六十九話 異界⑲
―――――コルトM1991A1 ベレッタM93R デザードイーグル &W M29と言った、現在召喚人達が
使用している自動拳銃や回転式拳銃の他に、今後追加装備として最前線に配置されるであろう
グロック17、H&K HK45、SIG SAUER P226などで射撃訓練を行っている召喚人達は、両腕をほぼ均等に二等辺三角形の形で、立射姿勢で基本といえるアソセレススタンスのダブルハンドという構えだ。
ベニヤ材にゴブリン解部図を描いた等身大のゴブリン形ターゲットに引き金を絞り、 全ての
ゴブリン形ターゲットの眉間部周辺を正確に撃ち抜いている。
『元の世界』で「手野武装警備株式会社」に所属しているゴンザレス達でさえも的確に
ヘッドショット出来る事は困難だ。
そんな困難な射撃を易々とやってのけっている召喚人達も、元々から高かったわけではない。
『元の世界』と『異世界』で流れている時間で表せば、190週間続けられる基本戦闘訓練の
習得成果だ。
射撃訓練は、基本戦闘訓練内にあるプログラムの一つだ
開始直後は、現在の半分距離の五メートル位置からさえも、撃発された銃弾はゴブリン形
ターゲットを 大きく逸れていた召喚人達の射撃術だった。
―――――それを80パーセントの確立で5メートル先のゴブリン形のターゲットの頭部に銃弾
を集められるまで、射撃がただ繰り返し続けさせられる
召喚人達にはプログラム開始の6日間、1日に最低500発の銃弾が一体ずつに揃えられ、一体
一体が、20メートルの先のコインを余裕綽々と撃ち抜く射撃術を習得できるまで続けられる
射撃訓練プログラムが進むに連れて揃えられる銃弾の数も多くなる。
2段階目で7000発 3段階目で1万2000発 4段階目で2万5000発、5段階目で
5万発、 射撃訓練最終目には、1体につき30万発が揃えられる事になる
アソセレススタンスのダブルハンドで引金を絞っている召喚人達の中には、100%確実で20メートルの距離をクリアしている召喚人の姿はなく、ヘッドショットに苦戦を強いられているのが
大半だった。
その様子を見ていたのは迷彩服を着込んだ日本人俳優貌の訓練教官だ。
還暦を過ぎたとは思えないダンディーさと、華麗なアクション、そして枯れた役やコミカルな
役まで、幅広く演じ分けることができる名優『舘ひろし』貌の教官だ。




