六十三話 異界⑬
次にあるのは、四メートル程の高さの壁に太い綱が垂らされていた
召喚人達は喘ぎ声と共に、全力でそれを乗り越えようとするが両脚に
括りつけているずっしりと重い鉛の棒で、思うように綱を登れず悪戦苦闘する
一層の疲労感に襲われた『ジャック・ニコルソン』 『ショーン・ペン』
『キャメロン・ディアス』 『メグ・ライアン』貌の召喚人が、太い綱を登れずに
ずるずると落ちていく
障害を登り切った先にも同じように綱が垂れており、召喚人達はそこを伝って
降りなければならない
落下しても良いように、地面は砂が敷き詰められているが・・・。
滑り落ちそうになりながらも、召喚人達は萎えた両腕で必死に綱を握りながら
そこを伝って降りていく
『足踏ミシテイルダケデハ進マナイゾッ! オ前達ハソレデモ巷デ噂ノ召喚人カっ!!』
『かたせ梨乃』貌の訓練教官が声のかぎり怒鳴った。
視線の先には、垂らされている太い綱を伝い、歯を剥き出して死に物狂いで
下っている、『トム・ハンクス』 『トム・ベレンジャー』 『シャロン・ストーン』
『リース・ウィザースプーン』貌の召喚人がいた。
『シッカリシロっ!! 行クゾ!!』
『トム・ハンクス』貌の召喚人がしゃがれ声を振り絞りながら言う。
朦朧とする意識の中、死に物狂いで地面に降りていく
『モウ無理・・・』
『リース・ウィザースプーン』貌の召喚人が呟く
『弱音ヲ吐クナッ!! コノママデハ、『無』に戻ル事二ナルゾ 力ヲ合セレバ
最後マデイケル!!』
『トム・ベレンジャー』貌の召喚人が、喉から声を振り絞る
『私ハモウ動ケナイ・・・』
『リース・ウィザースプーン』貌の召喚人が首を垂れながら、呻く様に声を
洩らす
『シッカリシロっ!! 諦メタラ『無』に戻ル前二、俺ガ貴様ヲ絞殺スカラナ!!』
『トム・ベレンジャー』貌の召喚人の声は真剣だった
『リース・ウィザースプーン』貌の召喚人は、弱り切った力を振るって立ち上がろうとしていた
『トム・ベレンジャー』貌の召喚人は、その襟首を掴んで立ち上がらせた。
『リース・ウィザースプーン』貌の召喚人は、ぶるぶると震えながらも
立ち上がり、歯を食いしばって萎えた身体に力を振り絞って進み始める
『馬鹿野郎・・・マダ動ケルジャナイカ』
『トム・ベレンジャー』貌の召喚人は、唇を歪めて呟く




