表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【揺花草子。】(日刊版:2019年)  作者: 篠木雪平
2019年01月
19/366

【揺花草子。】<その2548:難しいお年頃。>

 【揺花草子。】<その2548:難しいお年頃。>


 Bさん「あばたもえくぼって言うじゃないですか。」

 Aさん「あぁ・・・言いますね。

     好きになってしまうと欠点すらも長所に見えてくるものだって事だよね。」

 Cさん「『あのブリジットって子はものすごくおっぱいが小さいけども、

      そこが好きなんだよ』

     『マジか。あばたもえくぼだな。』

     って感じに使うわよね。」

 Bさん「ちょっと!!! なにその例文酷い!!!」

 Aさん「まさかブリジットに矛先を向けて来るとは・・・」

 Bさん「おっぱいが小さいのはアドバンテージだよ!!」

 Aさん「そう言う怒り方!!?」

 Bさん「とにかく、阿部さんも言った通り

     恋に落ちれば多少の欠点も愛おしく思えるものですよって意味ですね。」

 Aさん「うん。」

 Bさん「けれど、これってホントにそうなのかな?」

 Aさん「えっ・・・なにが?」

 Bさん「『あばたもえくぼ』って言うのは、あまりに省略が激しすぎると言うかね。

     簡略化し過ぎている気がするんだよ。

     文としての体を成していないと言うか。」

 Aさん「いや・・・それ言っちゃったらもう・・・

     ことわざとか慣用句とかってだいたいそう言うものじゃ・・・。」

 Cさん「『あばたもえくぼに見える』だったら意味が通るのよ。

     けど『あばたもえくぼ』で切っちゃうと、

     そのあとに何が来るか不定なわけじゃない。

     『あばたもえくぼには見えるわけねえだろJK』かも知れないじゃない。」

 Aさん「JK ではなくないですか。」

 Bさん「そもそもこの『あばた』とか『えくぼ』って言うのも、

     阿畑くんとか枝久保ちゃんとかかも知れないよ。」

 Aさん「阿畑くんとか枝久保ちゃん誰だよ。」

 Cさん「県立高に通う高校生よ。

     阿畑くんは野球部の万年補欠だけどちょっといい感じの仲の女の子がいる。

     枝久保ちゃんは少し天然気味でボブカットが良く似合う小柄な子。」

 Aさん「急にキャラ立てて来ましたね!!!」

 Bさん「だから『あばたもえくぼ』って言うのはさ、

     実はこんな意味かも知れない。」

 Aさん「えっ・・・どんな・・・?」

 Bさん「『ねえ枝久保ちゃん』」

 Cさん「『えっ、なに? さゆりちゃん』」

 Bさん「『枝久保ちゃん・・・ちょっと言いにくいんだけどさ、

      あんたのためだと思って言うよ。』」

 Cさん「『えっ・・・なっ、なにかな・・・』」

 Aさん「(えーなに急に茶番始まった)」

 Bさん「『枝久保ちゃんさ、ちょっと男子に色目使い過ぎじゃない?』」

 Cさん「『えっ!!? そ・そんな・・・そんなつもりは全然ないよ・・・?』」

 Bさん「『ちやほやされて嬉しいのは分かるけどさ。

      枝久保ちゃんの事悪く思ってるやつらもけっこういるよ。

      男子も女子も。』」

 Cさん「『そっ・・・そんな・・・

      だって私・・・ただみんなと仲良く楽しくって思ってるだけで・・・』」

 Bさん「『そうやって天然ぶってるところも癇に障るって言ってる子いるよ。』」

 Cさん「『そんな・・・うっ・・・うっ・・・』」

 Aさん「(枝久保ちゃん泣かされた・・・)」


 Bさん「『阿畑も枝久保ちゃんの事

      「男に媚びすぎてて見ててイラつくわ」って

      言ってたよ』」

 Aさん「なにその『あばたもえくぼ』!!???

     って言うか阿畑くん性格悪すぎない!!???」


 でも実は枝久保ちゃんと仲良くなりたいと思ってる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ