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プロローグ

 あの日、俺の日常は壊された。


 いや、俺が壊したのか。


 別に今の生活に対して不満を抱いているわけではない。


 むしろ、満足している。


 与えられているだけだった生活を、今は自分で一つずつ積み上げている。


 毎日変わる空の色や庭に漂う花の匂い。


 すべてのものが新鮮で、眩しく色鮮やかに目に映る。


 あの頃とは何もかもが違う。


 箱庭の中から俺は抜け出せた。

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