開幕622日前に着工しています。大阪・関西万博は100日以上遅れていると言えます。
質問者:
大風呂敷を最初に広げ過ぎたのかもしれませんね……。
本当に開幕できるんでしょうか……。
筆者:
当初は「空飛ぶ車」を「自転車のように乗り回す」予定だったらしいですが、
台数が足りず、上級国民が短い距離を乗るだけになりそうです。
ホント、最初だけ聞こえが良くて実情はボロボロというのがお得意の様ですね。
それを巧妙に後付けで変えて、それで騙されちゃっている国民の関心の無さも嘆かわしいですけどね。
またこれほどまでに建築が遅れているのは、
ゼネコンも物価高騰の影響もありますが、「すぐ壊すものを作りたくない」という要素があったり、
開催される夢洲は電力インフラや交通インフラが整備されておらず、
建設工事や建設作業員の配置に手間と費用がかかることも、ゼネコン各社が二の足を踏む背景にあると見ています。
質問者:
この様子だといくら2025年とは言え、建築が間に合わない可能性があるんじゃないですか?
空いた場所はどうするんですか?
筆者:
朝日新聞の10月15日の記事によると「万博関係者によると(余った土地を)回転ずしにすればいい』という投げやりな声を伝えています。
10月17日には、万博を盛り上げる『スペシャルサポーター』に、クイズプレーヤー・伊沢拓司さんが中心となって運営する『QuizKnock』が就任したと発表。今後、国内外で万博をPRする予定です。』
空いた場所は寿司とクイズ大会になるみたいです。
質問者:
……それって万博でやる必要あるんですか?
なんかイメージ的に未来の技術を見られる場所だと思っていたんですけど……。
筆者:
これで開催期間半年の間に会場に2800万人来場予定、経済効果2兆円を予定しているのですから凄い自信だなぁという感じです。
そして維新の会は万博を誘致したときは「維新だから誘致できた」と言っていたのです。
しかし、状況や予算が苦しくなると「国の事業だ」と最近言い始めて国に丸投げをして失敗を押し付けようとしているところが正直言って驚きの開き直りです。
恐らくは『以前言ったことは誰も覚えていないだろう』と国民をバカにしているんでしょうね。
質問者:
そもそも、2兆円の経済効果ってどうやって試算しているんでしょうかね?
筆者:
2017年の当時の松井大阪府知事の発言によると「経済効果は6兆円」だったようなので、
静かに「大幅な下方修正」はされているようです。
正直なところ、御用経済学者の「波及効果を含めて試算」だと思います。
これで大阪府のGDPが2兆円増えたのでしたら合っているんでしょうけど、実際は全く違うと思いますよ。
民間へ還元されるからいい! と言うご意見もあると思うんですけど、
入札方式から随意契約方式に変えても「維新のセコさ」を考えれば結局のところ切り詰めて契約している状況からは打開されているとは思えないんで、そんなに民間波及効果があるとは思えません。
質問者:
なるほど、結構適当なものなんですね……。
最近では、木造建築物「大屋根」が話題になっていましたけど……。
筆者:
政府はこの木造建築物について、
『自見英子万博担当相は12月8日の衆院内閣委員会で、2025年大阪・関西万博で350億円かけて建設される木造建築物「大屋根」について、「夏の暑い時期に開催される。日よけの熱中症対策として大きな役割を果たす」と述べ、必要性を強調した。
リングは1周約2キロで、23年6月に建設が始まった。完成すれば世界最大級の木造建築物となるが、巨額の費用を要することに批判も出ている。』
と「日よけ」に350億円も使うようです。正直日傘を大量に買って配った方がまだ安上がりでしょうね。
大阪府知事、市長は万博の理念、歴史的建造物だから作りたい(すぐに壊すけど)。高台から一望できる(あべのハルカスの方が遠くまで見れる)。などとハチャメチャなことを言い続けているんですね。
質問者:
なんだかこれも意地でも作って利権を確保したい意図が見え隠れしますね……。
筆者:
まずそれで間違いないでしょうね。
すぐ取り壊すと批判された際にはもう開き直って「ずっと使うかもしれない」と変化しつつありますから。仮に「リング」が残った場合は維持管理の利権も狙っているんでしょうね。
もう、今更万博そのものをキャンセルをするとキャンセル料プラス国際信用が低下するというリスクがあるので、追加分の費用は推進派からのみでお金を集めてそれで実施して欲しいですね。
これだけ反対が多いのだから、民間からのお金(税金)で実施して欲しくないです。
質問者:
別にやるなとは言いませんけど、やりたい人同士でお金を持ち合って開催して欲しいですよね。
特に経団連の方が推進されているのでお金を多く持っていると思うんですが……。
筆者:
本当にその通りです。利益の還元を受ける人でお金を出して欲しいですね。
そもそも思うんですけど、今のこの世界で「万博」というものがもう役割を終えてしまっていると思うんですよ。
世界中を往き来できれば外国の文化にも簡単に触れられますし、YOUTUBEなどの動画配信サイトで世界の最新技術の展示会の中継を見ることができます。
技術革新の速さを思えば万博でちょっと前の技術を展示して紹介する必要も無い気がします。
質問者:
確かに1970年の時の大阪万博には6400万人も来られたみたいですけど、
今は時代も全く違いますからね。
役割を終えてもおかしくはないですよね。
筆者:
あの当時は新聞やテレビしか情報収集ツールがありませんでしたからね。
これで大阪府民、市民が支持しているのであればまだ救いがあるのですが、
23年11月5日の記事では
『共同通信社の世論調査で、2025年大阪・関西万博開催の必要性に関して、
開催地の大阪を地盤とする日本維新の会の支持層でも「不要だ」との回答が65.7%』
となっています。
維新を普段支持している人からも見放されているのです。
ちなみに開催費用の負担は府民ならば約4600円、大阪市民ならば約1万9000円 全国民負担分は約600円となっているようです。
更に23年11月27日には2350億円に膨らんだ会場整備費とは別に、パビリオン「日本館」の建設費用や途上国の出展支援などとして国の負担が約837億円に上るとしており、さらに国民負担分プラス800円となりそうです。
それ以外の費用としては、夢洲と市街地を結ぶシャトルバスのルートとなる阪神高速「淀川左岸線」2期整備事業の約2900億円(国費負担約1600億円)なども発覚し、
費用は総計1兆円も超えると言われています。
質問者:
うわぁ……いったいどこまで費用が増えるんですか……。
筆者:
これを“真水国債”でやってくれるのなら問題無いのですがそうする気は無さそうですから結局のところ将来への増税になりそうです。
「経済効果2兆円」が本当なら負担については自然増収と言うことで、費用について考えなくていいはずなのに費用の話が出てくるということは「経済効果2兆円」が怪しいということだと思います。
この分の金額を「能登半島地震の被災者支援に出して欲しい」と言う声も大きいようですが、そう言われても仕方のない様相を呈しています。
質問者:
これってほんと誰得なんですか?
筆者:
維新の会とそのお友達の懐を潤すだけの万博になりそうですね。
そもそも、夢洲にカジノを呼ぶために、カジノのみでは聞こえが悪いため、万博でロンダリングしようとした悪巧みから生まれたのがこの「大阪万博」だったみたいなんですよね。
ということで次にギャンブル依存症を量産しそうな万博の次にやってくる「カジノ」についてみていこうと思います。