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【揺花草子。】(日刊版:2019年)  作者: 篠木雪平
2019年01月
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【揺花草子。】<その2543:眠そうな表情で。>

 【揺花草子。】<その2543:眠そうな表情で。>


 Bさん「飼い犬に手を噛まれるって言うじゃないですか。」

 Aさん「今日も今日とて慣用句シリーズ。」

 Cさん「『あの阿部とか言う下っ端が我が身可愛さに俺ら幹部連中の居所を

      サツにバラしやがった。

      飼い犬に手を噛まれるとはこの事だ』

     みたいな使い方をするわよね。」

 Aさん「なんですぼくギャングかなんかの下っ端なんです?

     毎回ぼくを引き合いに出すのも決まり事なんですかね。」

 Bさん「手下や部下などに反抗され手痛いダメージを負う事を

     比喩的に言う表現だよね。」

 Aさん「そうですね。」

 Bさん「一宿一飯の恩を忘れて飼い主に襲い掛かるなんて、

     これだから犬は信用ならないんだよ。

     犬は飼い主に忠実だなんて聞いて呆れるよ。」

 Aさん「なんでそんな犬派のヘイトを集めそうな発言を進んでするわけ?

     だいたいの犬は飼い主に忠実だと言う前提があってこそのこの慣用句じゃない?」

 Cさん「さすが組織の犬は言う事が違うわ。」

 Aさん「誰が組織の犬ですか!! 何の組織ですか!!!」

 Bさん「『全日本ガチクズ総連合』、略して『全ガク連』の。」

 Aさん「その略称はどうかなあ!!?」

 Bさん「まあとにかく思わぬ裏切りに遭う事を表す『飼い犬に手を噛まれる』。

     一方我々猫派は乱暴で傲慢な犬とは違うと言うところを見せてやるよ。」

 Aさん「またヘイトを集める発言を・・・。

     って、なに、猫派の?

     『飼い猫に手を噛まれる』みたいな?

     それってあんまり痛くなさそうだけど・・・。」

 Cさん「そうかしら。

     一口に猫と言ってもイエネコからヒョウやトラ、

     ライオンやサーバルちゃんまで様々よ。」

 Aさん「ヒョウやトラやライオンやサーバルちゃんは

     ヒョウやトラやライオンやサーバルちゃんであって猫ではないでしょ。

     第一飼えないでしょ。」

 Bさん「『サーバルちゃん飼いたいデュフフ』が口癖の阿部さんなのに?」

 Aさん「そんなん言った事ない!!!」

 Bさん「まあともかく、飼い猫を主題とした慣用句だよ。」

 Aさん「はぁ・・・。」


 Bさん「構って欲しいのを不器用な愛情で表す

     ツンデレ行為を指して

     『飼い猫に甘噛みされる』と

     表現したいと思ったよ。」

 Aさん「可愛い!!!!!」


 可愛い。(確信)

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