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アラサーの俺がヒロインの友達に転生?ナイワー  作者: 七地潮
〜気がつけば第二の人生?〜
4/112

登校したのに教室へも入ってないよ

「おはようご……」

教室のドアを開けて挨拶をしようとしたんだけど、言葉も終わらないうちに体当たり……もとい、柔らかい感触に包まれました。

「キャスティーヌ様!お体はもう大丈夫ですの?」

俺に抱きついて来たのは、キャスティーヌの一番の友人であるヒロインだ。

うん、もうちょっと一部の弾力が有れば言う事ないのにね。

「おはようございます、クリスティーナ様、ご心配をおかけして申し訳ありませんわ。

もう大丈夫ですからご安心なさって」

うん、本当に心配かけたと思う。

あの時すっごい焦った顔で駆け寄って来てたからね。

今だって心配が滲み出てて表情が暗い。

「本当に大丈夫ですの?

少しでも体調が思わしくないのなら、お休みしてた方がよくなくって?」

「ふふふ、クリスは心配性なんだから」

他のクラスメイトには聞こえないように愛称を呼ぶと、固かった表情が少しだけ崩れた。

「さあ、入り口に居ると他の方の邪魔になってしまいますわ、席へ行きましょう」

俺が言うと素直に頷き、二人で移動しようとしたのに、後ろから不機嫌な声が聞こえてきた。


「本当に邪魔だな、早く退いてくれないか?」

この甘いイケボは!

勢いよく振り向くとそこに居たのは第二王子、しかも背の低い俺から見ると見上げる形、そして向こうは上から見下ろす形、その背後には淡く光る廊下のライト。

この角度は……ケシカラヌコトをヒロインにして上から押さえ込んで見下ろす角度!

俺の前世の一番最後に目に入ったスチルと同じ角度!

体が震えて全身鳥肌!

思わず後ろに下がったらよろめいてしまった。

横に居たクリスティーナに支えられたから転けなかったけど、誰も居なかったら尻餅ついてた、きっと。

「なんだその態度、不敬ではないか?」

いやいやいや、にじり寄ってこないで下さい!

そのイケボで喋らないで下さい!

俺にその気はないですから!

「失礼致しました。

キャスティーヌ様は昨日の夜会で倒れられて、まだ体の調子がよろしくないのです。

どうぞお見逃しください」

胸に手を当てて頭を下げるクリスティーナ。

クリスティーナの設定は……



クリスティーナ・ヨルハイム 16歳、青銀の髪にコバルトブルーの瞳を持つ、ちょっとお胸が寂しい子爵令嬢。

体が弱かった母親の看病の為、田舎で暮らしていたが、15の時母が亡くなり王都へ戻って来る。

皆より一年遅れて学園へ。

16歳の社交デビューに向けて一年間頑張って学ぶ。

そこでどのステータスを伸ばすかで攻略ルートが決まる。

全てを均等にオールマイティに伸ばし、優しさを上げると、真面目で健気な性格になり、王子とアル兄さんと用務員ルートへ。

体力を中心に伸ばすと、明るく元気な性格で、留学生と護衛騎士、商人の息子ルート。

勉強に力を入れて、体力を控えめだと、賢く聡明な優等生キャラに。

大神官の息子と教師と、王子(2ルート目)に。

そして全てをマックスにする高難易度だと、すべてに立ち向かうヒロインへ。

ルートはリズヴァーンと隠しキャラ。

どのパラメータも一定値を下回ると、誰とも絆を深めず学園を去るバッドエンド。


確かそんな感じだったかな。

隠しキャラが誰なのかは教えてもらえなかったけど。


そしてヒロインがリズヴァーンルート以外だと、俺がリズヴァーンと……のルートだ。

これは阻止したい、是非にでも!


ここはどのルートだろう、うーん、全てをそつなくそこそこだった様な……。


「おい!聞いているのかサリフォル嬢!」

おっと考え事に没頭して王子をシカト状態だった。

「申し訳ございません、やはりまだ少し調子が悪いようです」

「まあ、キャスティーヌ様、それは大変ですわ、救護室へとまいりましょう」

クリスティーナが俺の手を取る。

おー、クリスティーナもキャスティーヌに負けず劣らずすべすべだ。

「ランフェル殿下、御前を失礼いたします」

優雅に頭を下げるクリスティーナに追随するよう俺も頭を下げ、王子の前から退場。


しかしけしからんな、あの王子あんな顔してクリスティーナにあーんなことやこーんな羨ましいことをするんだから。

でも今の反応だと、この世界では王子ルートではないのかな?

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