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アラサーの俺がヒロインの友達に転生?ナイワー  作者: 七地潮
〜のんびりいこうよ、え?いけないの?〜
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冒険者と一緒 5

「先に言っておく、この場はキャスティーヌ嬢とはクラスメイトだし、アスデモスは先輩と言うことで、かしこまる必要はない。

気を楽にして話をしてくれ」

頷く俺達に、王子は冒険者が王都に来てからの話を始めた。


アキチカ達ともう一つのパーティーは、検問で衛兵に冒険者ギルドの場所を尋ねたが、ギルドなど無いし、まず冒険者と言う職業が通じず、王城へ連絡が入ったそうだ。

流石に王はカエザルオンの事も、国や大陸には無い冒険者と言う職業や、ギルドがどう言ったものかは知っていて、アキチカ達はそのまま城で滞在することになったそうだ。


王都を回るのにも案内人が必要だろうと、ランフェル王子が案内することとなり、王都内や学園を案内して、五日ほど滞在したと。

で、国内の他の場所も回りたいとの申し出に、王はそのまま王子に道案内を、もう一つのパーティーにも、公爵家の跡取りを付けた。

あくまでも初めて訪れた国で、不便な思いをしないようにとの善意からだ。

しかしアキチカ達からすれば、初めのうちは監視が付けられていると感じていたみたい。


うちの国の王様は、国の運営はしっかりとしているし、しきたりを守りつつ改正するべき所は改めるし、周りの意見はきちんと聞くし、国のこと、国民のことを考えてくれている、とても素晴らしい人物だ。

だからこそ国民も尊敬し、敬い、暮らしやすい国の一員として、自分達も王が誇れる民でいようとしている、とても良い国だ。

それはアキチカ達にも通じたようで、最初は警戒していたけど、城を出て次の目的地へ向かう頃には、うがった見方をした事を反省していたんだって。


サリフォル領へ向かう馬車の中で、アキチカ達が、王子との会話で言ったそうだ。

「こちらの国では【悪意】が少ないですね」

「……どう言った意味でしょう?」


アキチカ達は二桁以上の国を回っているそうだけれど、どの国も数多くの問題を抱えているそうだ。

例えば、国に仕える者でも、賄賂や横領や談合、事実無根の噂話を広げる者もいる。

妃の実家による派閥や、後継問題など、どこにでもある話だ。

教会や神殿の政治への介入、役人による平民への圧迫や搾取、上げ出せばキリがない。


短い滞在でも、そういった空気は感じるそうだ。

冒険者と言う他国の平民に対する要職者の態度や、城下町の裏通り、孤児院などを見れば、その国の問題が見えて来るそうだ。

もう少し詳しく言うなら、検問での衛兵の態度、衛兵に連れて行かれる先、そこでの相手の出方や話し方。

表通りは綺麗にしていても、一歩裏道へ入ると、浮浪者が蹲っていたり不衛生だったり。


孤児院を訪れて、子供達が清潔な衣服を身につけていても、よく見れば着慣れていないのがわかったり、清潔にしているようで、肌の艶が悪く痩せ細り、おどおどしていたりと、客が来る時だけ取り繕っても、子供を見れば普段どう扱われているかはわかる。


町を警護している兵士も、携えた武器や、筋肉のつき方、住民への態度、また、住民からの態度で、普段どういう仕事の仕方をしているかは伝わってくる。

アキチカ達はそう言ったそうだ。


「殿下に街中を案内していただき、住民に好かれていることが伝わってきました。

大人だけでなく子供も、殿下を見て笑顔で頭を下げていましたね。

だからと言って気軽に話しかけて来るでもなく、王族として敬っていると感じました。

孤児院でも子供達の目はキラキラしていて、大切にされていることは伝わってきました。

以前訪れたある国では、孤児院への寄付は職員が着服し、食事も満足に取れず、病にかかっても放置されていました。

町では衛兵が傲慢に振る舞い、衛兵を見かけると住民は逃げるように隠れていました。

貴族の馬車が通る時、平民は地面に平伏さなければならない国もありました。

本当にどの国も問題がありました。

なのになぜこの国はこんなに【悪意】が少ないのですか?」


問われた王子は、「賄賂を渡そうとする人はいるし、私服を肥やそうとする人もいる、普通の国だと思う」と答えたそうだ。

人間だもの、楽をしようとする人もいるし、お金大好きって人も多い。

だからと言って大きな事件が起きることがない。

賄賂は上に行けば行くほど受け取る人はいないし、国民性として勤勉だし、なんといっても、歴史がある分、過去の失敗談も豊富なので、自戒する風習が根付いている…からなのかな。


この国民性は、やっぱり教育にあると思う。

平民でも希望すれば学園に通えるし、学園に通わなくても、神殿で基礎学習は学べるなど、教育に力を入れている。

学費はほぼ無料。

国から出資されているし、貴族の善意の寄付で運営されている。

でも寄付は受け付けても口出しは受け付けない。


貴族だからと平民を見下すことは「みっともない」「はしたない」ことだと徹底的に教え込む。

逆に平民には、王族や貴族のおかげで学べる事を理解させる。

要は図に乗らない、当たり前だと思わない、などを空気で感じるうちに、お互いスムーズな関係を築ける。


王族、貴族に平民は生活を守ってもらい、平民からの労働力や税金で王族、貴族は生活している。

お互いあっての生活だと、子供の頃から教えていると、それが『当たり前』だと身に染みて理解できる。

学園の5年間で、しつこいくらい国の歴史やなんやらで、過去のヤラカシを隠さずに、伝えている。

学園に通わなくても、昔話として子供の寝物語などで語り伝え、昔の間違いを繰り返さないようにしている。

有名なのが【ごうつく侯爵】と【へつらい伯爵】の物語で、小さな頃は物語として、学園では史実として学んでいる。

どんな事件だったかというと……。


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