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アラサーの俺がヒロインの友達に転生?ナイワー  作者: 七地潮
〜のんびりいこうよ、え?いけないの?〜
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領地でのお仕事

その夜は、内輪だけの婚約パーティー(何度目だ?)で祝ってもらった後、ビクビクしながらベッドへ入ったけれど、夜中にドアが開くことはなかった。

そりゃあそうか、親族の大半が揃っているところで盛らないだろう。

は〜良かった良かった。


次の日の昼前には、祖父母と母は領地へ戻り、俺のアスデモス家奮闘記が始まった。


……いや、すまん、大袈裟だった。

普通に過ごす日々ですよ。

朝起きたらマリアンヌが(俺のお付きだから当然マリアンヌもアスデモス家に滞在だ)朝の支度を整えてくれて、リズヴァーンの家族と一緒に朝食。


その後トーマおじさんは山へ芝刈り……執務で仕事に、リズヴァーンはアスデモス家の私兵と鍛錬の後トーマおじさんの補佐を。


マギーおばさんは屋敷内の仕事の采配を家令と執事(これ一緒でよくない?と思うんだけど、本人達の意識として一緒にするなだって)メイド長に指示して、その後は手紙の整理。

領地内から寄せられる上申書や、付き合いのある王都の貴族からの手紙、商人への発注や引取依頼など、家によっては家令の仕事だよね?

で、手紙を整理して問題があれば、トーマおじさんに持って行く。


つまり、上申書など、マギーおばさんが一旦整理して、自分で対処できるものは対処して、無理なものだけトーマおじさんに投げる、と。

マギーおばさんは女性なのに、領地経営に積極的に参加している。


少し遅めに昼を取り、その後は領地へ繰り出すことが多い。

町中で直接領民の声を聞いたり、国境を警備している国境警備隊の詰所に差し入れを持って行ったり、領民と一緒に狩や魔物討伐へ行ったり、領民と井戸端会議をしたり…。

つまり領民と触れ合う時間だ。

日が暮れる頃に家に戻って夕食、その後はのんびり過ごして就寝。


一日の流れはそんな感じ。


この国の国境警備隊とは、その名の通り、国境に駐屯している国の兵士だ。

人の出入りや、通行税の徴収、勿論有事の戦力として、常時100人程の兵士が、三交代24時間で、働いている。

これって多いの、少ないの?

有事の戦力としては少ないけど、和平中で砦の仕事だけならこんなもんか?


砦の食事は、兵士が交代で作っているそうなんだけど、素人の男の手料理、ましてや大人数分なんてのは、どんなものが出てくるか想像できるよね。

肉を焼く、パンを配る、以上!

その辺の野菜を適当に入れたスープがあればいい方。

栄養?バランス?ナニソレ、お腹膨れるの?って感じだ。


だから、差し入れは割と頻繁に持ち込んでいて、大層喜ばれるそうだ。

また、予算の多い年(有事の時)は、料理人や身の回りの世話をする人員を配置するそうなんだけど、平和な時代は軍事予算が一番削除されるらしく、【自分達でできる事は自分達でやろう】と、割とシビアだ。


場所によっては、自分たちの給料(自腹)で雇っている所もあるとか。

国としては『給料はたんまり払っているのだから、近隣の料理人を雇うか、町や村へ食べに行って、勤務地に金を落とせ、そして経済を回せ、お前らの給料は民の税金なんだぞ』って言い分らしい。

ホントシビアだ。


そんなこんなな関係だけど、積極的に差し入れを持って行ったりしているから、兵士たちとの関係は良好だ。

砦から一番近いこの町で休暇を過ごしたり、気分転換も兼ねてご飯を食べに来たりもしているけど、揉める事はない。


イメージ的に「俺達がお前らを守ってやってんだぜ、へへへへ」なおポンチな兵士と村人が揉める、なんてありがちなパターンの気がするけど、まずそんな兵士は我が国には居ない。

うちの王家は優秀だからね。



そんなこんなで、おじさんだけでなく、おばさんも精力的に動いている。

王都の女性は【情報収集】と言う名目のお茶会が主な仕事なのに、マギーおばさんはめちゃ働いてると思う。

これって俺がこの家に嫁入りしたら、おばさんの仕事を引き継ぐことになるんだよな。

ちょっと厳しくないか?


まず、狩や討伐にほぼ毎日出向くなんて、そんな体力無いぞ。

でもこの地では、女性も剣や弓を担いで意気揚々と森へ入るんだよ。

だから女性もとても逞しい。

ノリもガチな体育会系だ。


果たして俺について行けるのだろうか……。

お互い偽装と言っていても、多分、きっと、このまま結婚するんだろうなと思う。

本当に俺について行けるのかな……。


あ、でも今回は別にマギーおばさんの仕事を手伝っているわけではない。

婚約者とはいえ、まだ【お客さん】なのだから、領内のアレコレを詳しく知られたくないだろう。

俺はおばさんの仕事をする姿を見てたり、リズヴァーンの家の人たちと交流を図ったりしながら、ゆったりと過ごしている。


国境警備隊への差し入れに付いて行ったり、町を散策したり、おじさんやおばさんの休憩時間に一緒にお茶したり。

リズヴァーンに案内されて領地内の景観の良いところや、食事の美味しい店に一緒に行ったり……はっ!それはデートだったのか?もしかすると。


前世のイメージで、婚約者の家に行くっていうと、花嫁修行的なモノがあったり、姑のイビリがあったりなど、昼ドラ的な感じだったけど、元からおじさん達に気に入られてるし、両家の仲は良好だしで、めちゃのんびり過ごさせてもらってる。


逆に俺だけのんびりしていて良いのかと不安になる程だ。

んー、お姫様扱い?とでも言うのかな?

実際おじさん達からも

「のんびりと好きなことをして過ごしなさい。

キャスティーヌが楽しそうにしてるのを見るのが嬉しいからね。

滞在中にもっと息子と仲良くするのが君の仕事かな」

などと言われてしまった。


多分リズヴァーンも同じことを言われているんだろう、今まで2人で出かけることなんてなかったのに、ちょくちょく出かけたり、2人でお茶したりしている。

会話も増えたかな。

話題の内容がほぼ兄の事だとしても、今まで以上に話をしている。


まぁ、おじさん達の目論見通りなのか、仲は良くなってきてると思うよ。

男女の仲と言うより、同性の友達って空気なんだけどね。


のんびりと滞在期間の半分が過ぎた頃、領地に来客があった。

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