【揺花草子。】<その2647:それでも人の持つ可能性を、おれは信じたい。>
【揺花草子。】<その2647:それでも人の持つ可能性を、おれは信じたい。>
Bさん「いよいよ『ORIGIN』の OA が始まるので今日はその辺りの話をしますよ。」
Aさん「はっきり余所のコンテンツの話をしていくと宣言するスタイル・・・。」
Cさん「コンテンツ界のコバンザメと呼んでくれれば良いわ。」
Aさん「呼びませんよ。誰にも呼ばれませんよ。」
Bさん「あのね、かのジオン・ズム・ダイクンが提唱したジオニズムですよ。」
Aさん「あぁ、うん、少し前にもそのへんの話したよね。」
Cさん「阿部さんはジオニズムは選民思想ではないと言う言い方をしていたわね。」
Aさん「そうですね。
ジオニズムはジオン公国の国是と据えられましたけれども、
それはジオン・ダイクンの思想から歪められた排外的な思想であって、
ザビ家が戦争を続けるための方便としてジオンの名を騙ったに過ぎないと。」
Bさん「ふむ。
じゃあ今日はもう少しその辺りを整理してみようか。」
Aさん「はぁ。」
Cさん「そもそもジオニズムにはその前提となる2つの思想があるわ。
一方は母なる大地であるところの地球を聖地とし、
すべての人類は聖地を離れ宇宙で暮らすべきだとした『エレズム』と言う思想。
もう一方はスペースノイドたちは地球経済圏に頼らずとも自活でき、
むしろそうあるべきだと言う主張。これは『コントリズム』と呼ばれるわ。」
Aさん「ふむ。」
Bさん「ジオニズムはこの2つの思想を統合し、
また人類の革新たるニュータイプ論を加えたものだよ。」
Cさん「コントリズムはジオン共和国の成立によってその正当性を証明できた。
周辺コロニーからの移住を推奨し、国力を高めていったわ。
宇宙世紀開闢から50年ほど過ぎた頃の出来事よ。」
Aさん「ふむふむ。」
Bさん「地球連邦は増えすぎた人類の新たなる未来のための移民政策と謡って
人々をスペースコロニーに追放した。
一方今なお地球で暮らし、利権を貪る地球連邦は
なおも地球の環境を悪化させ続けていた。
母なる大地を神聖視し象徴として守り続けるべきだと考えるエレズムの主張からは
受け入れがたい事だよ。」
Aさん「まあ・・・。」
Cさん「ただ、人々の宇宙への旅立ちは決して単なる厄介払いではなかったわ。
宇宙世紀開闢の折に刻まれた宇宙世紀憲章は、
棄民と蔑まれた宇宙移民たちの未来の可能性に期待する
希望が盛り込まれていたわよね。
ビスト財団はそれをひた隠して来たわけだけれども。」
Aさん「そうでしたね。
アースノイドとスペースノイドと言った諍いをやめ、
新たな時代の担い手としてお互い手を取り合い進んで行こうと訴えたのが
ザビ家の遺児たるミネバだったと言うのが非常に示唆的でした。」
Bさん「まあかく言うジオニズムの担い手、
とりもなおさずジオン・ダイクン亡き後彼の後継者と指名されたとされる
デギン・ザビもまた、阿部さんが言った通り
地球連邦と戦うための大義名分としてジオニズムを捻じ曲げ、
宇宙に出た優れたスペースノイドこそがいずれニュータイプの地平に辿り着き、
アースノイドと言う劣等な人類を支配すべきだと言う主張に
変容させてしまったわけだけれども。」
Aさん「そうだねえ。」
Cさん「地球連邦側から見ればジオン・ダイクンが唱えた思想もデギンが実践した思想も
どちらもアースノイドとスペースノイドの対立を引き起こす悪逆の主張だった。
地球連邦もまた自分たちのポジション取りのために戦争を利用したわけね。」
Aさん「んんー・・・。」
Bさん「そんなわけで、ジオニズムを主張する人々の事はジオニストと呼ばれますね。」
Aさん「まぁ、そうだよね。」
Bさん「さしずめ阿部さんはジアニストだよね。」
Aさん「こんだけ長々話しておいてそんなオチ?」
事案主義者。




