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② 大阪府の12年間の経済衰退

筆者:

 ということで、まずは「大阪府の経済の実情」についてみていこうと思います。

 経済に関しては数字で如実に出てきます。

ですから実績として比べ易いので一番の「通信簿」だと僕は思っています。

 


質問者:

 大阪府って言うと「天下の台所」のイメージがあって経済の中心地というイメージがありますけど……。



筆者:

 それは江戸時代の二つ名で今現在はかなり怪しくなっています。


 まずは県別の経済で見ていきましょう。

 内閣府の統計で県民経済計算というものがありまして、これの県内総生産を

 平成18年(2006年)齊藤房江知事(当時)と令和2年年(2020年)を比較してみます。

       2006年         2020年

  全国 547兆6842億円 ⇒ 548兆7526億円

  大阪府 39兆8901億円 ⇒  38兆8920億円


 2020年はコロナの影響で2006年と比べて全国的に見てもGDPはほとんど変わっていないか微増程度なのですが、大阪はなんと約1兆円も下げています。



 また1人当たりの県民所得を見ていきます平成18年(2006年)齊藤房江知事(当時)と令和2年年(2020年)を比較すると、大阪府は全県計よりも1人当たりの県民所得が低くなり、その所得自体も下がっています。


     2006年   2020年

 全国平均321万円 ⇒ 312万円

 大阪府 324万円 ⇒ 283万円


 これはパソナが非正規雇用を増やした結果、特に大阪は貧困化していったことがうかがえますね。

 特に2019年は307万円から24万円も1人当たりの県民所得下げていますので(全国では21万円下げていたのでそれ以上下がっている)、

 大阪府のコロナ経済対策も的外れだったことが分かりますね。

 

 ※パソナの問題についてはまた取り上げさせていただきます



質問者:

 なんだか、凄く「改革に成功」していたイメージだったのに、むしろ全国平均よりも悪いだなんて信じられませんね……。



筆者:

 維新の会は開き直る精神力が素晴らしいのか分かりませんが、


「さも成功している」


 かのようにふるまうのがお得意の様です。

 つまりイメージ戦略をマスコミなどを使ってとても上手くやっているのです。


 全ての政策に言えることですが、「100%悪い事しかない」ということはなく、切り取れば「必ずいいこと」は起きています。

 しかし、全体で見れば国益を損している政策があまりにも多いのです。


 ということで、悲しいことに堂々と“良いところだけ”を宣伝すれば人は騙されてしまうということです。

 皆さんもこういった過ちを犯さないように肝に銘じていただきたいところですね。


 現実として冷静に数字という結果を比べて比較することでいかに悪いかがお分かりになると思います。


 まぁ、人口が多いので県別GDPでは全国2位か3位なので胡麻化されがちですが、実情はGDPが成長していない日本の中でもかなり酷いことになっていることがお分かりだと思います。



質問者:

 本人たちがどう言おうとも数字だけは変わりませんから数字や結果をしっかり見ていくことが大事なんですね……。



筆者:

 更に酷い数字としまして本社移転加速が進行しています。


 大阪府は、会社四季報オンラインで見ると上場会社の本社数が2001年から2021年の20年間で65社減りました。この数字は日本一となっています。

 上場企業から全ての会社に幅を広げても㈱帝国データバンクの大阪府・本社移転企業調査によると2000年から2021年までの大阪府の本社移転企業数、22年間で1948社の転出超過となっています。これも全国トップです。


 まぁ、経済成長していないから推して知るべしという感じはしますが、本社がいなくなっていけば余計に成長せずに給料も上がりにくくなるでしょうね。



質問者:

 大阪はこれからの未来の可能性も薄いわけなんですか……。



筆者:

 さらに格差も拡大しているようです。


読売新聞2022.11月22の記事によりますと

『関西で年収300万円未満だった世帯の割合は、14年の14.4%から、19年には17.3%に増えた。


 背景にあるのは、訪日客数の増加だ。関西では12年の182万人から、コロナ禍前の19年には約4.6倍の841万人に増え、全国の伸び率(約3.8倍)を大きく上回った。人手を確保するため、宿泊施設や飲食店が雇用を増やしたものの、非正規労働者が中心だったため、世帯当たりの年収を押し下げたとみられる。

 2010年代になると、アジア勢の台頭で関西の経済を先導してきた電機業界はかつての勢いを失い、雇用の減少を招いた。情報技術(IT)など高付加価値型のサービス産業が集積する首都圏に人材が流出している』


 とあります。



質問者:

 『高付加価値型のサービス産業が集積する首都圏に人材が流出』ってここにも書かれちゃっているわけですか……。



筆者:

 日本国内の競争(対東京都)においても敗北する程度でしか経済においては実績が出せていないことがお分かりいただけると思います。


 大阪府は、東京都に対抗意識を燃やしていますが、残念ながら現実は首都圏一極集中を助長させているわけなんです。



質問者:

 凄い皮肉なことが起きているんですね……。



筆者:

 このままの状態が続けばさらに東京一極集中が起きてしまいます。


 これは余談ではありますが、国土交通省の令和3年1月29日より開催された『企業等の東京一極集中に関する懇談会』での参考資料『企業等の東京一極集中に関する懇談会 とりまとめ』というところからの78ページ目以降のデータを参考に書かせていただきますと、


全世帯の可処分所得 は東京は全国3位 (1位富山、大阪38位)

中央世帯の可処分所得は東京は全国12位(1位富山、大阪37位)

中央世帯の可処分所得-基礎支出(食費や水道光熱費、家賃など)は全国42位(1位三重、大阪44位)

中央世帯の可処分所得-基礎支出+通勤時間の費用換算)は全国47位(1位三重、大阪45位)


 東京一極集中は実を言うと1人当たりの可処分所得の上では貧困化を促進しているのです。

 

 ※出生率は2019年は東京全国最下位の1.15 大阪は1.31



質問者:

 日本人全体が豊かになるためにはまず地方が元気にならなくてはいけないんですね……。



筆者:

 そうです。それだけ東京の地価(家賃)や通勤費用、物価などが高いということも示唆していますけどね。

 でも、地価は需要と供給の問題もありますし、給料をそう簡単に上げることはできません。やはり地方を活性化して若い方が残ってもらった方が手っ取り早いと思うんです。



質問者:

 確かに東京の方とはいっても地方出身者もかなり多いですからね。

 生まれた人が地方にそのまま働いてくれたほうが良いということですか。



筆者:

 都会から地方に移り住むのは勇気がいりますからね。

 その地域の人が支えたほうが良いでしょう。

 東京に行っても収入の全体額は増えますが、支出はそれ以上に増えるということをもっと知っていただければと思いますね。


 次に大阪府の教育の実情と“高校無償化サギ”について触れていこうと思います。

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