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助けて貰った神様のお嫁様になりました。
その行列が現れたなら、窓を開けてはならない
その行列が現れたなら、物音をたててはいけない
もしそれを破ってしまったならば彼等に“何処かへ ”連れていかれてしまう
「お姉ちゃんまって~」
「早く、しないと」
「もう走れないよ 」
幼い妹は泣き出してしまった
「暗くなっちゃう、彼等が来ちゃう」
「怖いよー」
「大丈夫、お姉ちゃんがついてるから」
怖くて泣き出す妹を抱き上げ再び駆け出す
姉妹は着の身着のままで逃げてきたのだろう、素足のままで汚れていた
「お姉ちゃん…」
「ちゃんとつかまっててね」
「うん」
再び駆け出す姉妹の周りは異常なくらいの空気の冷たさである
「(何でこんな事に…)」
姉の澪は中学2年。部活が終わりいつも通りに帰宅すれば家の中は荒れていて、両親の姿はなく5歳になる妹・美華が血まみれで泣いていた