【揺花草子。】<その2545:不利な方が負けるとは限らないわ。>
【揺花草子。】<その2545:不利な方が負けるとは限らないわ。>
Bさん「運命は浮気者って言うじゃないですか。」
Aさん「いや・・・言いますけど・・・
それってダージリン様が言ってる事じゃないの・・・?」
Cさん「ダージリン様が言ってると言う事は当然何らかの元ネタがあるって事よ。」
Aさん「はい?」
Bさん「阿部さんオレンジペコちゃんのモノマネナイスだよ。」
Aさん「どうも・・・。」
Cさん「『運命は浮気者』と言うこのフレーズの元ネタは果たして何か分かるかしら。」
Aさん「いや・・・ちょっと知らないですね・・・。
さすがにノーヒントで当てろって言われても・・・。」
Bさん「じゃあヒントね。
『けいおん!』と関係があります。」
Aさん「『けいおん!』と関係があるなら『けいおん!』なんじゃないの?
いやでもそんな台詞は作中に出て来た覚えはないな・・・。」
Cさん「『けいおん!』そのものではないと言う事よ。」
Aさん「えー・・・。」
Bさん「実はこれ、『ロミオとジュリエット』に出てくる台詞だよ。」
Aさん「え、そうなの?
だとしたら『けいおん!』からそこを導けって言うのは少し乱暴じゃない?
せめて『シェイクスピアの作品のひとつです』ってヒントにして欲しかったよ。」
Cさん「私たちはそんなに優しくないわ。
少なくとも阿部さんに対してはね。」
Aさん「その少なさはなんとかならないものですかね!?」
Bさん「もちろんわりかし普通に使われてそうなフレーズだし、
ロミジュリだけが唯一の出典ではないかもだけれども、
このフレーズが作中にビシーッと出て来るのは間違いなくて。」
Aさん「そうなんだ。」
Cさん「具体的に言うと3幕5場よ。
ロミオとジュリエットの朝チュンシーンの後、
後ろ髪引かれる想いでキャピュレット邸を後にするロミオの背を見送りながら
ジュリエットが情感たっぷりに傍白するの。」
Aさん「朝チュンシーンとか言うのやめてもらえませんかね。」
Bさん「原文だと
『O, Fortune, Fortune, all men call thee fickle』
となっているよ。」
Cさん「新潮文庫から出ている中野訳だと
『おお、運命の女神様! みんながお前のことを浮気者という。』
と訳されているわ。」
Aさん「『運命は浮気者』と言う意味合いとは少し違いますね。」
Bさん「原文が『Fortune, Fortune』と大文字になっているのがポイントだね。
つまり固有名詞として扱われている。
普通名詞としての『fortune』は『運命』と言う意味になるけれども、
頭を大文字にした『Fortune』と言う表現には
『運命と言う抗い難き意思』と言うニュアンスが含まれ、つまり人格が付与され、
結果として『運命の女神』って言う感じに訳されるわけ。」
Aさん「なるほど。」
Cさん「もちろんだからと言ってダージリン様の『運命は浮気者』って言う台詞が
誤訳だと言うわけではないわ。
ニュアンスはうまく汲み取られているもの。
『運命の女神は浮気者』って言うよりはよほどダージリン様っぽいものね。」
Aさん「まあ・・・それは確かに。」
Bさん「数え切れないほどの嫁を抱える阿部さんは
浮気者どころの騒ぎじゃないね。」
Aさん「人聞きの悪い事言わないでくれませんかね。」
平等に愛を注いでいるそうですよ。




